死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

ゼロ年代+の絵本【2003年】

今回は、ゼロ年代+の絵本の第4回目「2003年版」です!

 

ゼロ年代+の絵本の企画概要などは、こちらです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

それでは、2003年版スタートです。

 

①おひさまパン

 

ehon0016.hatenablog.com

 

おひさまパンにまつわる、動物たちのお話です。訳は、作家の江國香織さんです。動物たちが可愛らしくて、パンもとても美味しそうです。

 

②おまえうまそうだな

 

ehon0016.hatenablog.com

 

アンキロサウルスの赤ちゃんとティラノサウルスのお父さんの心温まる一冊です。ユーモラスなイラストとは裏腹に、感動的なストーリーです。

 

岸辺のふたり

 

ehon0016.hatenablog.com

 

父と娘の別れと再会が描かれた絵本です。まるで映画を見ているかのような感覚で読める、大人な一冊です。

 

④急行「北極号」

 

ehon0016.hatenablog.com

 

クリスマスに起きた不思議な出来事が描かれた絵本です。幻想的で美しい絵と村上春樹さんの訳が印象的です。こちらの作品は、映画化もされています。

 

 

⑤ゴールディーのお人形

 

ehon0016.hatenablog.com

 

女の子の仕事への誇りが描かれた絵本です。働くことの尊さや素晴らしさが描かれた、大人にこそ読んでほしい一冊です。

 

ザスーラ

 

ehon0016.hatenablog.com

 

兄弟が経験する、奇妙な冒険が描かれた絵本です。こちらの作品も、映画化されています。『ジュマンジ』の続編にあたります。

 

 

 

映画『ジュマンジ』もオススメです。私も、小さい頃に何度も見ました。

 

 

⑦しゅくだい

 

ehon0016.hatenablog.com

 

宿題をめぐる、もぐと家族の心温まる一冊です。いもとようこさんの絵本は、読むと優しい気持ちになれます。

 

⑧はっぴぃさん

 

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荒井良二さんの絵本です。読み進めるうちに心が満たされていく、そんな絵本です。

 

⑨ゆらゆらばしのうえで

 

ehon0016.hatenablog.com

 

うさぎときつねの、不思議な絆が描かれた絵本です。テンポ良く読めます。

 

⑩ロンパーちゃんとふうせん

 

ehon0016.hatenablog.com

 

風船をめぐるロンパーちゃんの日常が描かれた絵本です。酒井駒子さんの絵本で、イラストが素敵です。

 

 

2003年も個性豊かな作品が揃っていますね。

 

今回も、海外絵本と国内絵本のそれぞれでベスト作品を決めたいと思います。

 

海外絵本では、『岸辺のふたり』がベスト1でした。

 

まるで短編映画を見ているような感覚で、感動的な絵本でした。

 

大人向けの絵本で、じっくり味わいたい一冊です。

 

また、国内絵本では、『おまえうまそうだな』がベスト1です。

 

怪獣の赤ちゃんとお父さんが繰り広げる、感動的な物語です。

 

次点は、『はっぴぃさん』で、心温まる作品でした。

 

また、2003年版では、海外絵本でオールズバーグの作品が、2つ入りました。

 

どちらも、子どもから大人まで楽しめる作品となっていますので、必見です。

 

映画化もされていますので、そちらも是非チェックしてみてください。

 

以上が、ゼロ年代+の絵本の2003年版でした。

 

気になった絵本がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

あなたの心の一冊が見つかれば幸いです。

 

 

 

 

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エリカ 奇跡のいのち

『エリカ 奇跡のいのち』を読みました。

 

エリカ 奇跡のいのち

エリカ 奇跡のいのち

  • 作者: ルース・バンダージー,ロベルトインノチェンティ,Ruth Vander Zee,Roberto Innocenti,柳田邦男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/07/14
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 42回
  • この商品を含むブログ (12件) を見る
 

 

あらすじ

 

1995年のある日、旅行途中のドイツで、著者の私はある女性と出会います。

 

その女性は、エリカでした。

 

強制収容所の話題になると、彼女は自分の体験を語り始めます……。

 

強制収容所から奇跡的に助かった女性の、感動の物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、命の尊さです。

 

著者の私は、旅の途中にひとりの女性と出会います。

 

彼女の名は、エリカ。

 

強制収容所の話題になると、エリカは自身の体験談を語り出します。

 

強制収容所に入れられる直前に助けられた時、彼女は生後2〜3ヶ月の赤ちゃんでした。

 

エリカと両親は、何百人ものユダヤ人たちと一緒に貨車に入れられ、貨車は走り出しました。

 

そして、列車がある村を通る時、スピードが落ちたところで、エリカのお母さんは、エリカを汽車から外に放り投げます。

 

エリカは、線路脇の小さな草むらの上に着地しました。

 

そして、近くにいた人が彼女を拾い上げ、ある女の人の家に連れて行ってくれました。

 

その女性は、危険を冒して、エリカを引き取りました。

 

そして、とても愛情深くエリカを育ててくれました。

 

その後、エリカは21歳で結婚し、3人の子どもに恵まれます。

 

今では、孫もいます。

 

この絵本では、著者が旅行の途中で出会ったエリカという女性が話してくれた内容が、物語になっています。

 

エリカは、強制収容所行きの汽車から奇跡的に助かり、生き延びた女性です。

 

そこには、感動的な物語があります。

 

改めて命の尊さを感じる作品です。

 

命の尊さを感じたり、命の重さについて考えるきっかけとなる絵本です。

 

印象的なことば

 

お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。

 

エリカの言葉です。

 

せめて子どもだけは助かって生き延びて欲しいという、お母さんの気持ちが伝わります。

 

また、エリカ自身も母親になったからこそ、こうしてお母さんの気持ちがわかるのではないでしょうか。

 

感想

 

強制収容所から奇跡的に逃れ、生き延びたひとりの女性の物語です。

 

そこには、エリカの辿った奇跡的な運命が、感動的に描かれています。

 

この絵本は、学生の頃に一度読んだことがあり、印象に残っていた絵本です。

 

内容も印象的ですが、まるで写真のような絵も印象に残っていました。

 

何度読んでも緊張感があり、同時に感動的で、命について考えさせられる絵本です。

 

この絵本を読んで、人は生きていると同時に、生かされているのだと感じました。

 

大人向けの絵本ですが、大人が子どもに読んであげてほしい作品です。

 

 

エリカ 奇跡のいのち

エリカ 奇跡のいのち

  • 作者: ルース・バンダージー,ロベルトインノチェンティ,Ruth Vander Zee,Roberto Innocenti,柳田邦男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/07/14
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こねこのチョコレート

『こねこのチョコレート』を読みました。

 

こねこのチョコレート

こねこのチョコレート

 

 

あらすじ

 

ジェニーは、4歳の女の子です。

 

もうすぐ、弟の誕生日です。

 

誕生日の前日、ジェニーはお母さんと一緒に、弟の誕生日プレゼントを買いに行きます。

 

ジェニーは、お菓子屋さんで「こねこのチョコレート」を買います。

 

その晩、ジェニーはなかなか眠ることができなくて……。

 

素敵な誕生日プレゼントのお話です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、思いがけないプレゼントです。

 

ジェニーは、弟の誕生日プレゼントに、こねこのチョコレートを買います。

 

その晩、ジェニーはなかなか眠ることができません。

 

ジェニーは、あの「こねこのチョコレート」のことを考えていたのです。

 

そして、ジェニーはこねこのチョコレートをひとつ食べてしまいます。

 

しかし、ジェニーはまだ眠れません。

 

そして、ひとつ、またひとつとチョコレートを食べていき、ついにはチョコレートを全部食べてしまいます。

 

次の日、家族のみんなが弟のクリストファーに、誕生日プレゼントを渡します。

 

そして、ジェニーもプレゼントを渡します。

 

しかし、クリストファーが箱を開けると、中身はからっぽです。

 

ジェニーは、クリストファーに謝りながらすすり泣きます。

 

そのとき、お父さんが部屋に入ってきて、飼い猫のティブルがプレゼントをくれたことを、みんなに知らせます。

 

みんなは、お父さんの後について、台所に向かいます。

 

そして、台所に行くと、ティブルとこねこがいます。

 

なんと、ティブルはこねこを3匹産んでいました!

 

クリストファーは、本物のこねこに大喜びします。

 

家族みんなが笑顔になり、物語は幕を閉じます。

 

ティブルの大活躍によって、ジェニーの失敗も帳消しになりました。

 

家族の温かさに、思わず微笑んでしまう絵本です。

 

印象的なことば

 

チョコレートの こねこより、ほんものの こねこのほうが ずっといいや!

 

弟のクリストファーの言葉です。

 

かしこい猫のティブルのおかげで、家族みんなが大喜びです。

 

ジェニーも、クリストファーの言葉に救われたことでしょう。

 

感想

 

誕生日プレゼントをめぐる、家族の心温まる物語です。

 

猫やこねこのチョコレートが出てきて、猫好きにはたまらない一冊です。

 

私も猫が好きなので、読んでいて癒されました。

 

大人でも、子どもの頃を思い出して、ジェニーの気持ちに思わず共感してしまいます。

 

あんなに可愛くて美味しそうなチョコレートがあったら、やはり食べたくなってしまいます。

 

最後は、猫のティブルのおかげで、ハッピーエンドになります。

 

読んでいて、心が温まる絵本です。

 

 

こねこのチョコレート

こねこのチョコレート

 

 

 

 

 

 

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オットー 戦火をくぐったテディベア

『オットー 戦火をくぐったテディベア』を読みました。

 

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

あらすじ

 

オットーは、ドイツの工場で作られた、本物のテディベアです。

 

ある日、オットーは、デビッドという少年のもとに、誕生日プレゼントとして贈られます。

 

オットーとデビッド、その親友のオスカーは、楽しい時間を過ごします。

 

しかし、ユダヤ人のデビッドは、両親とともに強制収容所に送られてしまい……。

 

戦争を背景に描かれた、テディベアのオットーの自伝的な絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、オットーと友達たちの奇跡的な再会です。

 

テディベアのオットーは、ドイツにある小さな工場で生まれます。

 

そして、デビッドという男の子のもとに、誕生日プレゼントとして贈られます。

 

デビッドには、同じ階に住むオスカーという親友がいました。

 

3人は、楽しい時を過ごします。

 

ある日、ユダヤ人のデビッドは、両親とともに強制収容所に送られてしまいます。

 

デビッドは、オットーにオスカーのことを頼み、お別れをします。

 

オットーとオスカーは、夜になるとデビッドのことを語りました。

 

ある日、オスカーのお父さんが軍隊に召集されて、前線に送られます。

 

その後、空襲が始まり、オットーたちは防空壕へと逃げ込みます。

 

しかし、大きな爆発があり、オットーは吹き飛ばされ、意識を失います。

 

そして、オットーはひょんなことから、ある兵隊の命を守ります。

 

兵隊のチャーリーには、勲章が贈られ、チャーリーはオットーの胸に勲章をつけます。

 

その写真が新聞に載り、オットーは連隊のマスコットになります。

 

戦争が終わり、チャーリーとともにオットーは、アメリカに渡ります。

 

チャーリーは、娘にオットーをプレゼントします。

 

しかし、散歩の途中で、不良少年のグループにつかまり、オットーはゴミ箱の中に放り込まれます。

 

そんな中、ゴミを漁っていたおばさんが、オットーを見つけ、骨董屋に持って行って、オットーを売りつけます。

 

ショーウィンドウに飾られたオットーは、何年も経った頃に、年老いた観光客に買われます。

 

なんと、その観光客はオスカーだったのです。

 

オスカーは、オットーのインクのシミで、オットーだとわかったはずです。

 

オットーたちの物語は、大きな見出しとともに新聞に載ります。

 

そして、デビッドから、オスカーが泊まっていたホテルに、電話がかかってきます。

 

3人は無事に再会を果たし、その後一緒にアパートで暮らします。

 

この絵本は、テディベアのオットーが書いた自伝になっているので、物語はオットーの視点で語られます。

 

オットーとデビッド、オスカーは、いつも一緒に楽しい時を過ごしますが、やがて戦争が暗い影を落とします。

 

しかし、それぞれが別々の場所で、戦争をくぐり抜け、生き延びます。

 

そして、長い年月を経て、3人は奇跡の再会を果たします。

 

デビッドもオスカーも、家族最後の生き残りで、壮絶な人生でした。

 

最後の方のページですっかり大人になった2人とオットーを見ると、なんだか感慨深いものがあります。

 

生きていればこんなこともあるのかもしれないと、思わせてくれる絵本です。

 

印象的なことば

 

でも、ぼくからすれば、人はだれもが同じ「人間」なんですけどね……。

 

オットーの言葉です。

 

強制収容所に送られる前に、デビッドはユダヤ人と書かれた黄色い星を身につけなければならなくなります。

 

黄色い星は、デビッドが他の人とは違うことを表す印です。

 

それを見たオットーが、感じた思いです。

 

素直な表現ながらも、心に刺さる言葉です。

 

このような考え方が、人間にもできれば、もっと平和な世の中になることでしょう。

 

感想

 

二人の少年とテディベアが、戦争に巻き込まれながらも、奇跡の再会を果たす物語です。

 

戦争や強制収容所など、負の歴史が背景に描かれた絵本ですが、最後は3人が奇跡の再会を果たし、希望のある終わりになっています。

 

戦争というと暗い話になりがちですが、物語がテディベアのオットーによって語られるため、どことなくユーモラスで、それでいて感動的です。

 

イラストのオットーは、場面によって絶妙に表情が変わり、まるで生きているかのようです。

 

オットーは、単なる思い出の品という域を超えて、物語の核となる存在になっています。

 

ページをめくるたびに、「どうなるんだろう?」とハラハラしながら読みましたが、最後はハッピーエンドでホッとしました。

 

ぜひ、現代の子供たちに読んでもらいたい絵本です。

 

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

トミーウンゲラーの作品では、こちらもオススメです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

 

 

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ゼロ年代+の絵本【2002年】

今回は、ゼロ年代+の絵本の第3回目「2002年版」です!

 

 

ゼロ年代+の絵本の企画概要などは、こちらです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

それでは、2002年版のスタートです!

 

 

①赤い蝋燭と人魚

 

ehon0016.hatenablog.com

 

美しい人魚が主人公の、悲しい物語が描かれた絵本です。美しい世界観に、思わず引き込まれます。

 

 

②あかちゃんのゆりかご

 

 

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ゆりかごをめぐる、家族の愛情が描かれた絵本です。家族の温かさに満ちていて、読んだ後は心が温かくなります。

 

 

③あたまにつまった石ころが

 

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好きなことを仕事にすることの素晴らしさが描かれた絵本です。好きなことを仕事にしたいと考えている、若い読者に読んでほしい一冊です。

 

 

④いつも だれかが…

 

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おじいさんと孫の交流を通じて、おじいさんの幸福な人生が描かれた絵本です。色々なことを乗り越えたおじいさんならではの視点に感動します。

 

 

⑤ぎゅうぎゅうかぞく

 

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活気溢れる八百屋の大家族が描かれた作品です。大家族の温もりが伝わってきます。

 

 

⑥ザガズー

 

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子育ての苦労や喜びが描かれた絵本です。人が成長する姿に考えさせられます。

 

 

⑦そして 犬は走ってゆきます

 

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日常生活の一瞬一瞬を切り取った絵本です。五味太郎さんの作品です。

 

 

⑧フリックス

 

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運命を乗り越え、活躍するフリックスの姿が描かれた絵本です。個性を活かした生き方が学べます。

 

 

⑨まいごのどんぐり

 

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コウくんとどんぐりの絆が描かれた絵本です。ものや自然を大事にしたいと心から思える絵本です。

 

 

⑩わたしのうみべ

 

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海辺に次々と流れ着く漂流物が描かれた絵本です。海辺の風景に心癒される一冊です。

 

 

 

2002年は、国内と海外の半分ずつのセレクトでした。

 

個性豊かな絵本が揃っています。

 

個人的には、国内絵本では「まいごのどんぐり」がベスト1でした。

 

物語が素晴らしく、感動的でした。

 

また、海外絵本では「あたまにつまった石ころが」がベスト1です。

 

好きなことを仕事にできることは、素晴らしいなと改めて思いました。

 

以上が、ゼロ年代+の絵本の2002年版でした。

 

気になった絵本がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

あなたの心の1冊が見つかったら幸いです。

 

 

 

 

 

 

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しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

『しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる』を読みました。

 

しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

 

 

あらすじ

 

1931年のニューヨーク市に、消防艇ジョン・ジェイ・ハーヴィが登場します。

 

ハーヴィは、桟橋で起こる火事を次々と消し、活躍します。

 

しかし、時は経ち、街も次第に変わり、ハーヴィはもうオンボロです。

 

そこに、ある仲間たちが集まって、ハーヴィを買います。

 

仲間たちは、ハーヴィを修理に出し、ハーヴィはついに川に戻ります。

 

そして、ある日とんでもないニュースが流れて……。

 

消防艇をめぐる感動の実話が物語になった絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、ハーヴィの歴史です。

 

ジャズの熱気で賑わう1931年のニューヨークに、消防艇としてハーヴィは登場しました。

 

ハーヴィは桟橋で起きた火事を、次々と消していきます。

 

また、豪華客船ノルマンディでの火事も、ハーヴィは消します。

 

しかし、長い年月が経ち、ニューヨークも段々と変わっていき、桟橋は誰にも使われなくなってしまいました。

 

そして、1995年には、ニューヨーク市は消防艇はいらないと決めてしまいます。

 

オンボロになったハーヴィは、5年間何もせずに、つながれたままです。

 

ところが、フロランというレストランに集まっていた仲間たちは、なんとハーヴィを買います。

 

ハーヴィは、修理工場できれいに修理され、ついに川に戻ります。

 

そして、2001年9月11日に、テロが起こります。

 

仲間たちは、ハーヴィのところへ行き、救助本部に連絡します。

 

そんな時、緊急指令が入ります。

 

いよいよハーヴィの出番です。

 

ハーヴィは、消防艇のマッキーンやファイアファイターとともに、懸命に働きます。

 

4日4晩、ハーヴィはずっと水を汲み上げ続けました。

 

やがて、火が収まり、ハーヴィの仕事は終わります。

 

そして、ハーヴィの働きが認められ、ハーヴィは表彰されます。

 

ハーヴィは、1931年の当初は華々しく登場し、次々に火事を消し、どんどん活躍していきます。

 

しかし、時が経ち、1995年にもなると、ハーヴィは古く、使いものにならなくなってしまいます。

 

しかし、そのような状態から、ある仲間たちによってきれいに修理され、ハーヴィは奇跡の復活を遂げます。

 

なんと、あのアメリカ同時多発テロ事件で、ハーヴィが再び必要になったのです……。

 

絵本を通じて、ハーヴィの輝かしい歴史が描かれています。

 

主人公は人ではなく、ひとつの消防艇ですが、感動的な物語として描かれています。

 

ものを大切にする人々の心にも、心打たれます。

 

印象的なことば

 

ハーヴィはヒーローだ。

 

まさに、ハーヴィを言い表した言葉です。

 

ハーヴィという消防艇の活躍に、心を打たれない人はいないはずです。

 

感想

 

消防艇ハーヴィの感動的な実話が描かれた絵本です。

 

本作は、2003年度ボストン・グローブ ホーン・ブック賞受賞作品です。

 

日本語版では、ミュージシャンの矢野顕子さんが翻訳をされています。

 

訳者のあとがきとして、矢野さんがハーヴィに会いに行った時の文章も、掲載されています。

 

もう、10年以上も前の本ですが、今読んでも、その輝きは全く色褪せません。

 

ハーヴィは、いまも存在するようで、サイトもあります。

 

www.fireboat.org

 

絵本を通じて、消防艇やその周りの人々の力強さや生命力が伝わってきて、感動します。

 

親から子どもに読んであげて欲しい一冊です。

 

 

しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

 

 

 

 

 

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ゆらゆらばしのうえで

『ゆらゆらばしのうえで』を読みました。

 

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)

 

 

あらすじ

 

激しい雨が降った後、橋は1本の丸太だけになっていました。

 

そこに、1匹のうさぎが駆け込み、きつねが後を追いかけます。

 

すると、段々と橋が傾き始めて……。

 

うさぎときつねの、不思議な絆が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、うさぎときつねの奇妙な友情です。

 

激しい雨によって、丸太1本になってしまった橋に、うさぎときつねがやってきます。

 

きつねは、うさぎを追いかけて、捕まえようとしています。

 

しかし、橋は傾き始め、ふたりは身動きが取れなくなってしまいます。

 

時が経ち、夜になります。

 

やがて、ふたりは身の上話を始めます。

 

そして、夜明けになると、風で橋が揺れ出します。

 

ふたりは、丸太に振り回されて、先端にしがみつきますが、今にも落ちそうです……。

 

すると、きつねの足が土手の茂みに絡まり、きつねに促され、うさぎはきつねの背中の上を渡ります。

 

そして、うさぎの手につかまり、きつねも土手に這い上がります。

 

その瞬間、丸太が川に落ちます。

 

ふたりは、思わず喜び合います。

 

ところが、きつねが我に帰り、目がギラリと光ります。

 

それを察知したうさぎは、いちもくさんに逃げ出します。

 

きつねは、うさぎの後を追いかけますが、立ち止まり、うさぎを逃します。

 

きつねとうさぎは、本来であれば敵同士のふたりですが、協力し合ううちに、奇妙な絆が形成されます。

 

吊り橋効果という言葉がありますが、まさにその通りで、ふたりの間には恋心ではありませんが、絆や連帯感のようなものが形成されていきます。

 

極限の状態では、このような絆が生まれるのは、ある意味自然なことかと思いますが、それにしても敵同士のきつねとうさぎが仲のいい姿を見ると、なんだか不思議ですね。

 

しかし、きつねがうさぎのことを心配したり、ふたりとも助かったあとに喜び合ったりするシーンは、なんだかとても心が温まります。

 

ふたりの性質上、本当の友情を深めていくのは難しいと思いますが、それでも一時の友情にしろ、ふたりの間に絆ができたことは確かです。

 

それは、一瞬のことであっても、なんとも感動的です。

 

そして、最後にはきつねはうさぎを追いかけるのをやめ、うさぎを逃してやります。

 

普段は怖いきつねでも、こんな時に優しさがキラリと光ります。

 

それは、うさぎが一瞬にしても、友達だったからなのかもしれません。

 

ふたりの奇妙な絆に、心打たれる一冊です。

 

印象的なことば

 

おい うさぎ! おきろ。いま ねたら おちて しぬぞ。こら! もっと いのちを だいじにしろ!!

 

きつねがうさぎに言った言葉です。

 

夜も深まって、ふたりが話している時に、ふいにうさぎの返事が聞こえなくなり、きつねがうさぎの寝息に気付き、こう叫びます。

 

元々は、うさぎの命を狙っていたきつねが発した、意外な言葉ですが、その言葉の奥には、うさぎへの優しさが滲み出ています。

 

感想

 

うさぎときつねという、本来なら敵同士のふたりが、奇妙な絆で結ばれるお話です。

 

個人的には、夜になって、ふたりが心のうちを打ち明ける場面が好きです。

 

まるで、本当の友達同士が、寝る前に何時間もお喋りするような感覚で、とても面白いです。

 

最初は悪者のようなきつねも、最後まで読むと、どこか悪者になりきれない、心優しい動物だということがわかります。

 

テンポ良く読めて、読み終わった後には、心が優しくなるような絵本です。

 

 

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)

 

 

 

 

 

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