ぼくのいぬがまいごです!
『ぼくのいぬがまいごです!』を読みました。

- 作者: エズラ・ジャックキーツ,パットシェール,Ezra Jack Keats,Pat Cherr,さくまゆみこ
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
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あらすじ
ホワニートは、プエルトリコからニューヨークへやってきたばかりで、言葉はわからないし、友達もいません。
おまけに可愛がっていた犬がいなくなってしまいました。
ホワニートは、犬を探しに出かけます。
そこに、次々と子どもたちが現れますが……。
大都会ニューヨークを舞台に、子どもたちのたくましく生きる姿が描かれています。
ポイント
今回のポイントは、大都会で迷子の犬を探しまわる子どもたちのたくましさです。
主人公のホワニートは、2日前にニューヨークへ引っ越してきたばかりの、プエルトリコ出身の男の子です。
ホワニートは、スペイン語しか話せないので、新しい友達ができるかどうか不安です。
さらに、飼っていた犬がいなくなり、ホワニートは不安が募ります。
言葉もわからず、友達もおらず、さらに飼い犬までもいなくなり、ホワニートはさぞかし心細いでしょう。
そんな中、ホワニートは犬を探しに街へ出かけます。
しかし、どこを探しても犬は見当たりません。
そんな時、ホワニートはスペイン語にも対応している銀行を見つけます。
銀行の窓口で、エルナンデスさんに「ぼくのいぬがまいごです」と紙に書いてもらいます。
ホワニートは知らない街にひとりぼっちで不安になりますが、書いてもらった紙を握りしめ、また犬を探し始めます。
その後、中国人街にやって来たホワニートは、リリーとキムに出会います。
ホワニートは、言葉はわからないながらも、書いてもらった紙と身振り手振りやスペイン語で、ふたりと意思の疎通をはかります。
努力の甲斐あって、意味が通じ、ふたりはホワニートに協力することになります。
そして、ホワニートは様々な人種の子どもたちと出会い、味方を増やしていきます。
しかし、犬は一向に見つかりません……。
するとその時、お巡りさんが通りかかり、ようやくホワニートと犬は再会を果たします。
子どもたちはふたりの再会に大喜びし、犬を連れてみんなで家に帰ります。
最初は、言葉もわからず、友達もいなかったホワニートですが、最後は立派に友達ができています。
言葉はわからなくても、友達をつくることは可能ということを、ホワニート自身が証明しています。
これは、言葉がわからなくて不安だったにもかかわらず、ホワニートが勇気を出して街へ飛び込んだ結果の出来事です。
ホワニートが怖がって家から出なかったら、犬は見つからなかったことでしょう。
このことから、勇気を出して外の世界へ飛び込めば、助けてくれる人が必ずいるということがわかります。
まずは自分を信じること、そして人を信じることが大切だということを、この絵本が教えてくれています。
人を信じる気持ちが、心の奥から湧いてくる絵本です。
印象的な言葉
だいじょうぶ。みんなで さがせば きっと みつかるさ
涙するホワニートに、ビリーがかけた言葉です。
ホワニートは、ビリーの言葉はわからないかもしれませんが、きっと気持ちは伝わったはずです。
ひとりではなく、みんながいるということが、ホワニートの救いになったことでしょう。
感想
絵本作家キーツが贈る赤と黒の二色が印象的な絵本です。
大都会でひとりぼっちの少年が、勇気を出したことによって、ペットの犬が見つかり、気がつけば友達までできていたというお話です。
勇気を出して人を信じることができれば、世界が変わるというメッセージをこの絵本から感じました。
無理やり流暢に外国語を喋ろうとするよりも、拙くてもコミュニケーションを取ろうとする勇気や努力が大事なのだと思います。
言葉を伝えようとすれば、言語は異なっても、案外通じるものです。
子どもたちに教わることが多い絵本です。

- 作者: エズラ・ジャックキーツ,パットシェール,Ezra Jack Keats,Pat Cherr,さくまゆみこ
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本
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