くまのトーマスはおんなのこ
『くまのトーマスはおんなのこ』を読みました。

くまのトーマスはおんなのこ ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし
- 作者: ジェシカウォルトン,ドゥーガルマクファーソン,かわむらあさこ
- 出版社/メーカー: ポット出版プラス
- 発売日: 2016/12/07
- メディア: 単行本
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あらすじ
エロールとくまのトーマスは、友達です。
ふたりは、毎日一緒に遊ぶ友達です。
ある日、エロールが目を覚ますと、お日さまの光が差し込んでいます。
エロールは、トーマスを公園に誘います。
しかし、トーマスは出かける気になれず……。
見どころ
今回の見どころは、多様性を認めることです。
公園に行く車中、エロールはトーマスを励ましますが、トーマスの気分は晴れません。
公園に着いても、楽しそうではないトーマス。
エロールは、トーマスに「話してごらん」と言います。
トーマスは、ためらいます。
しかし、エロールは「いつだってきみの友達」だと励まします。
そして、トーマスはエロールに話し始めます。
それは、トーマスが心は男の子じゃなくて、女の子だということでした。
エロールはトーマスを抱きしめ、エロール自身は気にしないこと、大事なのはトーマスが自分の友達だ、ということを言います。
トーマスの呼び名は、ティリーに変わり、エロールは2人の友達を呼びます。
その友達は、エイバという女の子です。
エロールは、ティリーのことを改めてエイバに紹介し、エイバも理解し、一緒に遊びます。
この絵本では、多様性を認める大切さが描かれています。
主人公のくまさんのティリーは、見た目は男の子でしたが、心は女の子なのです。
しかし、そのことをエロールに話したら、もう友達じゃなくなってしまうかもしれないと、真実を話せないでいました。
しかし、エロールの友情によって、ティリーは心を開き、真実を打ち明けます。
エロールはティリーのことを理解し、受け入れます。
本書は、トランスジェンダーを主題にした絵本です。
この絵本を、多くの方に読んでもらって、多様性を認め、理解する世の中になってほしいなと心から思います。
子どもはもちろんのこと、大人にも是非読んでほしい一冊です。
印象的なことば
ぼくはきにしないよ。
きみがおんなのこでもおとこのこでも。
だいじなのはきみがぼくのともだちってことさ
エロールの言葉です。
ティリーの言葉を受けて、エロールはこう言います。
多様性を理解している、素晴らしい言葉だと思います。
皆んなが、こんな言葉が言える、素敵な社会だったら、どれだけ素晴らしいだろうと思います。
エロールのような人が増えることを願います。
感想
トランスジェンダーがテーマの絵本です。
サブタイトルが、「ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし」となっています。
まさにその通りで、ジェンダーと友情を題材に、やさしい物語になっています。
読み終えて、新しいタイプの絵本だと思いました。
こういった絵本が増えることで、多様性を理解する方が増えて、より良い社会になればいいなと願います。
最後のページには、中田せらさんの文章があります。
こちらも、是非読んでいただきたいです。
子どもから大人まで、幅広くお勧めしたい一冊です。

くまのトーマスはおんなのこ ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし
- 作者: ジェシカウォルトン,ドゥーガルマクファーソン,かわむらあさこ
- 出版社/メーカー: ポット出版プラス
- 発売日: 2016/12/07
- メディア: 単行本
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