『ともだちや』を読みました。
あらすじ
きつねが、「ともだちや」というのぼりを持ってやってきます。
そこで、さっそく声がかかります。
きつねが、揉み手をしながら、草やぶを覗き込むと……。
ともだちやのきつねが、本当の友達を作るまでのお話です。
見どころ
今回の見どころは、本当の友達です。
きつねは、1時間100円で友達になるという、ともだちやを始めます。
のぼりを持って歩いていると、きつねはくまに呼び止められます。
くまは、ひとりぼっちの食事はつまらないと感じていたので、友達を買います。
くまときつねは、一緒にいちごを食べますが、きつねはなんだか辛そうです。
それもそのはず、きつねはいちごなんて食べないのです。
その後もくまに付き合い、きつねはいちごでお腹の調子が悪い中、なんとか200円をいただきます。
きつねがのぼりを持って歩いていると、今度はオオカミがきつねを呼び止めます。
オオカミときつねは、一緒にトランプをします。
そして、きつねは申し訳なさそうに、オオカミにお代を請求しますが……。
オオカミは「お代」と聞いて、怒ります。
オオカミは、きつねのことを本当の友達だと思っていて、ともだちやではなく、きつね自身を呼んだのでした。
こうして、きつねとオオカミは一緒に過ごすようになります。
オオカミは、きつねに大事な宝物のミニカーをあげます。
それから、きつねはお金を取るのはやめて、寂しい思いをしている人のともだちになろうとします。
この絵本では、1番の寂しがり屋のきつねが、本当の友達を作るまでが描かれています。
最初に、きつねはビジネスとして、誰かの友達になろうとします。
しかし、オオカミに出会い、楽しく時を過ごし、本当の友達と認められたことで、その価値観が変わります。
本当の友達は、お金では買うことのできない、大切な存在なのです。
きつねはそのことをオオカミから教わり、それ以来ともだちやの商売はやめます。
本当の友達や友達と楽しく過ごす時間は、お金では買えないものなのです。
友達の大切さがわかる一冊です。
印象的なことば
お、おまえは、ともだちからかねをとるのか。
それがほんとうのともだちか
オオカミの言葉です。
オオカミは、きつねがお金を取ることを知って、怒ります。
しかし、それはオオカミがきつねのことを本当の友達だと思っていたからなのです。
友達はお金では買えない、お金には変えられないことがわかる言葉です。
感想
きつねが、本当の友達を見つけるまでの物語です。
この絵本を読んで、つくづく友達はお金では買えない、尊い存在だなと思いました。
これは絵本ですが、こういった「ともだちや」のようなビジネスは実際にもあるようなことを聞いたことがあります。
そのときに、割り切って利用するなら、ある程度需要はあるのだと思うし、悪いことではないと思うのですが。
やはり、本当の友達というのは、お金では買えないし、お金や利害関係を超えたものだと思います。
長年の信頼関係など、お金では買えないものです。
そんなことを改めて、この絵本を読んで考えさせられました。
大人にも読んでほしい一冊です。