エリカ 奇跡のいのち
『エリカ 奇跡のいのち』を読みました。

- 作者: ルース・バンダージー,ロベルトインノチェンティ,Ruth Vander Zee,Roberto Innocenti,柳田邦男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/07/14
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 42回
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あらすじ
1995年のある日、旅行途中のドイツで、著者の私はある女性と出会います。
その女性は、エリカでした。
強制収容所の話題になると、彼女は自分の体験を語り始めます……。
強制収容所から奇跡的に助かった女性の、感動の物語です。
見どころ
今回の見どころは、命の尊さです。
著者の私は、旅の途中にひとりの女性と出会います。
彼女の名は、エリカ。
強制収容所の話題になると、エリカは自身の体験談を語り出します。
強制収容所に入れられる直前に助けられた時、彼女は生後2〜3ヶ月の赤ちゃんでした。
エリカと両親は、何百人ものユダヤ人たちと一緒に貨車に入れられ、貨車は走り出しました。
そして、列車がある村を通る時、スピードが落ちたところで、エリカのお母さんは、エリカを汽車から外に放り投げます。
エリカは、線路脇の小さな草むらの上に着地しました。
そして、近くにいた人が彼女を拾い上げ、ある女の人の家に連れて行ってくれました。
その女性は、危険を冒して、エリカを引き取りました。
そして、とても愛情深くエリカを育ててくれました。
その後、エリカは21歳で結婚し、3人の子どもに恵まれます。
今では、孫もいます。
この絵本では、著者が旅行の途中で出会ったエリカという女性が話してくれた内容が、物語になっています。
エリカは、強制収容所行きの汽車から奇跡的に助かり、生き延びた女性です。
そこには、感動的な物語があります。
改めて命の尊さを感じる作品です。
命の尊さを感じたり、命の重さについて考えるきっかけとなる絵本です。
印象的なことば
お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。
エリカの言葉です。
せめて子どもだけは助かって生き延びて欲しいという、お母さんの気持ちが伝わります。
また、エリカ自身も母親になったからこそ、こうしてお母さんの気持ちがわかるのではないでしょうか。
感想
強制収容所から奇跡的に逃れ、生き延びたひとりの女性の物語です。
そこには、エリカの辿った奇跡的な運命が、感動的に描かれています。
この絵本は、学生の頃に一度読んだことがあり、印象に残っていた絵本です。
内容も印象的ですが、まるで写真のような絵も印象に残っていました。
何度読んでも緊張感があり、同時に感動的で、命について考えさせられる絵本です。
この絵本を読んで、人は生きていると同時に、生かされているのだと感じました。
大人向けの絵本ですが、大人が子どもに読んであげてほしい作品です。

- 作者: ルース・バンダージー,ロベルトインノチェンティ,Ruth Vander Zee,Roberto Innocenti,柳田邦男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/07/14
- メディア: 単行本
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