死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

エゾオオカミ物語

エゾオオカミ物語』を読みました。

 

エゾオオカミ物語 (講談社の創作絵本)

エゾオオカミ物語 (講談社の創作絵本)

 

 

あらすじ

 

寒い冬の夜、月の光に誘われて、モモンガたちが集まってきます。

 

モモンガたちは、フクロウおじさんの話を聞きに来たのです。

 

フクロウおじさんは、オオカミの話を始めます……。

 

オオカミや自然について描かれた一冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、人間と動物の共生です。

 

エゾオオカミは絶滅してしまいましたが、昔は自然やアイヌの人々と共に暮らしていました。

 

アイヌの人々とエゾオオカミは、お互いの息遣いを感じながら、生きていました。

 

もちろん、どちらもお互いを怖いと思っていたのですが、それ以上に尊敬し合っていたのです。

 

狭い山道でも、道を譲り合うことすらあったそうです。

 

しかし、馬を襲ったオオカミを、内地から来た人々が、次々に殺して、ついにオオカミは絶滅してしまいました。

 

なかなか共生するのは難しいことかもしれませんが、お互いを尊重する気持ちを忘れないようにしたいものです。

 

印象的なことば

 

でものお、

こんどはエゾシカが悪者になっておるが、

そうしたのは、ほんとうは”だれ”なんじゃろう?

 

 

フクロウおじさんの言葉です。

 

フクロウおじさんの言葉には、迫力があり、核心をついています。

 

感想

 

エゾオオカミたちが描かれた絵本です。

 

迫力のあるイラストに引き込まれて読んでみると、物語にも引き込まれていきました。

 

エゾオオカミや人間の歴史には、こんなことがあったのだと初めて知りました。

 

昔は、オオカミと人間は共生していたのに、オオカミが人間によって殺されて、絶滅してしまったのは悲しい事実です。

 

自然や動物を大切にしたくなる一冊です。

 

 

エゾオオカミ物語 (講談社の創作絵本)

エゾオオカミ物語 (講談社の創作絵本)

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

つみきのいえ

つみきのいえ』を読みました。

 

つみきのいえ

つみきのいえ

 

 

あらすじ

 

ひとりのおじいさんが、海の上にある変わった家に住んでいました。

 

どうして、こんな家に住んでいるのでしょう。

 

この街では、海の水が段々上に上がってきてしまい……。

 

おじいさんの幸福な思い出が詰まった物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、家族の思い出です。

 

おじいさんは、海の上にある家に住んでいます。

 

なぜかというと、この街では海の水が段々上に上がってきてしまうのです。

 

そのため、住んでいた家が水の中に沈んでしまうと、その家の上に新しい家を作ります。

 

その作業を繰り返したため、まるでつみきのような家が出来上がったのです。

 

おばあさんが3年前に亡くなったため、おじいさんはひとりぼっちで住んでいます。

 

しかし、おじいさんは、毎日楽しく暮らしています。

 

おじいさんは、ごはんを作ったり、近所のおじいさんとチェスをしたり、自分の子どもたちからの手紙を読んだりして、日々を過ごしています。

 

そんなある冬のことです。

 

海の水が床まで上がってきてしまいました。

 

そして、おじいさんは、新しい家を作り始めます。

 

そんなある日、家を作っていたおじいさんは、大工道具を海の中に落としてしまいます。

 

おじいさんは、潜水服を着て、水の中を潜ります。

 

大工道具は、3つ下の家に落ちていました。

 

その家に来たとき、おじいさんの記憶が蘇ります。

 

その家は、おばあさんと一緒に住んでいたときの家だったのです。

 

おじいさんは、もっと下の家へ潜っていきます。

 

そして、そのたびに、当時の記憶を思い出します。

 

カーニバルがあったときのことや娘の花嫁姿、子猫がいなくなったこと、最初の赤ちゃんが生まれたこと……。

 

そして、ついに一番下の家にたどり着きます。

 

その家は、夫婦になって初めて住んだ家でした。

 

おじいさんは、ずっとここに住み続けてきたのです。

 

春になり、おじいさんの新しい家ができます。

 

壁の割れ目のタンポポを見て、おじいさんは嬉しそうに笑います。

 

家族の思い出は、決して忘れることのない宝物です。

 

そんな思い出が詰まった家もまた宝物です。

 

おじいさんは、家族の思い出を大事にしているからこそ、同じ家に住み続けているのです。

 

家族の思い出の大切さが、心に響く名作です。

 

印象的なことば

 

そしておじいさんは、ずっとここにすみつづけてきたのです。

 

おじいさんの歴史の重みが感じられます。

 

おじいさんは、なによりも家族や家族の思い出を大事にしてきたのですね。

 

感想

 

家族の幸せな思い出が描かれた物語です。

 

この絵本は、同じタイトルの短編アニメーション映画を、絵本用にリメイクした作品だそうです。

 

アニメーション映画の方は、アカデミー賞の短編アニメ賞など、数々の賞を受賞されています。

 

 

つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD]

つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD]

 

 

 

賞を受賞した当時、話題になっていたのを覚えています。

 

アニメの方はまだ見ていないのですが、この絵本は単体でも素晴らしい作品だと思います。

 

独特の世界観で、普遍的な家族の思い出が描かれていて、読者の心に響きます。

 

アニメの方も、見てみたいと思います。

 

大人が楽しめる絵本です。

 

 

 

つみきのいえ

つみきのいえ

 

 

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

ぼくのかえりみち

『ぼくのかえりみち』を読みました。

 

ぼくのかえりみち

ぼくのかえりみち

 

 

あらすじ

 

ある日の帰り道、そらくんは道の曲がり角で、止まってつぶやきます。

 

そらくんは、今日は道路にある白い線の上を歩いて帰ろうと決めます。

 

線は、道の向こうまでずっと続いています……。

 

ちょっとした冒険の気分が味わえる一冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、いつもと違う帰り道です。

 

この絵本では、そらくんが学校から家に帰るまでが描かれています。

 

そらくんは、白い線の上を歩いて帰ろうと決めます。

 

すると、いつも普通に帰っている道と、違うように見え、冒険のような気分を味わえます。

 

そらくんのように、白い線の上を歩いた人は意外といるのではないでしょうか。

 

私も小さい頃に、白い線の上を歩いて帰ったことがあったように思います。

 

ただずっと続いているように見える白い線も、よく見てみると途切れていたり、障害物があったり、意外と歩き続けるのが難しいのです。

 

まるで、ゲームの世界に入り込んだような、面白さがあります。

 

読んでいると、懐かしさが味わえる絵本です。

 

印象的なことば

 

きょうは、このしろいせんのうえをあるいてかえろう

 

そらくんの言葉です。

 

そらくんの思いつきが、ちょっとした冒険になるのです。

 

子どもの頃を、思い出します。

 

感想

 

帰り道のちょっとした冒険が描かれた一冊です。

 

びかしさんの絵本を読むのは、今回で2冊目です。

 

ひがしさんの絵本は、子どもの通学や帰り道に焦点が当てられ、どれもユニークな設定で描かれています。

 

今回の絵本と『えんふねにのって』は、どちらも日常の冒険が描かれていて、子どもが楽しめる絵本になっています。

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

また、大人が読んでも懐かしい気持ちになったり、思わず笑顔になるような作品です。

 

『ぼくのかえりみち』は、子どもも大人も楽しめる、楽しい一冊です。

 

 

ぼくのかえりみち

ぼくのかえりみち

 

 

 

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

くまとやまねこ

『くまとやまねこ』を読みました。

 

くまとやまねこ

くまとやまねこ

 

 

あらすじ

 

ある朝、くまは泣いています。

 

仲良しのことりが、死んでしまったのです。

 

くまは森の木を切り、小さな箱をつくります……。

 

友達をなくしたくまが、再び友達を作るまでの、再生の物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、友達を作ることです。

 

ある朝、仲良しのことりが死んでしまい、くまは泣いています。

 

くまは、森の木を切って、小さな箱をつくります。

 

その中に、花びらをしきつめ、ことりを入れます。

 

そして、どこへ行くにも、くまはその箱を持ち歩くようになります。

 

森の動物たちが、箱のことを尋ねると、くまは箱を開けて、中身を見せます。

 

すると、動物たちは、ことりはもう帰ってこないから、つらいだろうけど忘れなくちゃと言います。

 

くまは、自分の家に引きこもってしまいます。

 

ある日、久しぶりに窓を開けてみると、いいお天気だったので、くまは外に出ます。

 

くまが川べりの土手にのぼると、見慣れないやまねこが昼寝をしています。

 

くまは、やまねこのバイオリンケースが気になり、やまねこに声を掛けます。

 

やまねこは、くまの持っている箱の中身を見せてくれたら、自分のものも見せると言います。

 

くまは、少し迷いながらも、箱を開けます。

 

やまねこは、くまがことりととても仲が良かったこと、ことりが死んで寂しい思いをくまがしていることを、理解します。

 

やまねこが自分の箱を開けると、バイオリンが出てきます。

 

やまねこは、くまとことりのために、一曲演奏します。

 

くまは、演奏を聴きながら、色々なことを思い出します。

 

そして、くまはことりを森に埋めることにします。

 

くまとやまねこは、まわりを花で飾ります。

 

その後、やまねこはくまを旅に誘います。

 

くまは、やまねこからタンバリンをもらいます。

 

くまは、タンバリンを練習すると言い、やまねこについていくことにします。

 

その後、ふたりは「くまとやまねこ音楽団」として、人気を博します。

 

この絵本では、仲良しのことりをなくしたくまが、新たな友達を得るまでが描かれています。

 

最初は、死んだことりを箱に入れて、悲しみに暮れていたくまですが、やまねことの出会いで、くまは変わります。

 

くまは過去を手放し、新しい人生を生きようとします。

 

そして、くまは勇気を出して、やまねこの旅についていくことにします。

 

ふたりは、友達になります。

 

友達との別れは寂しいものですが、それで人生は終わりません。

 

人生は長いものなので、新たな友達が必要です。

 

自分から心を開けば、友達は案外簡単に見つかるのかもしれません。

 

友達を作る勇気がもらえる一冊です。

 

印象的なことば

 

ぼく、れんしゅうするよ。

おどりながら、

タンバリンをたたけるようになりたいな

 

 

最後のページにある、くまの言葉です。

 

くまは、やまねこの過去を聞いてみたい気持ちを押さえて、こう言います。

 

過去よりも、未来を選んだ、爽やかな言葉ですね。

 

感想

 

友達をなくしたくまの、再生の物語です。

 

酒井駒子さんの絵が好きなのですが、この絵本の絵はモノクロで描かれていて、どこか懐かしいような温かみのある雰囲気があり、素敵です。

 

この絵本のストーリーは、人間にも置き換えることができて、学ぶことの多い一冊になっています。

 

この絵本を読んで、過去よりも未来を見ることの大切さを感じました。

 

悲しみに暮れることもときには必要ですが、ずっとそうしてはいられません。

 

私たちは、未来を見つめなければなりません。

 

そんなとき必要なのは、少しの勇気と新たな友達なのかもしれませんね。

 

友達を大切にしたくなる一冊です。

 

 

くまとやまねこ

くまとやまねこ

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

MOE 40th Anniversary 5人展に行ってきました!

現在、松屋銀座で開催されている「MOE 40th Anniversary 5人展」へ行ってきました!

 

f:id:polaris016:20180426195004j:plain

 

以前から、MOEは好きな雑誌だったので、この展覧会は絶対に行ってみたいと思っていました。

 

この展覧会では、5人の絵本作家さんの原画などが展示されています。

 

その5人とは……

 

です!

 

日本の絵本作家を代表するメンバーの方々ですね。

 

皆さんのそれぞれの世界観が素敵だったのですが、ここでは私が特に好きな酒井駒子さんの展示について書きたいと思います。

 

『よるくま』や『ロンパーちゃんとふうせん』など、酒井さんのいくつかの絵本作品の原画が展示されていました。

 

なかでも、『よるくま』の原画がとても可愛くて、癒されました。

 

 

よるくま

よるくま

 

 

 

よるくまクリスマスのまえのよる

よるくまクリスマスのまえのよる

 

 

『よるくま』の絵本は、実はまだちゃんと読んだことがなかったので、今度またじっくりと読みたいと思います。

 

『ロンパーちゃんとふうせん』は、このブログでも紹介したことがある作品ですね。

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

オススメの一冊です。

 

そのほかにも、酒井さんの原画が展示されていますので、お楽しみに!

 

 

展示されていた文章の中で、酒井さんの雑誌MOEに対する愛情が伝わってきて、深く愛されている雑誌なのだなと再確認しました。

 

また、酒井さんの絵本の原画が生で見られて、感動しました。

 

また、島田ゆかさんのバムとケロのシリーズも大好きなので、今回原画を見ることができて良かったです。

 

 

バムとケロのおかいもの

バムとケロのおかいもの

 

 

バムとケロの絵本は、私が小学生のときに図書室で借りてから、大好きになった作品です。

 

まだこのブログでは紹介できていないので、いつか紹介したいと思います。

 

展覧会の最後の方では、MOEのバックナンバーが展示されています。

 

私が生まれた年は、「ムーミン」の初めての巻頭特集号が出たそうです。

 

f:id:polaris016:20180426201720j:plain

 

また、出口付近には5人の絵本作家さんのグッズも販売されているので、必見です!

 

 

 

 

そして、この展覧会と同じフロアで同時開催されている「誕生30周年記念ウォーリーをさがせ!展」も見てきました!

 

f:id:polaris016:20180426202403j:plain

 

ウォーリーをさがせ」のシリーズも、子どもの頃から大好きなので、今回は夢のような展覧会の組み合わせでした!

 

こちらは、「ウォーリーをさがせ」の原画がいくつも展示されていて、会場でウォーリーを探せるようになっていて、子どもから大人まで楽しめるエンターテイメント色の強い展覧会となっています。

 

 

どちらの展覧会も5月7日までの開催となっています。

 

今年のGWは、絵本の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

 

www.matsuya.com

 

 

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

この世でいちばんすばらしい馬

『この世でいちばんすばらしい馬』を読みました。

 

この世でいちばんすばらしい馬

この世でいちばんすばらしい馬

 

 

あらすじ

 

むかし、ハン・ガンという、絵を描くのが大好きな少年がいました。

 

しかし、家が貧しいため、絵筆も紙も買えませんでした。

 

ハン・ガンは、両親を助けるために、食堂で出前の仕事をしていました。

 

ある日、ハン・ガンが有名な画家のワン・ウェイの屋敷に、料理を届けに行くと……。

 

ハン・ガンと彼の描く馬の不思議な物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、迫力のある馬の姿です。

 

ハン・ガンは、貧しいけれど、絵を描くのが上手い少年です。

 

ハン・ガンは、両親を助けるために、食堂で出前の仕事をしています。

 

ある日、ハン・ガンが有名な画家の屋敷に、料理を届けに行きます。

 

そこで、帰り際に立派な馬を見て、地面に馬の絵を描き始めます。

 

画家のワン・ウェイは、ハン・ガンの才能を見出し、ハン・ガンに絵の道具やお金を与えます。

 

そして、ハン・ガンは、めきめきと腕を上げ、その評判は皇帝の耳にまで届きます。

 

皇帝は、ハン・ガンに、宮廷の絵師になるための学校に入るように、と言います。

 

学校に入ると、ハン・ガンは、先生の言うことを聞かず、馬の絵ばかり描き続けます。

 

ハン・ガンの描く馬は、本物そっくりです。

 

そして、ハン・ガンの描く馬について、不思議な噂が流れます。

 

その噂は、馬が生きて絵から飛び出す、というものでした。

 

ある晩、ハン・ガンは武将のために馬を描き、その絵を火に燃やすと、その馬は本物になって飛び出します。

 

その後、戦いには勝ち抜いた武将と馬ですが、馬は犠牲になった人や動物に心を痛め、とうとう武将のもとから逃げ出します。

 

そして、馬はハン・ガンの絵の中に戻り、静かに暮らしました……。

 

この絵本では、絵の上手いハン・ガンと、彼の描くすばらしい馬が描かれています。

 

絵本に登場する、見事な馬は必見です。

 

今にも、息遣いが聞こえてきそうなほど、迫力があります。

 

この物語は、作者のチェンさんが作ったものですが、ハン・ガンは、中国に実在した画家だそうです。

 

また、この絵本の絵は、ハン・ガンが使ったのと同じ手法で、絹地に描いたものだそうです。

 

作者のこだわりが感じられる一冊です。

 

印象的なことば

 

馬をたいせつにしてください!

 

ハン・ガンが武将に向かって言った言葉です。

 

武将は馬を戦いのために酷使したため、馬は絵の中に戻ってしまいます。

 

感想

 

ハン・ガンという画家と、彼の描く馬のお話です。

 

チェン・ジャンホンの絵本を読むのは、これが2作目でした。

 

彼の絵本では、よく動物が登場します。

 

彼の絵本を読むと、動物は大事な存在なのだと改めて感じます。

 

絵本の中心に、動物を大切に思う気持ちがあるのだと思います。

 

今回の絵本の馬も、とても迫力があり、美しく描かれています。

 

こういったアジア出身の作家の作品も、色々読んでいきたいなと感じます。

 

 

この世でいちばんすばらしい馬

この世でいちばんすばらしい馬

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村

にいさん

『にいさん』を読みました。

 

にいさん

にいさん

 

 

あらすじ

 

ぼくには、にいさんがいた。

 

空がきみをかくしている。

 

空の高いところで鳥が鳴いた。

 

でも、きみはどこにいる……。

 

弟のテオの視点で語られる、画家の人生が描かれた物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、兄と弟の深い結びつきです。

 

この絵本では、弟のテオの視点から、画家で兄のゴッホの生涯が描かれています。

 

そこには、常に兄と弟の深い結びつきがあります。

 

孤独な画家の兄を、弟は献身的に支えます。

 

テオは、ただ兄だから支えているだけではなく、兄を尊敬し愛しているからこそ、支えているのです。

 

兄は弟の愛情に支えられ、弟は兄に憧れを持ち、刺激を受けます。

 

ゴッホの人生は波瀾万丈で、いい時よりも、むしろ辛い時の方が多いかもしれません。

 

それでも、弟のテオは、兄を見放さず、兄が亡くなるまで、献身的に支え続けます。

 

なぜ、それほど支えられるのでしょうか。

 

それは、テオのこの言葉に表れていると思います。

 

にいさんは、ぼくのすべて、ぼくだけのにいさんだったのです!

 

テオにとって、ゴッホは自分自身のすべてだったのでしょう。

 

人生のすべてとも、言い換えられるかもしれません。

 

だからこそ、あれほどまでに、兄を支え続けたのです。

 

なんとも美しい兄弟の絆だと思います。

 

素晴らしい兄弟の絆が感じられる名作です。

 

印象的なことば

 

ぼくに未来はあるだろうか。あるさ、だって空には無数の星があって、ひとつがだめでも、どれかひとつくらいはぼくの星さ

 

ゴッホの言葉です。

 

ゴッホがついに、絵描きになるという目的を見つけたときの、言葉です。

 

ゴッホの未来に対する前向きな姿勢が、感じ取れます。

 

実際、ゴッホのその後の人生は、残念ながら安定したものではありませんでした。

 

しかし、このような言葉を、いくつも残したゴッホ

 

彼の絵や言葉は、時代や国を超えて、今でも愛されています。

 

感想

 

弟のテオから見た、兄のゴッホが描かれた絵本です。

 

タイトルのにいさんとは、ゴッホのことです。

 

私は、ゴッホが大好きなので、この絵本は以前から気になっていました。

 

ゴッホに関する絵本や本はたくさん出ていますが、この絵本はその中でも好きな作品です。

 

絵も繊細で素晴らしいし、文章も詩的で、強く胸に響きます。

 

ゴッホの生涯がメインに描かれていますが、人生の光と影が描かれた独自の絵本になっています。

 

大人にじっくり読んで欲しい作品ですが、子どもにこの絵本を読んでもらって、ゴッホの絵に興味を持ってもらえたら、私としても嬉しいです。

 

ゴッホのファンの方も、そうでない方にも、オススメの一冊です。

 

 

にいさん

にいさん

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村