死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

ぼうし

『ぼうし』を読みました。

 

ぼうし

ぼうし

 

 

あらすじ

 

冬がやってきます。

 

リサは冬物を出し、外に運びます。

 

冬物を物干しに吊るして、風に当てると、靴下が片方吹き飛ばされてしまいます。

 

そこに、はりねずみのハリーがやってきて、靴下を見つけますが……。

 

動物たちが繰り広げる、ぼうしにまつわる楽しい絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、動物たちのぼうしです。

 

冬がくる頃、リサは冬物を出し、外に運びます。

 

リサが物干しに冬物を吊るすと、靴下が片方吹き飛ばされてしまいます。

 

そして、はりねずみのハリーが靴下を見つけます。

 

ハリーが靴下を鼻につっこむと、はりが刺さって抜けなくなってしまいます。

 

そこに、雌鶏のお母さんとひよこがやってきます。

 

雌鶏のお母さんが、ハリーに何をかぶっているのか聞くと、ハリーは「新しいぼうし」と答えます。

 

雌鶏が何か言いたげに首をかしげると、走っていきます。

 

その後も、ガチョウやねこ、犬や豚が、ハリーのぼうしをからかいます。

 

そして、子馬がハリーのぼうしをからかうと、ついにハリーの堪忍袋の緒が切れます。

 

ハリーは、子馬にガミガミと怒鳴ります。

 

子馬は、驚いて走っていきます。

 

ハリーは、みんなに笑われてうんざりし、ひとりになりたかったのです。

 

そこに、もう片方の靴下を手に、リサが走ってきます。

 

ハリーは笑われるのが嫌で、とっさに逃げ出します。

 

リサはハリーに追いつき、靴下を外します。

 

ハリーは巣穴に戻り、リサは物干し場に向かいますが……。

 

綱からは、冬物が全部消えています。

 

そして、リサはびっくりするような光景を目にします。

 

なんと、動物たちが冬物をぼうしにして、走り回っているのです。

 

リサは、動物たちを追いかけ、ハリーがそれを巣穴の前で眺めます。

 

この絵本では、はりねずみのハリーをはじめ、たくさんの動物が登場します。

 

最初は、好奇心から靴下に近づいたハリーですが、とんだ災難に巻き込まれてしまいます。

 

はりが刺さって、靴下が取れなくなってしまったのです。

 

その姿が滑稽で、動物たちはハリーを笑い者にします。

 

しかし、ハリーをからかっていた動物たちも、本当はぼうしが欲しくてたまらなかったのです。

 

最後には、動物たちみんなが、リサの冬物を盗んで、それをぼうしにしてしまいます。

 

動物たちのぼうしをかぶった姿が、面白おかしく、なんとも微笑ましい光景です。

 

冬になったら家族で読みたい、そんな絵本です。

 

印象的なことば

 

ぼくも わたしも これで すてきな ぼうしもち!

 

動物たちの言葉です。

 

動物たちは、リサの冬物をぼうしにして、喜んで駆け回ります。

 

動物たちの楽しい気持ちが伝わってきます。

 

感想

 

ぼうしをめぐる、動物たちの物語です。

 

可愛い動物たちの姿に、心が癒されます。

 

特に、はりねずみのハリーの可愛さは、ずば抜けています。

 

イラストが細部までしっかりと描かれていて、子どもから大人まで楽しめます。

 

作者のジャン・ブレットは、実際にバフィーというはりねずみを飼っているそうで、バフィーはこの絵本のモデルだそうです。

 

だから、ハリーの描写がリアルなのですね。

 

ジャンは旅行が好きで、家族と一緒に世界中を旅しているそうです。

 

ある時、デンマークのフュン島を訪れ、そこで散歩とスケッチをして過ごした経験が、この絵本に生かされているそうです。

 

デンマークのフュン島は、作家のアンデルセンが生まれた美しい島だそうです。

 

冬になったら、大人から子どもに読み聞かせてあげたい一冊です。

 

 

ぼうし

ぼうし

 

 

 

 

 

 

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終わらない夜

『終わらない夜』を読みました。

 

終わらない夜

終わらない夜

 

 

あらすじ

 

想像してごらん……。

 

夜に、かたく冷たい雪のシーツから、「ついてきて」と誰かが囁きます。

 

夜、眠れないときに、飛び上がり、舞い上がると……。

 

終わらない夜の旅が描かれた不思議な絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、想像力を掻き立てられる夜の世界です。

 

この絵本では、カナダの画家のロブ・ゴンサルヴェスの絵に、セーラ・L・トムソンが詩を添えています。

 

そこには明確なストーリーはなく、代わりに読者が想像力を掻き立てられる世界へ引き込まれるようになっています。

 

舞台は夜の世界で、1ページごとに絵と文章が現れます。

 

静寂な世界が広がっていて、なんとも不思議な魅力に溢れています。

 

読者は、美しくてどこか不気味な世界に、足を踏み入れることになります。

 

ページをめくるたびに、その世界観に引き込まれます。

 

まるで、不思議な夢を見ているかのような感覚に陥ります。

 

まさにタイトルのように、終わらない夜の世界が広がっています。

 

あなたも、終わらない夜の世界を旅してみませんか?

 

不思議な夜の世界を冒険できる、魅力的な一冊です。

 

印象的なことば

 

夜、ろうそくの火が またたいて さびしい星に ウィンクする。

 

今回は、ストーリーの言葉ではなく、作家のセーラ・L・トムソンの詩が絵本の全編に添えられているため、どの言葉を選ぼうか悩みましたが、絵本の中で一番ロマンチックな言葉を選びました。

 

個人的には、この言葉が載っているページが、絵本の中で一番絵と文章がぴったり合っていると思いました。

 

ちなみに、このページの絵は「落ちてきた星」というそうです。

 

素敵な言葉と美しい絵が融合しています。

 

感想

 

終わらない夜の世界が描かれた絵本です。

 

以前から気になっていた絵本だったのですが、今回初めて読みました。

 

美しく詩的な世界が広がっていて、思わず引き込まれてしまいます。

 

まるで、美術館で絵を鑑賞しているかのような感覚になります。

 

最後の方のページに、絵の一覧が載っています。

 

絵には、それぞれのタイトルが付いています。

 

画家の絵に、想像力を刺激された作家が詩を書いたそうです。

 

確かに、人々の想像力を掻き立てる、素晴らしい絵だと思います。

 

特に大人にじっくりと、その世界観を味わってほしい一冊です。

 

 

終わらない夜

終わらない夜

 

 

 

 

 

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綱渡りの男

『綱渡りの男』を読みました。

 

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)

 

 

あらすじ

 

むかし、ニューヨークにふたつのタワーが並んで立っていました。

 

大道芸人フィリップ・プティは、そのタワーに惹かれました。

 

そして、そのふたつのタワーの間で綱渡りをすることを思いつきます。

 

そこでフィリップは、ひそかに計画を練りはじめて……。

 

ニューヨークのツイン・タワーで実際に綱渡りをした大道芸人の物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、綱渡りの光景です。

 

むかし、ニューヨークにはふたつのタワーが並んで立っていました。

 

そんなタワーに、ひとりの青年が惹かれました。

 

彼の名は、フィリップ・プティ

 

フランス人の大道芸人です。

 

フィリップは、ふたつのタワーの間を綱渡りすることを思いつきます。

 

彼は計画を練り、友人たちと一緒に計画を実行します。

 

なんと、彼は本当にタワーの間で綱渡りをします!

 

その後、フィリップはタワーの屋上で待ち受けていた警官に逮捕されます。

 

そして、フィリップは裁判所に連れて行かれ、判決を言い渡されます。

 

裁判官は、街の子どもたちのために、公園で綱渡りをするように言います。

 

フィリップは、喜んでそうします。

 

ふたつのタワーはもうありませんが、人々の記憶の中には、タワーや彼の綱渡りの思い出が残っています。

 

この絵本では、大道芸人フィリップ・プティが、ニューヨークで当時建設中だったふたつのタワーの間を綱渡りします。

 

ニューヨークにあるふたつのタワーとは、今はなきニューヨークの世界貿易センターのツイン・タワーのことです。

 

フィリップは、1974年8月7日に、そこで友人たちの協力のもと、綱渡りを披露します。

 

普通ならば、人々は見上げないと、その大道芸人の綱渡りを見ることができません。

 

しかし、この絵本では、上空から綱渡りの光景を見ることができます。

 

まるで、綱渡りを体験しているような感覚になれるほど、臨場感があります。

 

残念ながら、ニューヨーク世界貿易センターのツイン・タワーは、今はもうありません。

 

しかし、人々の心の中には、タワーやフィリップの綱渡りの光景が今でも残っています。

 

そして、この絵本でも、その素晴らしいタワーと綱渡りの光景を、心に刻むことができます。

 

印象的なことば

 

でも、ちっともこわくない。

ここには、ぼくひとり。なんて幸せで、自由なんだろう。

 

 

フィリップの言葉です。

 

ツイン・タワーで綱渡りをしている最中の、フィリップの気持ちが表現されています。

 

普通の人であれば恐怖感でいっぱいでしょうが、大道芸人のフィリップは幸せな気持ちを感じていたのです。

 

感想

 

フランス出身の大道芸人フィリップ・プティが披露した、ツイン・タワーでの綱渡りが描かれた絵本です。

 

この絵本は実話をもとに作られているので、絵本に描かれていることは本当にあった出来事です。

 

特に若い読者は、信じられないかもしれません。

 

しかし、この絵本を読めば、フィリップ・プティやツイン・タワーを知らない人でも、感動を覚え、綱渡りの光景が心に刻まれることでしょう。

 

私自身は、9.11の時は小学生だったので、ツイン・タワーは知っていたのですが、大道芸人フィリップ・プティのことは、この絵本で初めて知りました。

 

1974年の出来事だと知り、自分が生まれる前に、こんなことがあったのだと衝撃を受けました。

 

また、絵本の文章とイラストで、実際に綱渡りのパフォーマンスを見たような気持ちになり、感動しました。

 

普段は体験できない景色や感情が、この絵本では経験することができます。

 

特に若い読者に読んでほしい、後世に残したい絵本です。

 

 

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)

 

 

 

 

 

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おじいちゃんがおばけになったわけ

『おじいちゃんがおばけになったわけ』を読みました。

 

おじいちゃんがおばけになったわけ

おじいちゃんがおばけになったわけ

 

 

あらすじ

 

ある夜、亡くなったおじいちゃんがおばけになって、エリックのもとにやってきます。

 

おじいちゃんは、壁を通り抜けることができます。

 

次の朝、エリックが両親にそのことを話すと、両親は心配してエリックに学校を休ませます。

 

そして、夜にはまたおじいちゃんがやってきて……。

 

エリックとおばけになったおじいちゃんの心温まる一冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、おじいちゃんとの思い出です。

 

エリックは、おじいちゃんが大好きでした。

 

しかし、おじいちゃんは心臓発作で亡くなってしまいました。

 

エリックは、悲しくてたくさん泣きます。

 

エリックのお母さんは、「おじいちゃんは天使になる」と言い、お父さんは「土になる」と言います。

 

しかし、そのどちらもエリックにはピンときません。

 

その夜、死んだはずのおじいちゃんが、エリックの部屋へやってきます。

 

なんと、おじいちゃんは、おばけになっていました。

 

おじいちゃんは、壁を通り抜けることができます。

 

朝ごはんの席で、エリックはおじいちゃんのことを両親に話しますが、両親は心配そうに、今日は学校を休んだほうがいいと言います。

 

そして、また夜になると、エリックのもとにおじいちゃんがやってきます。

 

おじいちゃんは、いつまでもおばけのままでいるわけにもいかないと言い、エリックが持っていたおばけの本を熱心に読みます。

 

本には、この世に忘れ物があると、人はおばけになると書いてあります。

 

エリックとおじいちゃんは、忘れ物を探しに、おじいちゃんの家へ行きます。

 

おじいちゃんは、家にある写真を眺めながら、思い出を辿ります。

 

次の朝、エリックはとても眠そうで、また学校を休むことになります。

 

夜になると、忘れ物を探しに、エリックはおじいちゃんと街に繰り出します。

 

おじいちゃんは、様々なことを思い出しますが、決定的なものは見つかりません。

 

次の朝、エリックは椅子に座ったまま眠りかけ、両親は心配して、また学校を休ませます。

 

その夜、エリックのもとにおじいちゃんがなかなかきません。

 

エリックは外でおじいちゃんを探しますが、なかなか見つかりません。

 

エリックが諦めて部屋に戻ると、そこにおじいちゃんがいます。

 

おじいちゃんはにこにこしていて、エリックに「お前とわしでしたことを、思い出してごらん」と言います。

 

エリックは、おじいちゃんと一緒にしたことを思い出します。

 

おじいちゃんは、忘れ物を思い出したと言います。

 

おじいちゃんは、エリックに「さよなら」を言うのを忘れていたのです。

 

エリックとおじいちゃんは、最後の会話をします。

 

そして、おじいちゃんは外に出て、エリックは窓から手を振り、お別れをします。

 

そして、エリックはベッドに潜り込み、「明日は学校へ行くよ」と言います。

 

この絵本では、亡くなったおじいちゃんがおばけになって、エリックのもとへやってきます。

 

おじいちゃんは、この世に忘れ物があるため、おばけになりました。

 

エリックとおじいちゃんは、その忘れ物を一緒に探します。

 

その過程で、おじいちゃんは様々な出来事を思い出します。

 

エリックとおじいちゃんの思い出も、よみがえります。

 

エリックとおじいちゃんは仲良しで、色々なことを共有してきました。

 

そんなふたりの思い出が、イラストで鮮やかに表現されています。

 

そして、ついにおじいちゃんは、忘れ物を思い出します。

 

それは、1番大事な孫のエリックに、「さよなら」を言うことでした。

 

エリックとおじいちゃんは、最後のお別れをします。

 

たとえ、おじいちゃんがいなくなっても、ふたりの思い出は色褪せません。

 

ふたりの大切な思い出は、読者の心にも響きます。

 

孫とおじいちゃんの仲の良さが伝わってくる、素敵な絵本です。

 

印象的なことば

 

わしは、おまえに、さよならをいうのを、わすれていたんだ。

いちばんだいじな、まごのエリックにね

 

 

おじいちゃんの言葉です。

 

おじいちゃんは忘れ物を思い出して、エリックにこう言います。

 

おじいちゃんが、どれほどエリックを愛していたのかがわかる言葉です。

 

感想

 

亡くなったはずのおじいちゃんが、おばけになって孫のエリックのもとへやってくる物語です。

 

孫がおじいちゃんを好きなのは、世界共通のようです。

 

おじいちゃんもまた、孫のことが大好きです。

 

そんな仲のいいふたりが繰り広げる物語は、多くの人が感情移入できるものとなっています。

 

読んでいるうちに、自分のおじいちゃんのことをつい思い出してしまいます。

 

自分のおじいちゃんと絵本のおじいちゃんを重ね合わせて読むのもいいと思います。

 

人が亡くなっても、思い出は永遠に生き続ける。

 

そんな気持ちが湧いてくる絵本です。

 

 

おじいちゃんがおばけになったわけ

おじいちゃんがおばけになったわけ

 

 

 

 

 

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カクレンボ・ジャクソン

『カクレンボ・ジャクソン』を読みました。

 

カクレンボ・ジャクソン

カクレンボ・ジャクソン

 

 

あらすじ

 

カクレンボ・ジャクソンは、恥ずかしがり屋で、ひっそりと隠れるように暮らしています。

 

ある日、カクレンボ・ジャクソンのもとに、パーティへの招待状が届きます。

 

彼は、素敵なお城を想像しますが、人前に出るのが嫌いなのでパーティに出られません。

 

そして、お城の夢を見たカクレンボ・ジャクソンは、いいことを思いつき……。

 

恥ずかしがり屋のカクレンボ・ジャクソンが才能を発揮する物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、自分らしくいることです。

 

カクレンボ・ジャクソンは、恥ずかしがり屋で、目立つのが嫌いなので、ひっそりと隠れるように暮らしています。

 

彼は、公園や買い物に行くために、自分でその場の背景に合った服を作り、背景にひっそりと隠れます。

 

彼は、家の中が一番好きで、ひとり静かに暮らしています。

 

ある日、カクレンボ・ジャクソンの家に、パーティへの招待状が届きます。

 

それは、女王様の誕生日パーティの招待状です。

 

カクレンボ・ジャクソンは、素敵なお城を想像しますが、人前に出るのが嫌いなので、パーティに出られません。

 

その夜、カクレンボ・ジャクソンは、お城の夢を見ます。

 

夢から覚めた彼は、いいことを思いつきます。

 

それは、目立たないように、お城にそっくりな服を作って、パーティに行くことです。

 

しかし、いざパーティへ行くと……。

 

パーティが開かれているのは、お城の庭です。

 

カクレンボ・ジャクソンは、とても目立ってしまいます。

 

しかし、みんなは彼を見て、素敵な服に思わずため息をつきます。

 

そして、なんと女王様と王様が、服を作って欲しいと、カクレンボ・ジャクソンに頼みます。

 

そして、カクレンボ・ジャクソンは、女王様と王様のために、服を作ります。

 

すると、色々な人から服を作って欲しいとの依頼が届きます。

 

そうして、カクレンボ・ジャクソンは、洋服屋になります。

 

彼は、友達がたくさんでき、毎日楽しく働いています。

 

今でも少し恥ずかしがり屋なのですが、そこもまた彼のいいところなのです。

 

この絵本では、カクレンボ・ジャクソンは、自分らしくいることを貫いています。

 

彼は、恥ずかしがり屋ですが、自分の美意識や価値観をちゃんと持っていて、それに従って暮らしています。

 

そんな彼は、招待されたパーティでも、自分らしい服を着て出席します。

 

それは、目立たないために作った服でしたが、ひょんなことから彼の個性にスポットライトが当たります。

 

そして、女王様と王様が彼の才能を見出し、服を作って欲しいと彼に依頼します。

 

彼は、この時しっかりとチャンスを自分のものにします。

 

恥ずかしがり屋のカクレンボ・ジャクソンですが、いざという時はチャンスを掴む勇気も持ち合わせていたのです。

 

彼は、やがて洋服屋になります。

 

今では、たくさんの友人に囲まれて、楽しく働いています。

 

これも、自分らしく生きてきたからこその結果です。

 

自分らしくいることの素晴らしさがわかる一冊です。

 

印象的なことば

 

いまでも ちょっぴり はずかしがりやですが、それも また カクレンボ・ジャクソンの いいところです。

 

洋服屋になり、成功を収めたカクレンボ・ジャクソンですが、彼の内面はいい意味で変わりません。

 

成功しても、有頂天にならずに、自分らしくいること。

 

彼のいいところですね。

 

感想

 

恥ずかしがり屋のカクレンボ・ジャクソンが、洋服屋になるまでの物語です。

 

恥ずかしがり屋のカクレンボ・ジャクソンは、日本人が共感しやすいキャラクターだと思います。

 

彼のように恥ずかしがり屋でも、個性と勇気があれば、成功できるのだと学べます。

 

イラストもカラフルで楽しく、見ていて飽きません。

 

この絵本では、通常の絵本のように、主人公が真ん中に描かれていません。

 

そのため、カクレンボ・ジャクソンをみんなの中から探すのも楽しみのひとつです。

 

若い読者に特におすすめしたい一冊です。

 

カクレンボ・ジャクソン

カクレンボ・ジャクソン

 

 

 

 

 

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ゼロ年代+の絵本【2004年】

今回は、ゼロ年代+の絵本の第5回目「2004年版」です!

 

今回も個性豊かな絵本が揃っています。

 

ゼロ年代+の絵本の企画概要などは、こちらです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

それでは、2004年版スタートです。

 

 

 

①しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる

 

ehon0016.hatenablog.com

 

消防艇ハーヴィをめぐる、感動の実話が物語になった絵本です。日本語版では、ミュージシャンの矢野顕子さんが翻訳を手がけています。

 

 

②いのちのまつり

 

ehon0016.hatenablog.com

 

島で出会ったオバアとともに、コウちゃんがご先祖さまやいのちについて考える物語です。絵本から、沖縄のあたたかい雰囲気が伝わってきます。

 

 

③エリカ 奇跡のいのち

 

ehon0016.hatenablog.com

 

強制収容所から奇跡的に助かった女性の、感動の物語です。エリカの辿った奇跡的な運命が、感動的に描かれています。

 

 

④オットー 戦火をくぐったテディベア

 

ehon0016.hatenablog.com

 

戦争を背景に描かれた、テディベアのオットーの自伝的な絵本です。ふたりの少年とテディベアのオットーが、奇跡の再会を果たします。

 

 

⑤悲しい本

 

ehon0016.hatenablog.com

 

愛する者を失った悲しみを、徹底的に見つめ、表現した感動の絵本です。ただ単に悲しいだけではなく、希望の絵本でもあります。

 

 

⑥こねこのチョコレート

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

こねこのチョコレートをめぐる、素敵な誕生日プレゼントのお話です。猫好きには、たまらない一冊です。

 

 

⑦ないた

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

泣くことについて考えさせられる一冊です。様々な場面での涙が、子どもの視点から描かれた絵本です。

 

 

 

⑧ねえだっこして

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

お母さんに抱っこしてもらいたい猫の気持ちが描かれた可愛らしい一冊です。猫や赤ちゃんのイラストがとても可愛いです。

 

 

 

⑨パパはジョニーっていうんだ

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

子どもと親の絆について考えさせられる絵本です。一緒に住んでいなくても、変わらない親子の絆を感じることができる作品です。

 

 

⑩もったいないばあさん

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

「もったいない」の精神を伝えるおばあさんの物語です。生きる知恵が学べる一冊です。

 

 

 

ベスト作品発表

 

2004年も、バリエーション豊かですね。

 

今回も、海外絵本と国内絵本のそれぞれで、ベスト作品を決めたいと思います。

 

海外絵本では、『悲しい本』がベスト1です。

 

大人になってから再び絵本を読むようになったきっかけの絵本であり、このブログを始めるきっかけにもなった絵本といっても過言ではありません。

 

そのくらい特別な作品です。

 

また、国内絵本では、『ないた』がベスト1です。

 

泣くことについて考えさせられる絵本でした。

 

海外絵本も国内絵本も、この年のベスト作品は、「悲しみ」や「涙」といった題材の絵本が選ばれました。

 

悲しみや涙に関する大人の本は、割とあるのかもしれませんが、子どもが読む絵本では、これらを主題に扱った絵本はあまり多くはないように思います。

 

今回選んだふたつの作品は、どちらも深い内容で、大人も考えさせられる内容になっています。

 

2004年の傾向

 

2004年版の傾向としては、9.11に関連する絵本『しょうぼうていハーヴィ』や強制収容所が作品内に出てくる絵本が2冊あったりと、社会的な内容のものが多くなっています。

 

また、悲しみや涙など、人の内面にフォーカスした絵本も登場しました。

 

一方では、『こねこのチョコレート』や『ねえだっこして』など、猫好きにはたまらない絵本もあります。

 

まさに、バリエーション豊かな作品が揃っています。

 

大人が読んでも読み応えのある作品が多くあります。

 

シリアスな内容のものをじっくり読んだ後には、猫が出てくる可愛い絵本で癒されてみてはいかがでしょうか。

 

 

以上が、ゼロ年代+の絵本の2004年版でした。

 

気になった絵本がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

あなたの心の一冊が見つかれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

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いのちのまつり

『いのちのまつり』を読みました。

 

いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」

いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」

 

 

あらすじ

 

コウちゃんは、島に遊びにきました。

 

島では、人々が石のお家の前で、お喋りをしながらお弁当を食べ、陽気に踊っています。

 

コウちゃんは、そんな様子をまん丸な目で見ています。

 

その時、コウちゃんのもとに、島のオバアがやってきて……。

 

島で出会ったオバアとともに、コウちゃんがご先祖さまやいのちについて考える物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、たくさんのご先祖さまです。

 

ある日、コウちゃんは島にやってきます。

 

島では、石のお家の前で、人々が陽気に踊りだします。

 

コウちゃんがその様子にびっくりしていると、島のオバアがやってきて、ご先祖さまのお墓参りをしているのだと教えてくれます。

 

島では、春になると親戚が集まって、ご先祖さまに「ありがとう」を伝えるのです。

 

今度は、オバアがコウちゃんに、「ぼうやにいのちをくれた人は誰ね〜?」と尋ねます。

 

コウちゃんは、お父さんとお母さんと答えます。

 

そして、オバアは、いのちをくれた人をご先祖さまと言うのだと教えてくれます。

 

コウちゃんは、びっくりします。

 

さらに、オバアとコウちゃんは、ご先祖さまを辿っていきます。

 

コウちゃんは、オバアに自分のご先祖さまは何人いるか聞きます。

 

コウちゃんは、指をおって数えてみることにします。

 

すると、どんどんご先祖さまが出てきて、数えきれなくなります。

 

オバアは、ぼうやのいのちはご先祖さまのいのちでもあるのだと教えてくれます。

 

コウちゃんは、いのちの凄さを感じます。

 

そこに、コウちゃんのお父さんとお母さんが、コウちゃんを探してやってきます。

 

コウちゃんは、たくさんのご先祖さまに届くような大きな声で、「いのちをありがとう」と言います。

 

この絵本では、たくさんのご先祖さまが出てきます。

 

島のオバアとコウちゃんの対話を通じて、たくさんのご先祖さまの存在が明らかになります。

 

数えきれないご先祖さまが誰一人欠けても、コウちゃんのいのちは成り立たないことがわかります。

 

ご先祖さまという存在の大きさやいのちの尊さが伝わってくる絵本です。

 

印象的なことば

 

いのちをありがとう〜!

 

コウちゃんの言葉です。

 

コウちゃんは、たくさんのご先祖さまにこう言います。

 

シンプルな言葉の中に、ご先祖さまに対する感謝の気持ちがあります。

 

感想

 

島に遊びにきたコウちゃんが、島のオバアとの会話を通じて、ご先祖さまの存在を知る物語です。

 

絵本の最後の方に仕掛けがあり、ページを大きく広げると、たくさんのご先祖さまが現れるようになっています。

 

文章だけでなく、イラストでもたくさんのご先祖さまの存在を知ることができるようになっています。

 

ちなみに、タイトルにある「ヌチヌグスージ」とは、沖縄の方言で、いのちのお祝い、いのちのお祭りという意味があります。

 

素敵な言葉ですね。

 

絵本から、沖縄のあたたかい雰囲気が伝わってきます。

 

自分のご先祖さまに思いを馳せながら、この絵本を読むのもいいと思います。

 

ご先祖さまや自分のいのちを大切にしたくなる絵本です。

 

いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」

いのちのまつり―「ヌチヌグスージ」

 

 

 

 

 

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