死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

ゼロ年代+の絵本【2002年】

今回は、ゼロ年代+の絵本の第3回目「2002年版」です!

 

 

ゼロ年代+の絵本の企画概要などは、こちらです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

それでは、2002年版のスタートです!

 

 

①赤い蝋燭と人魚

 

ehon0016.hatenablog.com

 

美しい人魚が主人公の、悲しい物語が描かれた絵本です。美しい世界観に、思わず引き込まれます。

 

 

②あかちゃんのゆりかご

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

ゆりかごをめぐる、家族の愛情が描かれた絵本です。家族の温かさに満ちていて、読んだ後は心が温かくなります。

 

 

③あたまにつまった石ころが

 

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好きなことを仕事にすることの素晴らしさが描かれた絵本です。好きなことを仕事にしたいと考えている、若い読者に読んでほしい一冊です。

 

 

④いつも だれかが…

 

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おじいさんと孫の交流を通じて、おじいさんの幸福な人生が描かれた絵本です。色々なことを乗り越えたおじいさんならではの視点に感動します。

 

 

⑤ぎゅうぎゅうかぞく

 

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活気溢れる八百屋の大家族が描かれた作品です。大家族の温もりが伝わってきます。

 

 

⑥ザガズー

 

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子育ての苦労や喜びが描かれた絵本です。人が成長する姿に考えさせられます。

 

 

⑦そして 犬は走ってゆきます

 

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日常生活の一瞬一瞬を切り取った絵本です。五味太郎さんの作品です。

 

 

⑧フリックス

 

ehon0016.hatenablog.com

 

運命を乗り越え、活躍するフリックスの姿が描かれた絵本です。個性を活かした生き方が学べます。

 

 

⑨まいごのどんぐり

 

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コウくんとどんぐりの絆が描かれた絵本です。ものや自然を大事にしたいと心から思える絵本です。

 

 

⑩わたしのうみべ

 

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海辺に次々と流れ着く漂流物が描かれた絵本です。海辺の風景に心癒される一冊です。

 

 

 

2002年は、国内と海外の半分ずつのセレクトでした。

 

個性豊かな絵本が揃っています。

 

個人的には、国内絵本では「まいごのどんぐり」がベスト1でした。

 

物語が素晴らしく、感動的でした。

 

また、海外絵本では「あたまにつまった石ころが」がベスト1です。

 

好きなことを仕事にできることは、素晴らしいなと改めて思いました。

 

以上が、ゼロ年代+の絵本の2002年版でした。

 

気になった絵本がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

あなたの心の1冊が見つかったら幸いです。

 

 

 

 

 

 

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しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

『しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる』を読みました。

 

しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

 

 

あらすじ

 

1931年のニューヨーク市に、消防艇ジョン・ジェイ・ハーヴィが登場します。

 

ハーヴィは、桟橋で起こる火事を次々と消し、活躍します。

 

しかし、時は経ち、街も次第に変わり、ハーヴィはもうオンボロです。

 

そこに、ある仲間たちが集まって、ハーヴィを買います。

 

仲間たちは、ハーヴィを修理に出し、ハーヴィはついに川に戻ります。

 

そして、ある日とんでもないニュースが流れて……。

 

消防艇をめぐる感動の実話が物語になった絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、ハーヴィの歴史です。

 

ジャズの熱気で賑わう1931年のニューヨークに、消防艇としてハーヴィは登場しました。

 

ハーヴィは桟橋で起きた火事を、次々と消していきます。

 

また、豪華客船ノルマンディでの火事も、ハーヴィは消します。

 

しかし、長い年月が経ち、ニューヨークも段々と変わっていき、桟橋は誰にも使われなくなってしまいました。

 

そして、1995年には、ニューヨーク市は消防艇はいらないと決めてしまいます。

 

オンボロになったハーヴィは、5年間何もせずに、つながれたままです。

 

ところが、フロランというレストランに集まっていた仲間たちは、なんとハーヴィを買います。

 

ハーヴィは、修理工場できれいに修理され、ついに川に戻ります。

 

そして、2001年9月11日に、テロが起こります。

 

仲間たちは、ハーヴィのところへ行き、救助本部に連絡します。

 

そんな時、緊急指令が入ります。

 

いよいよハーヴィの出番です。

 

ハーヴィは、消防艇のマッキーンやファイアファイターとともに、懸命に働きます。

 

4日4晩、ハーヴィはずっと水を汲み上げ続けました。

 

やがて、火が収まり、ハーヴィの仕事は終わります。

 

そして、ハーヴィの働きが認められ、ハーヴィは表彰されます。

 

ハーヴィは、1931年の当初は華々しく登場し、次々に火事を消し、どんどん活躍していきます。

 

しかし、時が経ち、1995年にもなると、ハーヴィは古く、使いものにならなくなってしまいます。

 

しかし、そのような状態から、ある仲間たちによってきれいに修理され、ハーヴィは奇跡の復活を遂げます。

 

なんと、あのアメリカ同時多発テロ事件で、ハーヴィが再び必要になったのです……。

 

絵本を通じて、ハーヴィの輝かしい歴史が描かれています。

 

主人公は人ではなく、ひとつの消防艇ですが、感動的な物語として描かれています。

 

ものを大切にする人々の心にも、心打たれます。

 

印象的なことば

 

ハーヴィはヒーローだ。

 

まさに、ハーヴィを言い表した言葉です。

 

ハーヴィという消防艇の活躍に、心を打たれない人はいないはずです。

 

感想

 

消防艇ハーヴィの感動的な実話が描かれた絵本です。

 

本作は、2003年度ボストン・グローブ ホーン・ブック賞受賞作品です。

 

日本語版では、ミュージシャンの矢野顕子さんが翻訳をされています。

 

訳者のあとがきとして、矢野さんがハーヴィに会いに行った時の文章も、掲載されています。

 

もう、10年以上も前の本ですが、今読んでも、その輝きは全く色褪せません。

 

ハーヴィは、いまも存在するようで、サイトもあります。

 

www.fireboat.org

 

絵本を通じて、消防艇やその周りの人々の力強さや生命力が伝わってきて、感動します。

 

親から子どもに読んであげて欲しい一冊です。

 

 

しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

 

 

 

 

 

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ゆらゆらばしのうえで

『ゆらゆらばしのうえで』を読みました。

 

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)

 

 

あらすじ

 

激しい雨が降った後、橋は1本の丸太だけになっていました。

 

そこに、1匹のうさぎが駆け込み、きつねが後を追いかけます。

 

すると、段々と橋が傾き始めて……。

 

うさぎときつねの、不思議な絆が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、うさぎときつねの奇妙な友情です。

 

激しい雨によって、丸太1本になってしまった橋に、うさぎときつねがやってきます。

 

きつねは、うさぎを追いかけて、捕まえようとしています。

 

しかし、橋は傾き始め、ふたりは身動きが取れなくなってしまいます。

 

時が経ち、夜になります。

 

やがて、ふたりは身の上話を始めます。

 

そして、夜明けになると、風で橋が揺れ出します。

 

ふたりは、丸太に振り回されて、先端にしがみつきますが、今にも落ちそうです……。

 

すると、きつねの足が土手の茂みに絡まり、きつねに促され、うさぎはきつねの背中の上を渡ります。

 

そして、うさぎの手につかまり、きつねも土手に這い上がります。

 

その瞬間、丸太が川に落ちます。

 

ふたりは、思わず喜び合います。

 

ところが、きつねが我に帰り、目がギラリと光ります。

 

それを察知したうさぎは、いちもくさんに逃げ出します。

 

きつねは、うさぎの後を追いかけますが、立ち止まり、うさぎを逃します。

 

きつねとうさぎは、本来であれば敵同士のふたりですが、協力し合ううちに、奇妙な絆が形成されます。

 

吊り橋効果という言葉がありますが、まさにその通りで、ふたりの間には恋心ではありませんが、絆や連帯感のようなものが形成されていきます。

 

極限の状態では、このような絆が生まれるのは、ある意味自然なことかと思いますが、それにしても敵同士のきつねとうさぎが仲のいい姿を見ると、なんだか不思議ですね。

 

しかし、きつねがうさぎのことを心配したり、ふたりとも助かったあとに喜び合ったりするシーンは、なんだかとても心が温まります。

 

ふたりの性質上、本当の友情を深めていくのは難しいと思いますが、それでも一時の友情にしろ、ふたりの間に絆ができたことは確かです。

 

それは、一瞬のことであっても、なんとも感動的です。

 

そして、最後にはきつねはうさぎを追いかけるのをやめ、うさぎを逃してやります。

 

普段は怖いきつねでも、こんな時に優しさがキラリと光ります。

 

それは、うさぎが一瞬にしても、友達だったからなのかもしれません。

 

ふたりの奇妙な絆に、心打たれる一冊です。

 

印象的なことば

 

おい うさぎ! おきろ。いま ねたら おちて しぬぞ。こら! もっと いのちを だいじにしろ!!

 

きつねがうさぎに言った言葉です。

 

夜も深まって、ふたりが話している時に、ふいにうさぎの返事が聞こえなくなり、きつねがうさぎの寝息に気付き、こう叫びます。

 

元々は、うさぎの命を狙っていたきつねが発した、意外な言葉ですが、その言葉の奥には、うさぎへの優しさが滲み出ています。

 

感想

 

うさぎときつねという、本来なら敵同士のふたりが、奇妙な絆で結ばれるお話です。

 

個人的には、夜になって、ふたりが心のうちを打ち明ける場面が好きです。

 

まるで、本当の友達同士が、寝る前に何時間もお喋りするような感覚で、とても面白いです。

 

最初は悪者のようなきつねも、最後まで読むと、どこか悪者になりきれない、心優しい動物だということがわかります。

 

テンポ良く読めて、読み終わった後には、心が優しくなるような絵本です。

 

 

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)

ゆらゆらばしのうえで (日本傑作絵本シリーズ)

 

 

 

 

 

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しゅくだい

『しゅくだい』を読みました。

 

しゅくだい (えほんのマーチ)

しゅくだい (えほんのマーチ)

 

 

あらすじ

 

めえこせんせいが、今日の宿題の内容を告げます。

 

すると、クラスのみんなは、大騒ぎを始めます。

 

みんなの前では宿題を嫌がっていたもぐらのもぐは、急いでお家に帰りますが……。

 

宿題をめぐる、もぐと家族の心温まる一冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、家族の愛情です。

 

ある日、クラスでめえこ先生が、お家の人にだっこをしてもらうという、だっこの宿題を出します。

 

クラスのみんなは、口々に喋りだし、クラスは大騒ぎです。

 

もぐは、みんなの前では「やだ〜」と言っていましたが、嬉しそうに急いでお家に帰ります。

 

もぐが喜び勇んで家に帰ると、奥から「静かに」というお母さんの声がします。

 

お母さんは、あかちゃんたちを寝かせたところでした。

 

あかちゃんが生まれてから、お母さんは大忙しで、もぐのことをあまりかまってくれません。

 

もぐは、そのことが寂しいようです。

 

夕食の席で、もぐはお父さんやおばあちゃんに、今日の宿題について聞かれます。

 

そこで、もぐは恥ずかしそうに、「だっこ」と答えます。

 

すると、家族のみんなは、笑顔で宿題に協力することになります。

 

まずは、お母さんがもぐをだっこして歌い出します。

 

次に、お父さんが強くもぐを抱きしめます。

 

最後に、おばあちゃんがもぐをだっこします。

 

その晩、もぐはたくさん宿題をして、ぐっすり眠ります。

 

次の日の朝、めえこ先生がみんなに宿題について尋ねると……

 

みんなは一斉に元気よく返事をします。

 

そして、もぐもみんなに負けないくらい大きな声で、返事をします。

 

この物語は、小さな弟や妹がいる方、若しくは昔そうだった方であれば、特にもぐの気持ちがわかると思います。

 

やはり、お母さんはどうしても上の子より、手のかかる下の子を優先することが多いと思います。

 

それは、ごく自然なことなのですが、やはりどうしても、もぐや上の子は、寂しい思いをすることになります。

 

もぐも、最初は宿題を楽しみに、お家に帰りますが、お母さんが忙しそうで、なかなか宿題のことを言いだせません。

 

しかし、お父さんやおばあちゃんが、もぐに宿題について尋ねてくれたことで、状況は一変します。

 

なんと、あまりかまってくれなかったお母さんまで、宿題に協力してくれることになります。

 

そうして、もぐは家族のみんなにだっこをしてもらい、無事に宿題を終えます。

 

お父さんやおばあちゃんがいてくれたことで、もぐは孤独に陥らずに、愛情を感じることができました。

 

家族の愛情のありがたみや大切さが、優しく伝わってくる絵本です。

 

印象的なことば

 

また、だっこの しゅくだい でると いいね!!

 

おばあちゃんがもぐの耳元で囁いた言葉です。

 

おばあちゃんの孫に対する優しさが伝わる言葉ですね。

 

感想

 

もぐの家族の愛情に、心がじんわりと温かくなる絵本です。

 

いもとようこさんの、手がけられた絵本です。

 

いもとさんの絵本は、絵や文章が優しくて、可愛くて、読んでいるこちらも優しい気持ちになれます。

 

今年、上野の森美術館いもとようこさんの展覧会が開催されていました。

 

私も行ってきたのですが、会場を歩きながら原画や文章を見ていると、涙が止まらなくなってしまいました。

 

ハンカチを持っていたので、助かりました(笑)

 

それくらい、こころに響き、感動しました。

 

会場から出ると、こころが浄化されたような気がしました。

 

帰り際に、ショップでいもとさんの絵本を購入したので、そちらの絵本もまたの機会にご紹介したいと思います。

 

今回の絵本も、もぐがとても可愛らしくて、子どもも大人も共感できる一冊になっています。

 

自分はひとりではないんだと思える、そんな素敵な絵本です。

 

 

しゅくだい (えほんのマーチ)

しゅくだい (えほんのマーチ)

 

 

 

 

 

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おまえうまそうだな

『おまえうまそうだな』を読みました。

 

おまえうまそうだな (絵本の時間)

おまえうまそうだな (絵本の時間)

 

 

あらすじ

 

大昔のある晴れた日に、山が噴火して地震が起こります。

 

その時、アンキロサウルスの赤ちゃんが生まれます。

 

しかし、赤ちゃんは広い土地にひとりぼっちです。

 

赤ちゃんが寂しくて、泣きながら歩いていると……。

 

アンキロサウルスの赤ちゃんとティラノサウルスのお父さんの心温まる1冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、子どもを思う気持ちです。

 

アンキロサウルスの赤ちゃんがひとりで歩いているところに、ティラノサウルスがやってきます。

 

ティラノサウルスは、アンキロサウルスの赤ちゃんを狙い、飛びかかろうとします。

 

ところが、その時アンキロサウルスはティラノサウルスにしがみつきます。

 

どうやら、アンキロサウルスはティラノサウルスのことをお父さんだと思ったようです。

 

そして、アンキロサウルスは自分の名前を、「ウマソウ」だと思い込みます。

 

そこに、キランタイサウルスが近づき、ウマソウに突然飛びかかろうとしますが、ティラノサウルスはウマソウを守ります。

 

それから、ふたりは一緒に過ごすようになります。

 

ティラノサウルスはウマソウに、体当たりやしっぽの使い方など、様々なことを教えます。

 

しかし、ふたりは本当の親子ではありません。

 

そのため、ふたりにもお別れの時がやってきます。

 

ある日、ティラノサウルスがウマソウにお別れを告げると、ウマソウは泣きながら嫌がります。

 

そこで、ティラノサウルスはウマソウに、競争に勝ったらずっと一緒にいると言います。

 

ウマソウは、全速力で走ります。

 

すると、ウマソウはある恐竜たちに出会います……。

 

その恐竜たちは、アンキロサウルスたち、つまりウマソウの両親のようです。

 

ティラノサウルスは、「さよなら ウマソウ……」とつぶやきながら、赤い実をひとつ食べ、その場を離れます。

 

ティラノサウルスは、最初はウマソウにお父さんと呼ばれ、戸惑いますが、次第に父性が芽生え、ウマソウを本当の子どものように感じ始めます。

 

ティラノサウルスにとって、ウマソウは本当の子どもではありませんが、それでも子どもを思う気持ちは変わりません。

 

ティラノサウルスも、本当はウマソウとずっと一緒にいたかったはずです。

 

そのくらいウマソウのことが好きだったはずですが、同時にティラノサウルスは大人なので、ウマソウとずっと一緒にいるべきでないことがわかっています。

 

そのため、最後の方でウマソウが実の両親に会う場面では、ティラノサウルスは静かに身を引いています。

 

本当の子どものように可愛がっていたウマソウの幸せを願っての、大人の行動だと思います。

 

ティラノサウルスの父性が、感動的に描かれた絵本です。

 

印象的なことば

 

さよなら ウマソウ……

 

ラストの、ティラノサウルスの言葉です。

 

ティラノサウルスの気持ちを考えると、なんとも切ないのですが、お父さんらしく優しくウマソウを送り出す言葉でもあります。

 

感想

 

父が子を思う気持ちが痛いほど伝わってくる、感動的な絵本です。

 

怪獣たちの表情がユーモラスで、面白く読めるのですが、最後は大人こそ涙してしまうほどに感動的なラストです。

 

ウマソウこと、アンキロサウルスの赤ちゃんが、とても可愛くて、同時に健気で、涙をそそります。

 

お子さんがいらっしゃる方も、そうでない方も、ティラノサウルスに十分感情移入できると思います。

 

子どもも十分楽しく読める絵本ですが、大人にこそ読んでほしい1冊です。

 

 

おまえうまそうだな (絵本の時間)

おまえうまそうだな (絵本の時間)

 

 

 

 

 

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はっぴぃさん

『はっぴぃさん』を読みました。

 

 

はっぴぃさん

はっぴぃさん

 

 

あらすじ

 

はっぴぃさんは、山の上の大きな石の上に時々やって来て、困ったことや願い事を聞いてくれます。

 

そんなはっぴぃさんに会いに、ぼくとわたしは山の上の大きな石を目指します。

 

そして、ぼくとわたしは大きな石にたどり着き、はっぴぃさんを待ちますが……。

 

読み進めるうちに心が満たされていく、そんな絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、発想の転換です。

 

ぼくとわたしのふたりは、それぞれはっぴぃさんに願い事を聞いてもらうために、山の上を目指します。

 

ふたりは、なんとか目的地まで辿り着きますが、はっぴぃさんは一向に現れません。

 

ぼくとわたしは一緒に座り、話します。

 

ふたりは、お互いの願い事を尋ね合います。

 

ぼくは、どうしたら「のろのろ」じゃなくなるのか聞きたかったようです。

 

一方で、わたしは、どうしたら慌てなくなるのか聞きたかったようです。

 

そこで、わたしがぼくにこう言います。

 

「きっと のろのろは なんでも ていねいだからだと おもうわ」

 

ぼくは、わたしにこう言います。

 

「あわてるのは なんでも いっしょうけんめいだからだと おもうよ」

 

ふたりは、一緒に笑い合います。

 

その後、結局はっぴぃさんは現れませんでしたが、太陽を見ているうちに、ふたりははっぴぃさんに会えたような、充実感を味わいます。

 

そして、ふたりは太陽に向かって、たくさん願い事をして、日が沈まないうちに帰っていきます。

 

ふたりは、はっぴぃさんには会えませんでしたが、帰る頃にはお互いに収穫を得て、心が満たされた状態になりました。

 

ふたりが、そのような気持ちになれたのはなぜでしょうか。

 

その理由は、発想の転換にあります。

 

ふたりは話をするうちに、大事なことに気がつきます。

 

ぼくが悩んでいたのろのろは、実はなんでも丁寧に取り組んでいるということだったのです。

 

また、わたしが悩んでいた慌てるクセは、実はなんでも一生懸命だからだということだったのです。

 

このことに気がつけたのは、お互いの発想の転換があったからです。

 

発想の転換次第では、短所は十分長所になり得るのです。

 

このことに気がついたふたりは、はっぴぃさんには会えずじまいでも、心が満たされ、すっかり悩みが消えたことでしょう。

 

発想の転換を行えば、自分の心を満たし、幸せになることが可能です。

 

それには、日頃から物事をいつもとは異なる視点で見ることが大切です。

 

また、自分だけでは気づかないことでも、家族や友人などと話すだけで、何か違う視点が得られることもあります。

 

何かに行き詰まったら、ふたりのように発想の転換を活用したいものですね。

 

印象的なことば

 

きっと のろのろは なんでも ていねいだからだと おもうわ

 

わたしがぼくに言った言葉です。

 

それに対して、ぼくがわたしに言った言葉も素敵です。

 

こんな言葉が言える人になりたいものです。

 

感想

 

荒井良二さんの絵本です。

 

荒井さんの絵本は、イラストと文章がどちらもあたたかくて、優しい気持ちになれます。

 

この絵本も、読んだ後にじんわりと心があたたまります。

 

子供も十分読める内容だと思いますが、むしろある程度の年齢や大人になってからの方が、心に刺さる内容なのではないかと思います。

 

特に、何かに悩んでいる方に、おすすめしたい1冊です。

 

折に触れて読み返したい絵本です。

 

 

はっぴぃさん

はっぴぃさん

 

 

 

 

 

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ロンパーちゃんとふうせん

『ロンパーちゃんとふうせん』を読みました。

 

ロンパーちゃんとふうせん

ロンパーちゃんとふうせん

 

 

あらすじ

 

ロンパーちゃんは、お母さんと街へ出かけ、そこで黄色い風船をもらいます。

 

指に風船をくくってもらったロンパーちゃんは、無事にお家に帰ります。

 

お家に帰ると、ロンパーちゃんは風船で遊びだしますが、風船が天井まで飛んでいってしまいます。

 

そこで、お母さんが工夫をして、風船にスプーンをくくってやります。

 

これで、ロンパーちゃんと風船は、一緒に遊べるようになりました。

 

ところが、ロンパーちゃんが外で風船と一緒に遊んでいると……。

 

風船をめぐるロンパーちゃんの日常が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、物への愛着です。

 

ロンパーちゃんは、街でもらった風船を気に入り、お家で一緒に遊びます。

 

しかし、すぐに風船が天井へ飛んでいってしまうので、お母さんが風船にある工夫をして、上へ飛んで行かないようにしてくれます。

 

さっそくロンパーちゃんは、風船を外へ連れて行き、一緒に遊び始めます。

 

ところが、強い風が吹いて、風船が木の枝に引っかかってしまいます。

 

その後、暗くなるまでお母さんが風船を取ろうとしますが、風船は枝に絡まったまま取れません。

 

お家に戻った後も、ロンパーちゃんは諦めきれず、ついには泣いてしまいます……。

 

ロンパーちゃんは、風船と一緒に夜もお家で過ごすつもりでした。

 

ロンパーちゃんの気持ちを思うと、こちらまで切なくなります。

 

この絵本では、ロンパーちゃんの風船に対する愛着が描かれています。

 

対象となる物は異なっても、子どもの頃何かに愛着を持った経験は、誰にでもあると思います。

 

子どもは一旦何かに夢中になると、ずっとそれを手放しませんよね。

 

その熱中ぶりは、子どもならではのものです。

 

大人になると、良くも悪くもそこまで物に熱中することもなくなってしまいます。

 

そう考えると、子どもの頃に何かに夢中になった記憶は、かけがえのないものだと思います。

 

大人になって、昔好きだったおもちゃなどが物置から出てくると、思わず笑みがこぼれ、なんだか懐かしくて、嬉しい気持ちになります。

 

この絵本を読んでいると、そんな自分自身の楽しい記憶が浮かんできます。

 

子どもの頃の物を大切にする気持ちを思い出させてくれる、そんな一冊です。

 

印象的なことば

 

(おつきさん みたいよ…)

 

最後のページにある、ロンパーちゃんの言葉です。

 

黄色い風船と夜空の風景が、なんともロマンチックです。

 

感想

 

子どもならではの物に対する愛着が、可愛らしく描かれた絵本です。

 

子どもの頃の記憶を辿ると、誰もが経験したことのある出来事で、共感出来るストーリーとなっています。

 

洋風なイラストなので、海外絵本かと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、作者は酒井駒子さんで、国内の絵本です。

 

本書は、英語や韓国語にも翻訳されているようです。

 

控えめな色合いのイラストに、風船の黄色が良く映えます。

 

ラストは、子どもならではの素敵な感性で、印象的なページになっています。

 

読み終わった後、優しい気持ちになれる一冊です。

 

 

ロンパーちゃんとふうせん

ロンパーちゃんとふうせん

 

 

 

 

 

 

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