おおきなテーブル
『おおきなテーブル』を読みました。
あらすじ
一人暮らしのうさぎのおばあさんが、かつては8人家族で囲んだ大きなテーブルにひとりで座っています。
おばあさんは、時間をさかのぼり、家族の思い出を辿っていきます。
そして、今まで見たことのなかったテーブルの裏に書かれた落書きを見ていたら……。
大きなテーブルをめぐる、うさぎの大家族の幸せな思い出が描かれた絵本です。
見どころ
今回の見どころは、うさぎの家族の幸せな思い出です。
この絵本では、うさぎのおばあさんが家族のことを思い出す形で、物語が進んでいきます。
おばあさんは、以前一緒にテーブルを囲んだ家族のことを次々に思い出します。
家族は、食事のときだけでなく、お茶を飲むときも、おしゃべりをするときも、いつもテーブルに集まりました。
しかし、おばあさんの息子や娘たちは、就職や結婚などで家を出ていきます。
子どもたちが家から出て行った後は、6匹の子どもが一堂に会することはありませんでした。
そんなことを思い出していると、ふとテーブルの裏の落書きのことを思い出します。
おばあさんは、実は一度もテーブルの裏の落書きを見たことがなかったのです。
おばあさんは、テーブルの下にもぐり込み、落書きのひとつひとつを辿ります。
そのうち、おばあさんの頭には、子どもたちの笑い声や泣き声が蘇ってきます。
そこに、末の息子が家に帰ってきます。
ふたりは、テーブルを囲んで世間話をします。
そこで、末の息子は来月のおばあさんの誕生日に、兄弟みんなで集まることを提案します。
末の息子が帰った後、おばあさんはみんなが集まることを想像し、微笑みます。
そして、みんなの好物を用意しようと思い、考えを巡らせます。
最後のページには、家族が集まった幸福な食卓が描かれています。
この絵本から、うさぎの家族の楽しい思い出が伝わってきます。
まるで、自分も家族の一員になったようです。
うさぎ一家のイラストも、見ているだけでほっこりします。
最初は、おばあさんがひとりぼっちで寂しそうでしたが、家族の楽しい記憶を思い出すと、おばあさんの顔に笑顔が戻ります。
楽しい思い出があるだけで、人は笑顔になれるものです。
そんな思い出があるというのは、幸せなことですね。
印象的なことば
いちどきに、みんなが ここへ……。ほんとに そうなると、うれしいがねえ
おばあさんの言葉です。
おばあさんの素直な心情が表れています。
おばあさんだけでなく、きっと家族みんなが、再び集まることを望んでいるのだと思います。
感想
うさぎの家族の幸せな思い出が描かれた1冊です。
おばあさんうさぎの気持ちが、よく描かれています。
一人暮らしの方は、おばあさんの気持ちがよくわかると思います。
なかなか頻繁に家族みんなが集まることは難しいと思いますが、時間を見つけて定期的に集まりたいものですね。
その際は、是非家族の好物をつくってあげてください。
きっと、絵本の最後のページのように、家族みんなが笑顔になるはずです。
家族のありがたみがわかる絵本です。