『この世でいちばんすばらしい馬』を読みました。
あらすじ
むかし、ハン・ガンという、絵を描くのが大好きな少年がいました。
しかし、家が貧しいため、絵筆も紙も買えませんでした。
ハン・ガンは、両親を助けるために、食堂で出前の仕事をしていました。
ある日、ハン・ガンが有名な画家のワン・ウェイの屋敷に、料理を届けに行くと……。
ハン・ガンと彼の描く馬の不思議な物語です。
見どころ
今回の見どころは、迫力のある馬の姿です。
ハン・ガンは、貧しいけれど、絵を描くのが上手い少年です。
ハン・ガンは、両親を助けるために、食堂で出前の仕事をしています。
ある日、ハン・ガンが有名な画家の屋敷に、料理を届けに行きます。
そこで、帰り際に立派な馬を見て、地面に馬の絵を描き始めます。
画家のワン・ウェイは、ハン・ガンの才能を見出し、ハン・ガンに絵の道具やお金を与えます。
そして、ハン・ガンは、めきめきと腕を上げ、その評判は皇帝の耳にまで届きます。
皇帝は、ハン・ガンに、宮廷の絵師になるための学校に入るように、と言います。
学校に入ると、ハン・ガンは、先生の言うことを聞かず、馬の絵ばかり描き続けます。
ハン・ガンの描く馬は、本物そっくりです。
そして、ハン・ガンの描く馬について、不思議な噂が流れます。
その噂は、馬が生きて絵から飛び出す、というものでした。
ある晩、ハン・ガンは武将のために馬を描き、その絵を火に燃やすと、その馬は本物になって飛び出します。
その後、戦いには勝ち抜いた武将と馬ですが、馬は犠牲になった人や動物に心を痛め、とうとう武将のもとから逃げ出します。
そして、馬はハン・ガンの絵の中に戻り、静かに暮らしました……。
この絵本では、絵の上手いハン・ガンと、彼の描くすばらしい馬が描かれています。
絵本に登場する、見事な馬は必見です。
今にも、息遣いが聞こえてきそうなほど、迫力があります。
この物語は、作者のチェンさんが作ったものですが、ハン・ガンは、中国に実在した画家だそうです。
また、この絵本の絵は、ハン・ガンが使ったのと同じ手法で、絹地に描いたものだそうです。
作者のこだわりが感じられる一冊です。
印象的なことば
馬をたいせつにしてください!
ハン・ガンが武将に向かって言った言葉です。
武将は馬を戦いのために酷使したため、馬は絵の中に戻ってしまいます。
感想
ハン・ガンという画家と、彼の描く馬のお話です。
チェン・ジャンホンの絵本を読むのは、これが2作目でした。
彼の絵本では、よく動物が登場します。
彼の絵本を読むと、動物は大事な存在なのだと改めて感じます。
絵本の中心に、動物を大切に思う気持ちがあるのだと思います。
今回の絵本の馬も、とても迫力があり、美しく描かれています。
こういったアジア出身の作家の作品も、色々読んでいきたいなと感じます。