死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

あかちゃんのゆりかご

『あかちゃんのゆりかご』を読みました。

 

あかちゃんのゆりかご (世界の絵本)

あかちゃんのゆりかご (世界の絵本)

 

 

あらすじ

 

ある日、あかちゃんが生まれることを知り、家族みんなは大喜びします。

 

そこで、お父さんはゆりかごを作ることに決めます。

 

そして、出来上がったゆりかごに、おじいちゃんが絵を描き、おばあちゃんがベッドカバーを作り、お兄ちゃんがモビールを作ります。

 

そして、お母さんがゆりかごをそっと窓のそばへ持っていきます。

 

ゆりかごが完成し、ついに赤ちゃんが家にやってきます……。

 

家族みんなの愛情がたっぷり詰まった絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、家族みんなの赤ちゃんへの思いやりの気持ちです。

 

赤ちゃんのことを大事に思う気持ちが行動となり、家族全員が赤ちゃんのためにひとつのゆりかごを完成させます。

 

みんなで作ったゆりかごは、愛情がたっぷり詰まっています。

 

そして、無事に赤ちゃんが生まれ、赤ちゃんはゆりかごでスヤスヤと眠ります。

 

家族みんなが赤ちゃんを楽しみにしていて、赤ちゃんを思う暖かい気持ちがこちらにも伝わってきます。

 

みんな赤ちゃんが家に来るのが、楽しみでしょうがないのですね。

 

この絵本を読んでいるだけで、微笑ましい気持ちになります。

 

印象的なことば

 

もう これで、いつ あかちゃんが うまれてきても、だいじょうぶ。

 

お母さんの言葉です。

 

家族みんなのおかげでゆりかごが完成し、赤ちゃんを迎える準備は万端です。

 

お母さんの自信に満ちた言葉ですね。

 

感想

 

生まれてくる赤ちゃんのために、家族みんなでゆりかごを完成させる物語が描かれた1冊です。

 

赤ちゃんを待ちわびる気持ちは、お母さんだけでなく、誰が読んでも共感できるはずです。

 

絵本の全編を通して愛情が溢れていて、読んでいると思わず笑顔になってしまう、そんな絵本です。

 

家族の全員が赤ちゃんのことを心待ちにしていて、赤ちゃんが生まれてきたら、みんなで大事にする。

 

まさに、理想の家族ですね。

 

家族の温かさに満ちた、心温まる1冊です。

 

 

あかちゃんのゆりかご (世界の絵本)

あかちゃんのゆりかご (世界の絵本)

 

 

 

 

 

 

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いつも だれかが…

『いつも だれかが…』を読みました。

 

いつもだれかが…

いつもだれかが…

 

 

あらすじ

 

ぼくは、おじいちゃんのいる病室を訪ねます。

 

そこで、おじいちゃんはいつもお話をしてくれます。

 

いつもだれかがそばにいた。

 

危ない時には、助けてくれた……。

 

おじいちゃんと孫の交流を通じて、おじいちゃんの幸福な人生が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、自分の人生を肯定することです。

 

おじいさんは、自分の人生を振り返り、孫に自分の過去を話します。

 

おじいさんの人生は、戦争を経験したり様々な職に就いたりと、波乱万丈なものです。

 

しかし、おじいさんはそれを嘆いたり、悲しんだりするのではなく、人生で良かったところを見つけ、幸せだったと肯定します。

 

本当の幸せは、実際に起きた出来事ではなく、出来事の捉え方によるのです。

 

この絵本では、天使がおじいさんを助けてくれています。

 

これは、家族や友達に置き換えることもでいます。

 

人は、ひとりでは生きてはいけません。

 

そのため、常に人に助けられて生きていることを忘れてはいけません。

 

自分の人生のいいところに目を向け、人への感謝を忘れない。

 

このことが、人生をより良く、幸せに生きるためのポイントかもしれませんね。

 

印象的なことば

 

わしは とても しあわせだった。

 

おじいさんの言葉です。

 

この言葉から、おじいさんが自分の人生を絶対的に肯定していることが読み取れます。

 

人生が終わりに近づく時、こんな言葉を孫に残せるのは、本当に幸せな証拠ですね。

 

感想

 

おじいさんと孫の会話によって、おじいさんの一生を振り返った1冊です。

 

そこには、戦争を経験するなど苦労もありますが、おじいさんの人生の根底に流れるのは、絶対的な「幸福」です。

 

何故おじいさんは、こんなにも幸せそうなのでしょうか。

 

それは、人生のいい部分に目を当てているからです。

 

おじいさんだって、戦争を経験しているし、人生の中で嫌なことを数えれば、結構な数があるはずです。

 

でも、嫌な記憶を思い出しても、いいことなんてありません。

 

そればかりか、嫌な気持ちになるだけです。

 

それよりも、良かったことに目を向けると、自分の人生に対する感謝も生まれます。

 

色々なことを乗り越えたおじいさんだからこそ、こんな風に物事が見られるのかもしれませんね。

 

そんなおじいさんの姿勢を、見習いたいものです。

 

読後は、いつもより人生に対してポジティブな感情になれる、元気が出る1冊です。

 

 

いつもだれかが…

いつもだれかが…

 

 

 

 

 

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ゼロ年代+の絵本【2001年】

今回は、ゼロ年代+の絵本の第2回目「2001年版」です!

 

今回も、個性豊かな絵本が勢ぞろいしています。

 

ちなみに、ゼロ年代+の絵本の企画概要や前回の作品リストは、こちらの記事をお読みください。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

それでは、2001年版のスタートです!

 

 

①オリビア

 

ehon0016.hatenablog.com

 

大人気オリビア・シリーズの第1作目の絵本です。イラストがおしゃれで、インテリアにもオススメです。

 

②ありがとう、フォルカーせんせい

 

ehon0016.hatenablog.com

 

学習障害(LD)を題材に扱った、感動の名作です。人との出会いや個性を大事にすることの大切さが描かれています。

 

③いいことってどんなこと

 

ehon0016.hatenablog.com

 

春の訪れの喜びを描いた作品です。読んでいるだけでワクワクしてくる、そんな絵本です。

 

④ヴァイオリニスト

 

ehon0016.hatenablog.com

 

ヴァイオリニストの青年が、人との出会いを通じ、自分の本当の居場所を見つけるまでを描いた秀作です。シンプルながらも深みのある作品です。

 

⑤ガンバリルおじさんのまめスープ

 

ehon0016.hatenablog.com

 

やなせたかしさんが描く、ガンバリルおじさんのシリーズ作品のひとつです。人の優しさで心が温まる絵本です。

 

⑥キツネ

 

ehon0016.hatenablog.com

 

3匹の動物の心の内を、見事に描き切った秀作です。決して読みやすい作品ではありませんが、読後に深い余韻を残します。

 

⑦きみをみつけた

 

ehon0016.hatenablog.com

 

星を探すぼくと、夜空に輝く星のきみの交流が描かれた、ロマンチックな作品です。夜空の青と星の黄色が印象的に描かれています。

 

⑧くれよんのくろくん

 

ehon0016.hatenablog.com

 

さまざまな色のくれよんが織りなすストーリーが描かれています。くれよんたちが、お互いの個性を認め合うことの大切さを教えてくれます。

 

⑨たいせつなこと

 

ehon0016.hatenablog.com

 

1949年に出版されて以来、多くの人々に読み継がれてきた名作です。本当にたいせつなことは何かを教えてくれる絵本です。

 

⑩私、ジョージア

 

ehon0016.hatenablog.com

 

画家のジョージア・オキーフの生涯が描かれた絵本です。彼女の芯の強さに、心が揺さぶられます。

 

 

2001年も、名作揃いです。

 

どれも優れた絵本で、どれかひとつを選ぶのは難しいのですが……

 

個人的には、「ありがとう、フォルカーせんせい」に金賞をあげたいです。

 

学習障害(LD)を題材にした絵本なのですが、普遍的な物語になっています。

 

ぜひ、ひとりでも多くの人に読んでほしい絵本です。

 

とくに、こどもたちやそのご両親、学校の先生方に読んでほしいです。

 

また、「私、ジョージア」も忘れられない作品です。

 

彼女のアーティストとして、やりたいことをやり抜く芯の強さに感動しました。

 

この絵本は、図書館や書店などにはなく、アマゾンで中古本を買って読みました。

 

あまり手にする機会が少ない絵本となっておりますが、何か機会があればぜひ読んでみてください。

 

オススメです。

 

以上が、ゼロ年代+の絵本の2001年版でした。

 

気になった絵本がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

あなたの心の1冊が見つかったら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

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ガンバリルおじさんのまめスープ

『ガンバリルおじさんのまめスープ』を読みました。

 

 

あらすじ

 

ガンバリルおじさんは、雪が深い峠の一軒家に住んでいます。

 

毎日雪の中を見回るガンバリルおじさんは、倒れている人を見つけると、自分の家へ連れて帰り、豆スープを飲ませてあげます。

 

ガンバリルおじさんは、助けた人たちからお礼も貰わず、彼らに何でも自分のものをやってしまうため、ひどく貧乏です。

 

そんなある日、ガンバリルおじさんの家の中は、着るものも食べるものも、みんなやってしまい、すっかり空っぽになってしまいます。

 

唯一あるのは、豆スープ一杯分だけです。

 

そこに、顔の白い人が大きな荷物を背負ったままやってきて……。

 

ガンバリルおじさんの優しさがたっぷり詰まった絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、ガンバリルおじさんの見返りを求めずに、人に親切にする姿勢です。

 

ガンバリルおじさんは、雪の中で倒れている旅人を見つけては、家に連れて帰り、豆スープを飲ませて看病する、心優しいおじさんです。

 

ガンバリルおじさんは、旅人からお礼も貰わず、自分の持ち物を何でもやってしまうため、かなり貧乏です。

 

しかし、貧乏であっても、ガンバリルおじさんの人や自然に対する優しさは変わりません。

 

ある日、ガンバリルおじさんの家には、豆スープ一杯分以外、全てなくなってしまいます。

 

そんな状況にあっても、ガンバリルおじさんは、豆スープが飲めることに感謝します。

 

そこに、紙のように顔の白い旅人がやって来ます。

 

ガンバリルおじさんは、最後の一杯だったスープを、旅人に差し出します。

 

そして、ガンバリルおじさんが部屋を温かくする薪を家の裏側から持ち運び、家の中に戻ると、旅人はいなくなっていました……。

 

旅人の正体は、なんと雪だるまだったのです!

 

その後、あの旅人が残していった袋の中の豆は、いくら豆スープを作っても、いつまでもなくなりませんでした。

 

見返りを求めずにみんなに親切にしていたからこそ、ガンバリルおじさんに思わぬプレゼントが届いたのです。

 

自分がひどく貧乏になっても、見返りを求めずに親切にすること。

 

それは、なかなか簡単にできることではありません。

 

やはり、人間は見返りを求めてしまうものです。

 

ガンバリルおじさんのように、見返りを求めずに、他人のために尽くすことはなかなかできることではありません。

 

しかし、人のために親切にすることを少しずつ、自分のできる範囲で意識してやる人が増えれば、もっと優しい世の中になるのだと思います。

 

ここで重要なのは、自分のできる範囲でということです。

 

ガンバリルおじさんのように、ひどく貧乏になるまで尽くすことは、普通の人にはまず無理です。

 

そのため、少しずつ変えていくことが大切なのです。

 

人の優しさで、心が温まる絵本です。

 

印象的なことば

 

おいしい まめスープが のめて しあわせだ。ありがたいことだ。

 

ひどく貧乏になってしまい、家の中には一杯の豆スープがあるだけになったガンバリルおじさんが、言った言葉です。

 

何もなくなっても、一杯の豆スープに感謝できるガンバリルおじさんの心は、素晴らしいですね。

 

感想

 

本書は、ガンバリルおじさんのシリーズ作品のひとつです。

 

ガンバリルおじさんの優しさに触れることができる1冊となっています。

 

常に感謝の気持ちを忘れずに、人に親切に生きるガンバリルおじさん。

 

そんなガンバリルおじさんの生き方には、学ぶところが多いものです。

 

絵本の最後には、ガンバリルおじさんの歌の楽譜も付いています。

 

友達同士や親子で読むと、楽しいと思います。

 

やなせたかしさんの絵本には、いつも元気付けらます。

 

この絵本を読んで、人に親切にする人が増えたら、きっともっと素敵な社会になるのだろうと思います。

 

子供だけでなく、大人にもオススメです。

 

 

 

 

キツネ

『キツネ』を読みました。

 

キツネ

キツネ

 

 

あらすじ

 

野火で羽に火傷を負ったカササギは、犬に助けられます。

 

羽を痛めたカササギは、もう二度と飛ぶことはできないのだと言い、投げやりになってしまいます。

 

そんなある日、犬はカササギを背中に乗せて走ります。

 

そこで、カササギは生きる希望を再び見出します。

 

犬とカササギは唯一無二の親友となります。

 

しかし、ある日犬とカササギのもとに、キツネが現れたことで……。

 

3匹の動物たちの間で渦巻く友情と孤独がリアルに描かれた絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、心の中にある孤独です。

 

野火で羽に傷を負ったカササギは、犬に助けられて一命はとりとめたものの、もう飛ぶことができないのだと悲しみに打ちひしがれます。

 

そんなカササギを、犬はなんとか元気付けようと「川の土手に出てみようよ」と誘います。

 

そして、犬はカササギを背に走り出します。

 

そこで、カササギは空を飛ぶような感覚を味わい、再び生きる希望を見つけます。

 

それからというもの、犬はカササギを背中に乗せて、走りに走ります。

 

そんなある日、ふたりのもとに、キツネが現れます。

 

カササギは嫌な予感がしますが、一方の犬はキツネを快く迎えます。

 

カササギは、キツネに用心するように犬に言いますが、犬はあまり深く考えていない様子です。

 

その夜、犬が眠っている間に、キツネはカササギに、犬を捨て自分と一緒に走らないかとささやきます。

 

カササギは、誘いを断ります。

 

しかし、カササギは次第に犬に不満を抱くようになり、キツネの誘いに乗ってしまいます。

 

そして、キツネはカササギを背に、走り出します。

 

カササギの気分は、すっかり有頂天です。

 

キツネたちは、赤い砂漠に到着します。

 

そこで、なんとキツネは、捨て台詞を吐き、カササギを残して立ち去ってしまいます。

 

カササギは、焼けるような暑さの砂漠にひとり取り残され、このまま死んでしまった方が楽かもしれないと考え始めます。

 

そんな時、ひとりぼっちになった犬の姿が目に浮かびます。

 

カササギは立ち上がり、犬を目指して長い道のりの旅に出ます。

 

この絵本では、心の中にある孤独がリアルに描かれています。

 

最初は、犬とカササギは唯一無二の親友でしたが、キツネが加わったことで、その関係性は次第に揺らいでいきます。

 

そして、キツネがカササギをそそのかしたことで、犬とカササギの友情はついに壊れてしまいます。

 

キツネは、犬とカササギを引き離すことに成功し、ふたりに孤独を味わうように仕向けます。

 

キツネのような孤独や嫉妬は、本来誰にでもあるものだと思います。

 

しかし、その感情をうまくコントロールしなければ、みんなとうまくやっていくことはできません。

 

キツネは、犬とカササギを引き裂くことはできたとしても、孤独から抜け出ることはできないでしょう。

 

本当に孤独から抜け出したいのなら、誰かと誰かを引き裂くのではなく、協調性を持ってみんなで助け合わなければなりません。

 

そのことをキツネが理解しなければ、キツネはいつまで経っても孤独なままでしょう。

 

誰もひとりでは生きてはいけないのです。

 

カササギも、ひとりでは生きていけないことがわかっているからこそ、再び犬のいる場所へ戻ろうとします。

 

心の中にある闇の部分が、よく描かれている1冊です。

 

印象的なことば

 

イヌさんをおいては行けないよ。わたしはかれの目なんだし、かれはわたしの羽なんだもの

 

キツネに誘われたとき、カササギが発した言葉です。

 

キツネの誘いに乗ってしまったカササギですが、この言葉からは犬とカササギの強固な結びつきが感じられます。

 

感想

 

3匹の動物の心の内を、見事に描き切った秀作です。

 

絵になんとも言い難い迫力があり、読者を物語の世界に引きつけます。

 

この絵本では、人が持つ醜い部分と美しい部分がリアルに描かれています。

 

醜い部分には、思わず目を逸らしたくなりますが、そこはしっかりと見つめなければなりません。

 

読み進めるうちに、友情、嫉妬、裏切り、孤独など様々なテーマが浮かび上がっていきます。

 

決して読みやすい作品ではありませんが、人間の深い部分にまで迫った必見の作品となっています。

 

 

キツネ

キツネ

 

 

 

 

 

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いいことってどんなこと

『いいことってどんなこと』を読みました。

 

いいことってどんなこと (こどものとも傑作集)

いいことってどんなこと (こどものとも傑作集)

 

 

あらすじ

 

わたしが住む北の国では、雪解けが始まります。

 

わたしが雪解けのしずくに、どうしてそんなにうれしいのか聞くと、しずくは「いいことがあるからよ」と答えます。

 

わたしは、しずくに誘われて外へ飛び出します。

 

その後、わたしは小鳥や川にも同じ質問をしますが……。

 

春の訪れの喜びを描いた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、春の訪れです。

 

主人公のわたしは、窓の外から聞こえる水の音が気になり、思わず窓を開けます。

 

そこでは、しずくが跳ねて、歌って、踊っています。

 

その姿があまりにも嬉しそうなので、わたしはしずくに「どうしてそんなに嬉しいの」と尋ねます。

 

しずくは、「いいことがあるからよ」と答えます。

 

わたしは、その「いいこと」が何なのか気になり、外に出ます。

 

そして、わたしは小鳥に出会います。

 

わたしは、小鳥に「いいことってどんなこと?」と聞きますが、小鳥たちは遠くの方へ飛んでいってしまいます。

 

その後、わたしは川が元気よく流れているのを目にします。

 

そこで、またわたしは質問を投げかけます。

 

しかし、川はいいことの正体は教えてくれず、「見つけてごらん」と答えます。

 

そして、わたしは風に出会い、また同じ質問をしますが、風の言葉がわかりません。

 

さらに、わたしはリスに出会い、「一緒に遊ぼう」と誘いますが、わたしはリスを追いかけているうちに、転んでしまいます。

 

わたしは、雪の野原にひとりぼっちになってしまいます……。

 

転んだまま雪に頬をつけていると、雪の下から微かな歌声が聞こえてきます。

 

わたしは、足元の雪を両手ですくい、雪を掘っていきます。

 

すると、雪の中に金色の花が咲いているのが見えます。

 

わたしは、ついに「いいこと」の正体を見つけます。

 

それは、春の訪れだったのです。

 

この絵本では、春の訪れの喜びが描かれています。

 

その文章は、歌の歌詞のようで、読んでいるこちらまで楽しくなってきます。

 

自然や動物たちの、喜びの声が絵本から聞こえてきそうです。

 

そんな臨場感が楽しめるのが、この絵本の魅力です。

 

厳しい寒さの冬から、暖かい春が訪れる喜びが、絵本いっぱいに描かれた1冊です。

 

印象的なことば

 

わたしの むねも うたっていました。

 

いいことの正体がわからなかったわたしも、ついにいいことの正体を見つけ、心が高鳴ります。

 

まさに、春の訪れを感じる言葉です。

 

感想

今回は、今の季節にぴったりの作品です。

 

春の訪れの喜びが詰まった絵本です。

 

この絵本の舞台は雪国なので、春の訪れは都会に住む人の何倍も嬉しいはずです。

 

作者の神沢利子さんは、子ども時代を樺太で過ごされたそうです。

 

だからこそ、春の訪れを、こんなにも素晴らしく表現できるのですね。

 

北国の出身の人でなければ、冬から春の移り変わりを、ここまで詳細に描けないのではないかと思います。

 

それほどまでに、春の到来の表現が秀逸です。

 

春の到来を待ちわびながら読みたい1冊です。

 

 

いいことってどんなこと (こどものとも傑作集)

いいことってどんなこと (こどものとも傑作集)

 

 

 

 

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オリビア

『オリビア』を読みました。

 

オリビア

オリビア

 

 

あらすじ

 

こぶたの少女オリビアは、何でも上手にこなします。

 

逆立ちしたり、縄跳びしたり、オリビアは器用にこなします。

 

この通り、オリビアは何事にも全力で取り組むので、人や自分までもヘトヘトにさせてしまい……。

 

好奇心いっぱいのオリビアの日常を描いた絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、リビアの何事にも全力で取り組む姿勢です。

 

リビアは、お父さんと、お母さんと弟の4人家族です。

 

加えて、犬と猫も飼っています。

 

リビアが朝起きると、まず猫を連れ出し、歯を磨き、猫を元に戻し、それから服を着ます。

 

服を着る時は、全部試さないと気が済みません。

 

天気がいいと、オリビアは家族とともに海岸へ出かけます。

 

去年の夏、母親から砂のお城の作り方を教えてもらったおかげで、今ではとても上手になりました。

 

リビアは、毎日お昼寝するのが日課ですが、オリビアはちっとも眠くありません。

 

子供の頃って、「どこからそんなにパワーがでてくるの?」と思うくらい、元気ですよね。

 

リビアは、お昼寝なんかしなくても平気なのでしょう。

 

そして、雨の日にはオリビアたちは、美術館へ行きます。

 

リビアは、お気に入りの絵の前にすっ飛んでいきます。

 

絵本では、ニューヨーク・メトロポリタン美術館の所蔵するアート作品がそのまま登場しています。

 

イラストを見ると、エドガー・ドガジャクソン・ポロックの作品が登場しています。

 

リビアは、ジャクソン・ポロックの作品を「自分でも5分で描ける」と言い張り、家へ帰るとポロックの作品を真似て壁いっぱいに描きます。

 

そして、お風呂に入り、夕ご飯を食べた後は、いよいよ寝る時間です。

 

しかし、オリビアはちっとも眠たくありません。

 

そこで、母親に本を読んでもらいます。

 

最後は、オリビアがベッドで寝ながら、夢を見ているところで終わります。

 

リビアは、朝起きてから夜眠るまで、元気いっぱいです。

 

その元気さは、人や自分までをもヘトヘトにさせてしまうくらいのパワーがあります。

 

リビアは、随所で驚くべき行動力と才能を発揮します。

 

リビアのバイタリティーは素晴らしいものです。

 

彼女の姿勢を見習いたいものです。

 

しかし、無理のし過ぎは禁物です。

 

印象的なことば

 

ほんとに あなたには へとへとよ。でも なんてったって あいしてるからね

 

リビアに対する母親の言葉です。

 

リビアにヘトヘトにさせられるけれど、オリビアのことは大好きという気持ちが伝わってきます。

 

母親の優しい言葉に、オリビアもこう答えます。

 

「あたしもよ、なんてったって」。

 

感想

 

リビア・シリーズ第1作目の絵本です。

 

モノクロと赤で描かれたイラストが、おしゃれです。

 

アメリカの都会で暮らすぶたの家族がユーモラスかつスタイリッシュに描かれています。

 

リビアのバイタリティーには、目を見張るものがあります。

 

一般的に子どもは元気なものですが、ここまで元気で何事にも全力で取り組む子どもはなかなかいないのではないでしょうか。

 

それほどまでに、オリビアは元気いっぱいです。

 

元気なことは素晴らしい、その一方でオリビアが少し心配になってしまいます。

 

常に全力投球だと、いつか疲れが爆発してしまうのではないかということです。

 

人間時には、どこかで力を抜くことも大切です。

 

その点、大人になると力の抜き加減が上手になります。

 

そのため、オリビアがいつか、力をコントロールすることを覚えて、素敵な女性になる日がきたらいいなと思います。

 

しかし、今の何事にも全力投球なオリビアも、十分に魅力的です。

 

リビアの魅力がたっぷり詰まった本書を読んで、あなたもオリビアのファンになってみませんか?

 

 

 

オリビア

オリビア