死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

ガンバリルおじさんのまめスープ

『ガンバリルおじさんのまめスープ』を読みました。

 

 

あらすじ

 

ガンバリルおじさんは、雪が深い峠の一軒家に住んでいます。

 

毎日雪の中を見回るガンバリルおじさんは、倒れている人を見つけると、自分の家へ連れて帰り、豆スープを飲ませてあげます。

 

ガンバリルおじさんは、助けた人たちからお礼も貰わず、彼らに何でも自分のものをやってしまうため、ひどく貧乏です。

 

そんなある日、ガンバリルおじさんの家の中は、着るものも食べるものも、みんなやってしまい、すっかり空っぽになってしまいます。

 

唯一あるのは、豆スープ一杯分だけです。

 

そこに、顔の白い人が大きな荷物を背負ったままやってきて……。

 

ガンバリルおじさんの優しさがたっぷり詰まった絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、ガンバリルおじさんの見返りを求めずに、人に親切にする姿勢です。

 

ガンバリルおじさんは、雪の中で倒れている旅人を見つけては、家に連れて帰り、豆スープを飲ませて看病する、心優しいおじさんです。

 

ガンバリルおじさんは、旅人からお礼も貰わず、自分の持ち物を何でもやってしまうため、かなり貧乏です。

 

しかし、貧乏であっても、ガンバリルおじさんの人や自然に対する優しさは変わりません。

 

ある日、ガンバリルおじさんの家には、豆スープ一杯分以外、全てなくなってしまいます。

 

そんな状況にあっても、ガンバリルおじさんは、豆スープが飲めることに感謝します。

 

そこに、紙のように顔の白い旅人がやって来ます。

 

ガンバリルおじさんは、最後の一杯だったスープを、旅人に差し出します。

 

そして、ガンバリルおじさんが部屋を温かくする薪を家の裏側から持ち運び、家の中に戻ると、旅人はいなくなっていました……。

 

旅人の正体は、なんと雪だるまだったのです!

 

その後、あの旅人が残していった袋の中の豆は、いくら豆スープを作っても、いつまでもなくなりませんでした。

 

見返りを求めずにみんなに親切にしていたからこそ、ガンバリルおじさんに思わぬプレゼントが届いたのです。

 

自分がひどく貧乏になっても、見返りを求めずに親切にすること。

 

それは、なかなか簡単にできることではありません。

 

やはり、人間は見返りを求めてしまうものです。

 

ガンバリルおじさんのように、見返りを求めずに、他人のために尽くすことはなかなかできることではありません。

 

しかし、人のために親切にすることを少しずつ、自分のできる範囲で意識してやる人が増えれば、もっと優しい世の中になるのだと思います。

 

ここで重要なのは、自分のできる範囲でということです。

 

ガンバリルおじさんのように、ひどく貧乏になるまで尽くすことは、普通の人にはまず無理です。

 

そのため、少しずつ変えていくことが大切なのです。

 

人の優しさで、心が温まる絵本です。

 

印象的なことば

 

おいしい まめスープが のめて しあわせだ。ありがたいことだ。

 

ひどく貧乏になってしまい、家の中には一杯の豆スープがあるだけになったガンバリルおじさんが、言った言葉です。

 

何もなくなっても、一杯の豆スープに感謝できるガンバリルおじさんの心は、素晴らしいですね。

 

感想

 

本書は、ガンバリルおじさんのシリーズ作品のひとつです。

 

ガンバリルおじさんの優しさに触れることができる1冊となっています。

 

常に感謝の気持ちを忘れずに、人に親切に生きるガンバリルおじさん。

 

そんなガンバリルおじさんの生き方には、学ぶところが多いものです。

 

絵本の最後には、ガンバリルおじさんの歌の楽譜も付いています。

 

友達同士や親子で読むと、楽しいと思います。

 

やなせたかしさんの絵本には、いつも元気付けらます。

 

この絵本を読んで、人に親切にする人が増えたら、きっともっと素敵な社会になるのだろうと思います。

 

子供だけでなく、大人にもオススメです。