死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

しゅくだい

『しゅくだい』を読みました。

 

しゅくだい (えほんのマーチ)

しゅくだい (えほんのマーチ)

 

 

あらすじ

 

めえこせんせいが、今日の宿題の内容を告げます。

 

すると、クラスのみんなは、大騒ぎを始めます。

 

みんなの前では宿題を嫌がっていたもぐらのもぐは、急いでお家に帰りますが……。

 

宿題をめぐる、もぐと家族の心温まる一冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、家族の愛情です。

 

ある日、クラスでめえこ先生が、お家の人にだっこをしてもらうという、だっこの宿題を出します。

 

クラスのみんなは、口々に喋りだし、クラスは大騒ぎです。

 

もぐは、みんなの前では「やだ〜」と言っていましたが、嬉しそうに急いでお家に帰ります。

 

もぐが喜び勇んで家に帰ると、奥から「静かに」というお母さんの声がします。

 

お母さんは、あかちゃんたちを寝かせたところでした。

 

あかちゃんが生まれてから、お母さんは大忙しで、もぐのことをあまりかまってくれません。

 

もぐは、そのことが寂しいようです。

 

夕食の席で、もぐはお父さんやおばあちゃんに、今日の宿題について聞かれます。

 

そこで、もぐは恥ずかしそうに、「だっこ」と答えます。

 

すると、家族のみんなは、笑顔で宿題に協力することになります。

 

まずは、お母さんがもぐをだっこして歌い出します。

 

次に、お父さんが強くもぐを抱きしめます。

 

最後に、おばあちゃんがもぐをだっこします。

 

その晩、もぐはたくさん宿題をして、ぐっすり眠ります。

 

次の日の朝、めえこ先生がみんなに宿題について尋ねると……

 

みんなは一斉に元気よく返事をします。

 

そして、もぐもみんなに負けないくらい大きな声で、返事をします。

 

この物語は、小さな弟や妹がいる方、若しくは昔そうだった方であれば、特にもぐの気持ちがわかると思います。

 

やはり、お母さんはどうしても上の子より、手のかかる下の子を優先することが多いと思います。

 

それは、ごく自然なことなのですが、やはりどうしても、もぐや上の子は、寂しい思いをすることになります。

 

もぐも、最初は宿題を楽しみに、お家に帰りますが、お母さんが忙しそうで、なかなか宿題のことを言いだせません。

 

しかし、お父さんやおばあちゃんが、もぐに宿題について尋ねてくれたことで、状況は一変します。

 

なんと、あまりかまってくれなかったお母さんまで、宿題に協力してくれることになります。

 

そうして、もぐは家族のみんなにだっこをしてもらい、無事に宿題を終えます。

 

お父さんやおばあちゃんがいてくれたことで、もぐは孤独に陥らずに、愛情を感じることができました。

 

家族の愛情のありがたみや大切さが、優しく伝わってくる絵本です。

 

印象的なことば

 

また、だっこの しゅくだい でると いいね!!

 

おばあちゃんがもぐの耳元で囁いた言葉です。

 

おばあちゃんの孫に対する優しさが伝わる言葉ですね。

 

感想

 

もぐの家族の愛情に、心がじんわりと温かくなる絵本です。

 

いもとようこさんの、手がけられた絵本です。

 

いもとさんの絵本は、絵や文章が優しくて、可愛くて、読んでいるこちらも優しい気持ちになれます。

 

今年、上野の森美術館いもとようこさんの展覧会が開催されていました。

 

私も行ってきたのですが、会場を歩きながら原画や文章を見ていると、涙が止まらなくなってしまいました。

 

ハンカチを持っていたので、助かりました(笑)

 

それくらい、こころに響き、感動しました。

 

会場から出ると、こころが浄化されたような気がしました。

 

帰り際に、ショップでいもとさんの絵本を購入したので、そちらの絵本もまたの機会にご紹介したいと思います。

 

今回の絵本も、もぐがとても可愛らしくて、子どもも大人も共感できる一冊になっています。

 

自分はひとりではないんだと思える、そんな素敵な絵本です。

 

 

しゅくだい (えほんのマーチ)

しゅくだい (えほんのマーチ)

 

 

 

 

 

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