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死ぬまでに読みたい絵本

子供と大人両方に読んでほしいけれど、特に大人が楽しめる、そんな絵本などを紹介するブログです。

キツネ

『キツネ』を読みました。

 

キツネ

キツネ

 

 

あらすじ

 

野火で羽に火傷を負ったカササギは、犬に助けられます。

 

羽を痛めたカササギは、もう二度と飛ぶことはできないのだと言い、投げやりになってしまいます。

 

そんなある日、犬はカササギを背中に乗せて走ります。

 

そこで、カササギは生きる希望を再び見出します。

 

犬とカササギは唯一無二の親友となります。

 

しかし、ある日犬とカササギのもとに、キツネが現れたことで……。

 

3匹の動物たちの間で渦巻く友情と孤独がリアルに描かれた絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、心の中にある孤独です。

 

野火で羽に傷を負ったカササギは、犬に助けられて一命はとりとめたものの、もう飛ぶことができないのだと悲しみに打ちひしがれます。

 

そんなカササギを、犬はなんとか元気付けようと「川の土手に出てみようよ」と誘います。

 

そして、犬はカササギを背に走り出します。

 

そこで、カササギは空を飛ぶような感覚を味わい、再び生きる希望を見つけます。

 

それからというもの、犬はカササギを背中に乗せて、走りに走ります。

 

そんなある日、ふたりのもとに、キツネが現れます。

 

カササギは嫌な予感がしますが、一方の犬はキツネを快く迎えます。

 

カササギは、キツネに用心するように犬に言いますが、犬はあまり深く考えていない様子です。

 

その夜、犬が眠っている間に、キツネはカササギに、犬を捨て自分と一緒に走らないかとささやきます。

 

カササギは、誘いを断ります。

 

しかし、カササギは次第に犬に不満を抱くようになり、キツネの誘いに乗ってしまいます。

 

そして、キツネはカササギを背に、走り出します。

 

カササギの気分は、すっかり有頂天です。

 

キツネたちは、赤い砂漠に到着します。

 

そこで、なんとキツネは、捨て台詞を吐き、カササギを残して立ち去ってしまいます。

 

カササギは、焼けるような暑さの砂漠にひとり取り残され、このまま死んでしまった方が楽かもしれないと考え始めます。

 

そんな時、ひとりぼっちになった犬の姿が目に浮かびます。

 

カササギは立ち上がり、犬を目指して長い道のりの旅に出ます。

 

この絵本では、心の中にある孤独がリアルに描かれています。

 

最初は、犬とカササギは唯一無二の親友でしたが、キツネが加わったことで、その関係性は次第に揺らいでいきます。

 

そして、キツネがカササギをそそのかしたことで、犬とカササギの友情はついに壊れてしまいます。

 

キツネは、犬とカササギを引き離すことに成功し、ふたりに孤独を味わうように仕向けます。

 

キツネのような孤独や嫉妬は、本来誰にでもあるものだと思います。

 

しかし、その感情をうまくコントロールしなければ、みんなとうまくやっていくことはできません。

 

キツネは、犬とカササギを引き裂くことはできたとしても、孤独から抜け出ることはできないでしょう。

 

本当に孤独から抜け出したいのなら、誰かと誰かを引き裂くのではなく、協調性を持ってみんなで助け合わなければなりません。

 

そのことをキツネが理解しなければ、キツネはいつまで経っても孤独なままでしょう。

 

誰もひとりでは生きてはいけないのです。

 

カササギも、ひとりでは生きていけないことがわかっているからこそ、再び犬のいる場所へ戻ろうとします。

 

心の中にある闇の部分が、よく描かれている1冊です。

 

印象的なことば

 

イヌさんをおいては行けないよ。わたしはかれの目なんだし、かれはわたしの羽なんだもの

 

キツネに誘われたとき、カササギが発した言葉です。

 

キツネの誘いに乗ってしまったカササギですが、この言葉からは犬とカササギの強固な結びつきが感じられます。

 

感想

 

3匹の動物の心の内を、見事に描き切った秀作です。

 

絵になんとも言い難い迫力があり、読者を物語の世界に引きつけます。

 

この絵本では、人が持つ醜い部分と美しい部分がリアルに描かれています。

 

醜い部分には、思わず目を逸らしたくなりますが、そこはしっかりと見つめなければなりません。

 

読み進めるうちに、友情、嫉妬、裏切り、孤独など様々なテーマが浮かび上がっていきます。

 

決して読みやすい作品ではありませんが、人間の深い部分にまで迫った必見の作品となっています。

 

 

キツネ

キツネ

 

 

 

 

 

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