『バスラの図書館員』を読みました。
あらすじ
アリアさんは、イラクの港町にあるバスラの図書館員です。
アリアさんの図書館には、本を愛する人たちが集まってきます。
そこでは、みんながこの世界の問題を話し合います。
しかし、最近では、みんなは戦争のことばかり話します。
アリアさんは、図書館の本を、安全な場所に移してほしいと当局に求めますが……。
バスラの図書館で実際に起きた出来事が描かれた絵本です。
見どころ
今回の見どころは、アリアさんの本への情熱です。
アリアさんは、イラクの港町、バスラの図書館員です。
アリアさんの図書館には、本を愛する人たちが集まってきます。
図書館では、みんなで世界の問題などを話し合います。
最近では、みんなが話すのは、戦争のことばかりです。
アリアさんは、戦火が本を滅ぼしてしまうことを恐れています。
そこで、図書館の本を安全な場所に移してほしいと、アリアさんは当局に求めます。
しかし、「それはできない」と言われてしまいます。
そこで、アリアさんは、ある行動を起こします。
なんと、毎晩図書館が閉まったあと、図書館の本を、自分の車に運び入れたのです。
そして、ついに戦争がバスラの町を襲います。
みんな図書館を見捨てて、逃げ出します。
本を守るために図書館に残ったのは、アリアさんだけです。
アリアさんは、図書館の塀から、友達のアニスさんに手伝いを求めます。
アニスさんは、図書館の隣でレストランをやっています。
アリアさんは、アニスさんとみんなで、図書館の本を、徹夜でレストランに隠します。
その後、戦争はますます広がりますが、本は無事です。
9日後、図書館は燃え落ちます。
やっと、戦争がおさまった頃、アリアさんはトラックを借り、3万冊の本を全て自分の家と、何人かの友達の家に運びます。
アリアさんは、戦争が終わり、平和なときがくると信じています。
そのときがくるまで、アリアさんは図書館の本を守ります。
この絵本では、実際にバスラの図書館で起こったことが描かれています。
バスラの図書館員のアリアさんは、戦争から本を守るために、行動を起こします。
アリアさんは、自分や友達の家に、3万冊の本を運んだのです。
そんなに多くの本を守れたのは、アリアさんの強い本への情熱があるからこそだと思います。
アリアさんは、責任感が強く、本当に本を愛しているのです。
この絵本には、そんなアリアさんの本への情熱が詰まっています。
戦争の中でも、希望を捨てない図書館員の姿に心打たれます。
印象的なことば
本をまもりたいの。手伝ってくれない?
アリアさんの言葉です。
アリアさんが、友達のアニスさんに助けを求めるときに、こう言います。
アリアさんの本を守りたいという強い気持ちが伝わってきます。
感想
イラクの図書館での実話が描かれた絵本です。
図書館員のアリアさんの力強い行動や本への情熱が、感動的に描かれています。
私は、この実話を、この絵本で初めて知りました。
アリアさんの勇敢な行動に、胸を打たれました。
彼女は、図書館員の鏡だと思います。
本当に本を大切にしているのが、伝わってきます。
もう10年位前の絵本ですが、その感動は薄れません。
時代を超えて読み継がれてほしい一冊です。