死ぬまでに読みたい絵本

子供と大人両方に読んでほしいけれど、特に大人が楽しめる、そんな絵本などを紹介するブログです。

桃子

『桃子』を読みました。

 

桃子

桃子

 

 

あらすじ

 

両親を交通事故で亡くした桃子は、引き取り手の伯母夫婦が海外から帰国するまでの間、山寺に預けられることになります。

 

桃子は、そこで青年僧の天隆と出会います。

 

無口で笑わない桃子が、天隆の前ではよく笑うようになります。

 

ふたりはいつしか惹かれ合うようになります。

 

しかし、ふたりの交流は、やがて思いがけない結末へと向かい……。

 

桃子と修行僧の天隆の恋物語が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、人を愛する気持ちです。

 

山寺に預けられた桃子は、そこで修行僧の天隆と出会います。

 

桃子と天隆は、次第に惹かれあいます。

 

そんなある日、天隆と桃子が和尚さんの部屋にふたりしてやってきます。

 

天隆は、山を降り、仕事を見つけて桃子と暮らしたいと言います。

 

しかし、桃子と天隆は、12歳も歳の差があります。それに、桃子は大事な預かりものです。

 

案の定、和尚さんは反対します。

 

その後、寺に再び穏やかな日々が訪れます。

 

天隆は受所係の修行僧に戻り、桃子もおとなしく過ごします。

 

そして、ついに桃子が伯母夫婦に引き取られ、山を降りる日がきます。

 

桃子がいざタクシーに乗ろうとした時に、驚くべき事態が起こります。

 

なんと、桃子はくちばしの赤い、きゃしゃな白い小鳥になり、飛び去ってしまいます。

 

そして、なんと一方の天隆の頭には、青い花が咲き、すくすくと成長します。

 

その半年後、白い小鳥が戻ってきて、天隆の頭の上に住み着きます。

 

物語の最後は、和尚さんの言葉で締めくくられます。

 

なんとも不思議なお話ですが、孤独なふたりが織りなす純愛が美しい絵本です。

 

この絵本から、人を愛する気持ちがひしひしと伝わってきます。

 

桃子と天隆のふたりは惹かれあいますが、お互いに好きになってはいけない相手です。

 

ふたりの恋が成就することは、極めて難しい状況です。

 

しかし、ふたりのお互いを想う気持ちは止められません。

 

最後は、ふたりは姿を変えて、一緒になります。

 

ふたりの強い想いが伝わる絵本です。

 

印象的な言葉

 

人を恋するということはえらいことですわなぁ。

 

最後に、和尚さんが言う言葉です。

 

本当にその通りだという言葉ですね。

 

感想

 

この絵本は、江國香織さんの「つめたいよるに」に収載された短編を絵本にしたものです。

 

子供向きというよりは、大人にじっくり味わって読んでほしい1冊です。

 

予想外の結末に驚きましたが、桃子と天隆の純愛は読後に深い余韻を残します。

 

ここまで、人を愛することは、人の一生でなかなかないのではないでしょうか。

 

それほどまでに、人を強く想う気持ちが描かれています。

 

それにしても、桃子の魅力はすごいものですね。

 

7歳にして、19歳の修行僧を虜にするその色気は、すさまじいものだったことでしょう。

 

その魅力は、和尚さんにまで「一種色っぽい感じがしたものです」と言わしめたほどです。

 

さぞかし美少女だったのでしょう。

 

桃子と天隆の禁断の愛が描かれた作品ですが、ふたりの想いはピュアなもので、ドロドロした様子はなく、むしろ読後さわやかな心地さえしました。

 

桃子と天隆の想いが、強く心を打つ絵本です。

 

 

桃子

桃子

 

 

白バラはどこに

『白バラはどこに』を読みました。

 

白バラはどこに (詩人が贈る絵本)

白バラはどこに (詩人が贈る絵本)

 

 

あらすじ

 

時代は、第二次世界大戦下のドイツ。

 

「白バラ」という名の少女が住む小さな町にも、戦争はやってきました。

 

ある日、逃げようとするひとりの少年を乗せて走り去るトラックを目撃した少女は、その後を追います。

 

少女は、町をはずれ、広い野に出て、見たこともない森へ出ます。

 

そして、森の中の切り開かれたところで少女が見たのは……。

 

第二次世界大戦下を生きる少女の冷酷な運命を描いた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、目を背けたくなるような現実です。

 

舞台は、第二次世界大戦下のドイツの小さな町です。

 

ある日、逃げようとするひとりの少年を乗せて走り去るトラックを少女が目撃します。

 

少女はその後を追いかけます。

 

そして、少女がたどり着いた先に見たものは、鉄条網を隔てた向こう側の大きな木造の建物と、その前に立つ痩せた子供たちでした。

 

それは、ユダヤ人の収容所でした。

 

その後、少女は誰にも知られないように、収容所へ食料を運びます。

 

ある朝、町中の人たちが、町から逃げ出します。

 

そんな中、少女は再び森の中へ入って行きます。

 

そこで、少女は兵士に撃たれてしまいます……。

 

少女のお母さんは、いつまでも少女が帰ってくるのを待っていましたが、少女は一向に帰ってきません。

 

そして、また春がやってきます。

 

ここで、この絵本は終わります。

 

この絵本で描かれているのは、冷酷な現実です。

 

初めて読んだときは、その衝撃的なストーリーに、思わず驚きました。

 

多くの絵本は、魔法や空想などのファンタジー的要素が含まれていて、読みやすいものが大半なのですが、この絵本はそういった絵本特有の甘さがありません。

 

そこにあるのは、目を背けたくなるような現実です。

 

しかし、この物語は悲惨なだけでは終わりません。

 

最後の方には、暗く寒かった冬が終わり、春が訪れます。

 

クロッカスが地面から芽を出し、川の水は土手からあふれ、木々には鳥たちがいっぱいやってきます。

 

ハッピーエンドではありませんが、そこには救いもちゃんとあるのです。

 

この絵本を読む際には、どうか目を背けずに直視して、戦争の恐ろしさや平和の素晴らしさを感じて欲しいと思います。

 

印象的な言葉

 

春がうたっていました。

 

絵本の最後の言葉です。

 

どんなに悲惨な状況でも、やがては春が訪れます。

 

感想

 

ホロコーストのことが描かれた絵本です。

 

ホロコーストとは、第二次世界大戦中のナチス・ドイツがユダヤ人に対して行った迫害・殺戮のことです。

 

戦争の落とす影が、詩的な文章と、美しく精巧な絵とともに描かれています。

 

悲惨な現実を伝える物語ですが、それだけではなく平和も謳っています。

 

現代の日本で暮らす私たちにとって、この絵本の舞台となった時代は馴染みのないものですが、この絵本のメッセージを読み取り、共感することはできます。

 

戦争のない現代の日本だからこそ、こういった絵本を読んで、平和の素晴らしさを改めて感じることが大事だと感じます。

 

現代を生きる私たちが、読むべき絵本のひとつだと言えるでしょう。

 

 

白バラはどこに (詩人が贈る絵本)

白バラはどこに (詩人が贈る絵本)

 

 

 

うるわしのセモリナ・セモリナス

『うるわしのセモリナ・セモリナス』を読みました。

 

うるわしのセモリナ・セモリナス―小麦粉うまれの王子さま

うるわしのセモリナ・セモリナス―小麦粉うまれの王子さま

 

 

あらすじ

 

むかしむかし、ギリシャの国に、アレティという王女がいました。

 

アレティ姫にプロポーズした男の人は数えきれないほどいましたが、どの人もどうしても好きになれません。

 

ある日、姫はいい考えを思いつきました。

 

それは、自分で恋人をつくるということでした。

 

姫は、ついに理想の男性を作り上げます。

 

ところが、このことを世界の果ての悪い女王が聞きつけて……。

 

ギリシャの伝統的な民話が、再話によって復活した絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、アレティ姫の行動力です。

 

姫に寄ってくる男性は星の数ほどいましたが、どの人も好きになれず、姫は自ら理想の男性セモリナ・セモリナスさまを作り上げます。

 

これだけでも相当な行動力ですが、この物語はここで終わりません。

 

その後、悪い女王がその噂を聞きつけて、セモリナ・セモリナスさまを船に閉じ込めて、連れ去ってしまいます。

 

そのことを知った姫は、頑丈な鉄の靴を3足作らせ、旅に出ます。

 

姫は、道の途中で出会う人々に、セモリナ・セモリナスさまの行方を聞いて回ります。

 

しかし、なかなか有力な情報を手に入れることができません。

 

その代わりに、姫は困ったときに使える木の実をもらいます。

 

その後、ようやくセモリナ・セモリナスさまのことを知っている星に出会い、セモリナスさまの行方がわかります。

 

そして、姫は困ったときに使える木の実に助けられ、セモリナ・セモリナスさまの機転も功を奏し、ふたりは船でギリシャに帰り、いつまでも幸せに暮らします。

 

自分で連れ去られた恋人を遠くの国まで助けに行き、見事助け出す姫のバイタリティーに脱帽です。

 

もし、姫が自分からは行動しないタイプの女性だったら、このハッピーエンドは迎えられません。

 

ここでの姫は、「自分の幸せは自分で掴み取る」というパワフルな女性として描かれています。

 

そんなアレティ姫の行動力には、学ぶところがたくさんあるように思います。

 

理想の男性を作り出すことはさすがに無理かもしれませんが、理想の男性を見つけ出すことはできるかもしれません。

 

もし、好みの男性がなかなか現れない場合は、待っているだけではなく、アレティ姫のように、考えるよりも行動してみるといいかもしれませんね。

 

印象的なことば

 

人を「すき」とおもう気もちが、そんなまほうをおこしたのでしょう。

 

アレティ姫とセモリナ・セモリナスさまの気もちが通じ合ったからこそ、セモリナスさまは目覚めました。

 

人をすきと思う気もちは、ときに偉大な力を発揮します。

 

感想

 

ジゼル・ポターのユーモラスなイラストを得て、ギリシャの伝統的な民話が再話によって復活し、出来上がった絵本です。

 

ギリシャの昔のお話ですが、思いがけず現代的な要素もあり、読みやすくなっています。

 

アレティ姫やセモリナ・セモリナスさまの人を強く愛する気もちが、描かれています。

 

姫の行動力には驚かされますが、これも人を好きという気もちがなせるわざですね。

 

それほどまでに、セモリナ・セモリナスさまのことが好きなのだということが伝わってきて、なんとも微笑ましくなります。

 

日本の昔話では、お姫様は基本待っていることが多く、自分からは動かない印象です。

 

そんな日本の昔話に親しんできたので、アレティ姫のような女性像は目から鱗でした。

 

アレティ姫からは、「欲しいものは自分から掴み取る」という強いバイタリティーを感じます。

 

そんなアレティ姫の行動力は、日本の女性や男性も、見習う価値があるものだと思います。

 

恋愛でもう1歩踏み出したい人にもオススメの絵本です。

 

 

うるわしのセモリナ・セモリナス―小麦粉うまれの王子さま

うるわしのセモリナ・セモリナス―小麦粉うまれの王子さま

 

 

リサ ひこうきにのる

『リサ ひこうきにのる』を読みました。

 

リサひこうきにのる

リサひこうきにのる

 

 

あらすじ

 

リサは、はじめてひとりでニューヨーク行きの飛行機に乗ります。

 

快適な機内で楽しく過ごすリサ。

 

しかし、ひょんなことから、びしょびしょのべとべとになってしまいます……。

 

ひとりで飛行機に乗ったリサの冒険が描かれた絵本です。

 

ポイント

 

今回の見どころは、リサが体験する飛行機での楽しい出来事です。

 

リサは、今回初めてひとりで飛行機に乗ります。

 

そのため、最初はドキドキしていますが、段々とリラックスしてきます。

 

最初に隣に座っていた女性が席を移動したので、リサはひとりでふたり分の席を使い、寝転びます。

 

また、おいしそうな機内食を夢中で食べます。

 

さらに、スクリーンで映画を見ようとしますが、体が小さいため、スクリーンが見えません。

 

そこで、リサがとった行動はというと……なんと、前の席のシートによじ登ります!

 

最初は、いいアイディアを思いついて悦に入っていたリサですが、段々と危ないことがわかり、焦りだします。

 

その時、リサはシートから滑り落ち、オレンジジュースをこぼしてしまいます!

 

リサは、オレンジジュースでびしょびしょになってしまいます。

 

しかし、CAのお姉さんがすぐに来てくれて、リサはお湯で洗ってもらいます。

 

さらに、飛行機のコックピットにまで連れて行ってもらいます。

 

すっかりいい思いをしたリサが席に戻ると、窓からニューヨークの摩天楼が見えてきます。

 

そして、リサは空港に着き、おじさんに迎え入れられます。

 

この絵本を読んでいると、飛行機に乗る楽しさが伝わってきます。

 

印象的な言葉

 

でも ニューヨークは もっともっと ずーっと たのしいと おもうわ!

 

リサの言葉です。

 

飛行機でたくさんの楽しい体験をしたリサですが、これから行くニューヨークはもっとずっと楽しいところだという期待が込められた言葉です。

 

旅へのワクワクする気持ちが伝わってきます。

 

感想

 

フランス発の人気絵本「リサとガスパール」のシリーズです。

 

犬でもウサギでもない架空の生き物、リサとガスパールが人間の社会で暮らす生活模様が描かれた作品です。

 

この絵本では、リサが初めてひとりで飛行機に乗る姿が描かれています。

 

本書が出版された約1年後の2001年9月11に、アメリカ同時多発テロ事件が起こりました。

 

この事件によって、たくさんの人の命が奪われてしまいました。

 

この事件をきっかけに、飛行機は怖いものだと思うようになってしまった人も多いと思います。

 

しかし、本来飛行機は怖いものではなく、飛行機に乗っている時間も含め、目的地に向かうまでの楽しい旅なはずです。

 

この絵本は、そんな飛行機に乗ることの楽しさを思い出させてくれる絵本です。

 

リサのように、目的地に向かうまでの時間も、楽しく過ごせたらいいですね。

 

 

リサひこうきにのる

リサひこうきにのる

 

 

 

ぼくのいぬがまいごです!

『ぼくのいぬがまいごです!』を読みました。

 

ぼくのいぬがまいごです!

ぼくのいぬがまいごです!

 

 

あらすじ

 

ホワニートは、プエルトリコからニューヨークへやってきたばかりで、言葉はわからないし、友達もいません。

 

おまけに可愛がっていた犬がいなくなってしまいました。

 

ホワニートは、犬を探しに出かけます。

 

そこに、次々と子どもたちが現れますが……。

 

大都会ニューヨークを舞台に、子どもたちのたくましく生きる姿が描かれています。

 

ポイント

 

今回のポイントは、大都会で迷子の犬を探しまわる子どもたちのたくましさです。

 

主人公のホワニートは、2日前にニューヨークへ引っ越してきたばかりの、プエルトリコ出身の男の子です。

 

ホワニートは、スペイン語しか話せないので、新しい友達ができるかどうか不安です。

 

さらに、飼っていた犬がいなくなり、ホワニートは不安が募ります。

 

言葉もわからず、友達もおらず、さらに飼い犬までもいなくなり、ホワニートはさぞかし心細いでしょう。

 

そんな中、ホワニートは犬を探しに街へ出かけます。

 

しかし、どこを探しても犬は見当たりません。

 

そんな時、ホワニートスペイン語にも対応している銀行を見つけます。

 

銀行の窓口で、エルナンデスさんに「ぼくのいぬがまいごです」と紙に書いてもらいます。

 

ホワニートは知らない街にひとりぼっちで不安になりますが、書いてもらった紙を握りしめ、また犬を探し始めます。

 

その後、中国人街にやって来たホワニートは、リリーとキムに出会います。

 

ホワニートは、言葉はわからないながらも、書いてもらった紙と身振り手振りやスペイン語で、ふたりと意思の疎通をはかります。

 

努力の甲斐あって、意味が通じ、ふたりはホワニートに協力することになります。

 

そして、ホワニートは様々な人種の子どもたちと出会い、味方を増やしていきます。

 

しかし、犬は一向に見つかりません……。

 

するとその時、お巡りさんが通りかかり、ようやくホワニートと犬は再会を果たします。

 

子どもたちはふたりの再会に大喜びし、犬を連れてみんなで家に帰ります。

 

最初は、言葉もわからず、友達もいなかったホワニートですが、最後は立派に友達ができています。

 

言葉はわからなくても、友達をつくることは可能ということを、ホワニート自身が証明しています。

 

これは、言葉がわからなくて不安だったにもかかわらず、ホワニートが勇気を出して街へ飛び込んだ結果の出来事です。

 

ホワニートが怖がって家から出なかったら、犬は見つからなかったことでしょう。

 

このことから、勇気を出して外の世界へ飛び込めば、助けてくれる人が必ずいるということがわかります。

 

まずは自分を信じること、そして人を信じることが大切だということを、この絵本が教えてくれています。

 

人を信じる気持ちが、心の奥から湧いてくる絵本です。

 

印象的な言葉

 

だいじょうぶ。みんなで さがせば きっと みつかるさ

 

涙するホワニートに、ビリーがかけた言葉です。

 

ホワニートは、ビリーの言葉はわからないかもしれませんが、きっと気持ちは伝わったはずです。

 

ひとりではなく、みんながいるということが、ホワニートの救いになったことでしょう。

 

感想

 

絵本作家キーツが贈る赤と黒の二色が印象的な絵本です。

 

大都会でひとりぼっちの少年が、勇気を出したことによって、ペットの犬が見つかり、気がつけば友達までできていたというお話です。

 

勇気を出して人を信じることができれば、世界が変わるというメッセージをこの絵本から感じました。

 

無理やり流暢に外国語を喋ろうとするよりも、拙くてもコミュニケーションを取ろうとする勇気や努力が大事なのだと思います。

 

言葉を伝えようとすれば、言語は異なっても、案外通じるものです。

 

子どもたちに教わることが多い絵本です。

 

 

ぼくのいぬがまいごです!

ぼくのいぬがまいごです!

 

 

私、ジョージア

『私、ジョージア』を読みました。

 

私、ジョージア (詩人が贈る絵本 II)

私、ジョージア (詩人が贈る絵本 II)

 

 

あらすじ

 

ジョージア・オキーフは、1887年にウィスコンシン州の農場に生まれます。

 

ジョージアは、12歳のときにはすでに芸術家になるのだと心に決めます。

 

その後、ジョージアは美術学校に入り、絵を描き続けます。

 

そして、美術学校を出たジョージアは、自分の描きたい絵を描くために、広い世界へ踏み出します……。

 

画家のジョージア・オキーフの生涯が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、ジョージア・オキーフのやりたいことをやり抜く芯の強さです。

 

ジョージアは、12歳の頃には自分は芸術家になるのだと心に決めます。

 

彼女は、自分が何をしたいのか知っているので、ひとりぼっちで遊ぶことも平気です。

 

そんな彼女は、毎週土曜日に絵の先生に模写を教わり、家では窓の外の風景を絵に描きます。

 

その後、彼女は美術学校に入り、絵を描き続けます。

 

そして、美術学校を出た彼女は、自分の描きたい絵を描くために、テキサスの大平原へ向かいます。

 

そこで見た風景を、彼女は毎日描き続けます。

 

そうして描いた絵を携え、彼女はニューヨークへ向かいます。

 

そして、彼女は都会にある庭を題材にして、花を描きます。

 

その後、彼女は空に導かれ、ニューメキシコの砂漠へ向かいます。

 

そこで、彼女は自然を描き続け、生涯をずっと砂漠で過ごします。

 

ジョージアは、98歳まで生きました。

 

その間、彼女はずっと絵を描き続けました。

 

12歳のときに芸術家になると決めてから、彼女はずっと描き続けたのです。

 

これは、他の人ではなかなか続けられることではありません。

 

ジョージアだからこそ、成し遂げられた偉業です。

 

誰もが自分のやりたいことを仕事にして、それをずっと続けたいと願います。

 

しかし、それを実現するのは簡単なことではありません。

 

夢を実現するためには、「自分のやりたいことをやり遂げるんだ」という強い意志と行動力が必要です。

 

ジョージアは、孤独に耐え、自分の好きなことを継続してきたからこそ、強い意志と行動力も兼ね揃えるようになったのだと思います。

 

彼女の芯の強さに、心が揺さぶられる1冊となっています。

 

印象的なことば

 

わたしがしたことは、人のしないことだった

 

ジョージア・オキーフの言葉です。

 

みんながやっていることをしても、それは真似にすぎません。

 

人がしないことをしたからこそ、彼女は独自の絵画を描くことができたのでしょう。

 

感想

 

ジョージア・オキーフの人生が描かれた絵本です。

 

幼少期から生涯を閉じるまでの彼女の全てを知ることができる、とても興味深い1冊です。

 

彼女の絵画を見たことがない人でも、彼女がどういった絵を描いてきたのかがよくわかります。

 

彼女の生涯を通じて徹底した、やりたいことをやり抜く芯の強さに感動します。

 

一体これほどの意志の強さは、どこからくるのでしょうか。

 

それほどまでに、彼女の意志の強さや夢を実現する力は、素晴らしいものです。

 

彼女の絵だけでなく、人間性に触れることができる、貴重な絵本です。

 

 

私、ジョージア (詩人が贈る絵本 II)

私、ジョージア (詩人が贈る絵本 II)

 

 

くれよんのくろくん

『くれよんのくろくん』を読みました。

 

くれよんのくろくん (絵本・こどものひろば)

くれよんのくろくん (絵本・こどものひろば)

 

 

あらすじ

 

ある日、新品クレヨンのきいろくんが「ずっと新品のままなんていやだ」と言い出し、クレヨン箱を飛び出します。

 

そして、きいろくんは真っ白な画用紙を見つけ、画用紙に蝶々を描きます。

 

きいろくんは大喜びし、他の色のクレヨンも呼び、みんなで画用紙に絵を描きます。

 

そんな中、そこにくろくんがやってきますが、みんなはくろくんを仲間に入れてくれません。

 

くろくんが落ち込んでいると、そこにシャープペンのお兄さんがやってきて……。

 

クレヨンたちが、お互いの個性を認め合うことの大切さを教えてくれる絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、クレヨンたちがお互いの個性を尊重し合う姿です。

 

クレヨンたちは、大喜びで画用紙に絵を描きます。

 

しかし、くろんくんがその中に入ろうとすると、それを拒否します。

 

落ち込むくろくんのもとに、シャープペンのお兄さんがやってきて、くろくんをなぐさめます。

 

一方の、クレヨンたちは、書くことに夢中になりすぎて、絵がめちゃくちゃになってしまいます。

 

そこで、シャープペンのお兄さんが、くろくんに何かを伝えます。

 

そして、くろくんはみんなの絵を真っ黒に塗ります。

 

みんなは、くろくんを攻めます。

 

そこで、シャープペンのお兄さんが、体をすべらせ、くろくんが描いた黒を削っていくと……。

 

なんと、あっという間に大きな花火が出来上がります。

 

クレヨンたちは、シャープペンのお兄さんにお礼を言います。

 

しかし、シャープペンのお兄さんは、「お礼ならくろくんに言ってくれよ」と言います。

 

みんなは、くろくんを囲んで、お礼を言います。

 

長所がないと思っていたくろくんも、シャープペンのお兄さんの計らいで、短所を長所に変え、個性を最大限に発揮します。

 

そして、みんなの個性が重なり合って、素敵な花火ができあがります。

 

みんなのいいところを、くろくんが引き出したのです。

 

くろくんが個性を発揮できたのは、シャープペンのお兄さんが、くろくんの個性を見つけてくれたからです。

 

クレヨンのように、人の個性もまた十人十色です。

 

短所を指摘し合うのではなく、その人のいいところを見つけて、個性を尊重することが大切です。

 

印象的なことば

 

くろって、すごいね

 

クレヨンの仲間が、くろくんに言った言葉です。

 

簡潔ながらも、くろくんの個性を認め、くろくんに対するお礼にもなっている言葉です。

 

普段は目立たない色の黒ですが、本当はみんなを引き立てることのできるすごい色なのです。

 

感想

 

個性を認め合うことの大切さが描かれた1冊です。

 

クレヨンのお話ですが、これはそのまま人間社会に当てはめることのできる作品です。

 

普段は目立たない人でも、その人なりの長所は探せば必ずあるはずです。

 

みんなが個性を尊重し合うことで、チームはひとつになり、成果を出すことができるでしょう。

 

わかりやすいストーリーで、若い読者にも理解しやすい内容になっています。

 

この絵本を多くの人が読んで、いじめや仲間はずれが少なくなることを切に願います。

 

 

くれよんのくろくん (絵本・こどものひろば)

くれよんのくろくん (絵本・こどものひろば)