『くまのコールテンくん』を読みました。
あらすじ
くまのコールテンくんは、大きなデパートのおもちゃ売り場にいました。
お店は、いつもお客さんでいっぱいでしたが、コールテンくんを買おうとする人はいませんでした。
ところが、ある朝、ひとりの女の子がコールテンくんの前で立ち止まり……。
くまのコールテンくんと女の子の心の通い合いが描かれた作品です。
見どころ
今回の見どころは、ぬいぐるみと女の子の心の通じ合いです。
くまのコールテンくんは、デパートのおもちゃ売り場にいるぬいぐるみです。
コールテンくんは、誰かに買ってもらい、家に連れて行ってほしいと願っていました。
しかし、お店は繁盛していますが、コールテンくんを買おうとする人は、なかなか現れません。
そんな中、ひとりの女の子が、コールテンくんをほしいと言います。
しかし、女の子の母親は、今日はお金をすでに使ったことと、コールテンくんのつりひものボタンがひとつ取れていることを理由に、ダメだと言います。
コールテンくんは、ふたりを悲しそうに見送り、ボタンを探しに行くことに決めます。
夜になって、お店が閉店になると、コールテンくんのボタン探しが始まります。
コールテンくんは、エスカレーターに乗ったり、違うフロアの家具売り場で電気スタンドを倒したりしてしまいます。
結局、ボタンは見つからず、コールテンくんは警備員さんに、元の売り場に戻されます。
そして、次の朝、なんと昨日の女の子が、コールテンくんを買いにきます。
女の子は、コールテンくんを抱いて帰り、家に連れて行きます。
そして、自分の部屋に行き、コールテンくんの取れたボタンをつけます。
ふたりは、友達になります。
この絵本では、女の子とぬいぐるみの心が通い合う姿が描かれています。
くまのコールテンくんは、誰かが家に連れて帰ってくれることを願っていました。
また、女の子も、以前からコールテンくんのようなくまのぬいぐるみが欲しかったようです。
ふたりの心は通い合い、晴れてふたりは友達になります。
子どもの頃、何故だかわからないけど、妙に心惹かれるぬいぐるみに出会ったことがある方は、多いと思います。
そんな出会いは、貴重なものです。
そういったぬいぐるみとは、出会うべくして出会ったのだと思います。
この世に、ぬいぐるみは数多くあるけれど、本当に心に訴えかけてくるぬいぐるみは、数多くありません。
この絵本の女の子の場合は、それがコールテンくんだったのでしょう。
そんな風に心が通じ合ったぬいぐるみとは、友達として長い付き合いができるものです。
子どもの頃に、お気に入りだったぬいぐるみを思い出す、そんな一冊です。
印象的なことば
ぼく、ずっとまえから、ともだちがほしいなあって、おもってたんだ。
くまのコールテンくんの言葉です。
その言葉に、女の子も「あたしもよ!」と応じます。
心が通じ合った瞬間、そのぬいぐるみは、大切な友達になります。
感想
女の子とぬいぐるみが友達になるお話です。
表紙の、くまのコールテンくんのイラストが、とても可愛くて、思わず手に取りました。
コールテンくんには、時代を超えて愛される魅力があります。
コールテンくんという名前の響きや、素直な性格、加えて可愛らしい表情、すべてが魅力的です。
古くからある絵本ですが、今読んでもその可愛らしさや楽しさは古びません。
なんだか無性に惹かれてしまう、そんな一冊です。