エゾオオカミ物語
『エゾオオカミ物語』を読みました。
あらすじ
寒い冬の夜、月の光に誘われて、モモンガたちが集まってきます。
モモンガたちは、フクロウおじさんの話を聞きに来たのです。
フクロウおじさんは、オオカミの話を始めます……。
オオカミや自然について描かれた一冊です。
見どころ
今回の見どころは、人間と動物の共生です。
エゾオオカミは絶滅してしまいましたが、昔は自然やアイヌの人々と共に暮らしていました。
アイヌの人々とエゾオオカミは、お互いの息遣いを感じながら、生きていました。
もちろん、どちらもお互いを怖いと思っていたのですが、それ以上に尊敬し合っていたのです。
狭い山道でも、道を譲り合うことすらあったそうです。
しかし、馬を襲ったオオカミを、内地から来た人々が、次々に殺して、ついにオオカミは絶滅してしまいました。
なかなか共生するのは難しいことかもしれませんが、お互いを尊重する気持ちを忘れないようにしたいものです。
印象的なことば
でものお、
こんどはエゾシカが悪者になっておるが、
そうしたのは、ほんとうは”だれ”なんじゃろう?
フクロウおじさんの言葉です。
フクロウおじさんの言葉には、迫力があり、核心をついています。
感想
エゾオオカミたちが描かれた絵本です。
迫力のあるイラストに引き込まれて読んでみると、物語にも引き込まれていきました。
エゾオオカミや人間の歴史には、こんなことがあったのだと初めて知りました。
昔は、オオカミと人間は共生していたのに、オオカミが人間によって殺されて、絶滅してしまったのは悲しい事実です。
自然や動物を大切にしたくなる一冊です。