綱渡りの男
『綱渡りの男』を読みました。

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)
- 作者: モーディカイ・ガースティン,Mordicai Gerstein,川本三郎
- 出版社/メーカー: 小峰書店
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 大型本
- 購入: 3人 クリック: 7回
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あらすじ
むかし、ニューヨークにふたつのタワーが並んで立っていました。
そして、そのふたつのタワーの間で綱渡りをすることを思いつきます。
そこでフィリップは、ひそかに計画を練りはじめて……。
ニューヨークのツイン・タワーで実際に綱渡りをした大道芸人の物語です。
見どころ
今回の見どころは、綱渡りの光景です。
むかし、ニューヨークにはふたつのタワーが並んで立っていました。
そんなタワーに、ひとりの青年が惹かれました。
彼の名は、フィリップ・プティ。
フランス人の大道芸人です。
フィリップは、ふたつのタワーの間を綱渡りすることを思いつきます。
彼は計画を練り、友人たちと一緒に計画を実行します。
なんと、彼は本当にタワーの間で綱渡りをします!
その後、フィリップはタワーの屋上で待ち受けていた警官に逮捕されます。
そして、フィリップは裁判所に連れて行かれ、判決を言い渡されます。
裁判官は、街の子どもたちのために、公園で綱渡りをするように言います。
フィリップは、喜んでそうします。
ふたつのタワーはもうありませんが、人々の記憶の中には、タワーや彼の綱渡りの思い出が残っています。
この絵本では、大道芸人のフィリップ・プティが、ニューヨークで当時建設中だったふたつのタワーの間を綱渡りします。
ニューヨークにあるふたつのタワーとは、今はなきニューヨークの世界貿易センターのツイン・タワーのことです。
フィリップは、1974年8月7日に、そこで友人たちの協力のもと、綱渡りを披露します。
普通ならば、人々は見上げないと、その大道芸人の綱渡りを見ることができません。
しかし、この絵本では、上空から綱渡りの光景を見ることができます。
まるで、綱渡りを体験しているような感覚になれるほど、臨場感があります。
残念ながら、ニューヨーク世界貿易センターのツイン・タワーは、今はもうありません。
しかし、人々の心の中には、タワーやフィリップの綱渡りの光景が今でも残っています。
そして、この絵本でも、その素晴らしいタワーと綱渡りの光景を、心に刻むことができます。
印象的なことば
でも、ちっともこわくない。
ここには、ぼくひとり。なんて幸せで、自由なんだろう。
フィリップの言葉です。
ツイン・タワーで綱渡りをしている最中の、フィリップの気持ちが表現されています。
普通の人であれば恐怖感でいっぱいでしょうが、大道芸人のフィリップは幸せな気持ちを感じていたのです。
感想
フランス出身の大道芸人フィリップ・プティが披露した、ツイン・タワーでの綱渡りが描かれた絵本です。
この絵本は実話をもとに作られているので、絵本に描かれていることは本当にあった出来事です。
特に若い読者は、信じられないかもしれません。
しかし、この絵本を読めば、フィリップ・プティやツイン・タワーを知らない人でも、感動を覚え、綱渡りの光景が心に刻まれることでしょう。
私自身は、9.11の時は小学生だったので、ツイン・タワーは知っていたのですが、大道芸人のフィリップ・プティのことは、この絵本で初めて知りました。
1974年の出来事だと知り、自分が生まれる前に、こんなことがあったのだと衝撃を受けました。
また、絵本の文章とイラストで、実際に綱渡りのパフォーマンスを見たような気持ちになり、感動しました。
普段は体験できない景色や感情が、この絵本では経験することができます。
特に若い読者に読んでほしい、後世に残したい絵本です。

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)
- 作者: モーディカイ・ガースティン,Mordicai Gerstein,川本三郎
- 出版社/メーカー: 小峰書店
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 大型本
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