死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

かあさんをまつふゆ

『かあさんをまつふゆ』を読みました。

 

かあさんをまつふゆ

かあさんをまつふゆ

  • 作者: ジャクリーンウッドソン,E.B.ルイス,Jacqueline Woodson,E.B. Lewis,さくまゆみこ
  • 出版社/メーカー: 光村教育図書
  • 発売日: 2009/12
  • メディア: ハードカバー
  • クリック: 5回
  • この商品を含むブログ (2件) を見る
 

 

あらすじ

 

母さんは、よそゆきの服をかばんに入れています。

 

そして、母さんは、シカゴに行くことを、娘に告げます。

 

母さんが、娘を抱きしめます。

 

それから、娘はおばあちゃんと一緒に、母さんの帰りを待ちます……。

 

お母さんの帰りを待つ、娘の冬の日々が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、大切な人を待つ時間です。

 

この絵本では、主人公の少女エイダが、戦時下で出稼ぎに行った母を、おばあちゃんと一緒に待つ姿が描かれています。

 

お母さんを待つ時間は長く心細いものですが、おばあちゃんやのら猫のお陰で、気持ちが少しは明るくなります。

 

そんなエイダの日常が、冬の光景とともに、静かに描かれています。

 

どことなく、心細さや寂しさが絵本の中にありますが、最後の方でお母さんからの手紙とお金が届くと、嬉しさや幸福感が絵本から溢れ出します。

 

大切な人を待つ時間は、長くて寂しいものですが、そんな時間にも意味があるのだということが伝わってきます。

 

絵画のような絵で表現された、冬の暮らしの光景と、お母さんを待つ健気な少女の姿が印象的な絵本です。

 

印象的なことば

 

せかいはひろくて大きいんだよ

 

おばあちゃんの言葉です。

 

孫に、世界はここだけじゃなくて、もっと広くて大きいのだということを伝えたかったのでしょう。

 

その言葉を受けて、少女は「いつか広い世界を見に行こう」と思います。

 

視野が広がる言葉です。

 

感想

 

お母さんの帰りをまつ、娘の物語です。

 

最後は、幸せな終わり方でよかったです。

 

冬の景色がきれいで、静かにゆっくりと時間が流れていくのを感じることができる絵本です。

 

戦時下で、食料があまりないとは思うのですが、この絵本に登場するココアやパン、シチューなどの食料が、どれもとても美味しそうに感じます。

 

お母さんの帰りを待つという辛い日々の中でも、健気に生きる少女や景色が美しくて、絵本の世界に引き込まれてしまいます。

 

今までにあまり読んだことのないタイプの絵本で、新鮮に感じました。

 

なんだか、映画を見ているような感じがします。

 

子どもだけでなく、大人にも読んで欲しい一冊です。

 

 

かあさんをまつふゆ

かあさんをまつふゆ

  • 作者: ジャクリーンウッドソン,E.B.ルイス,Jacqueline Woodson,E.B. Lewis,さくまゆみこ
  • 出版社/メーカー: 光村教育図書
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しごとば

『しごとば』を読みました。

 

しごとば

しごとば

 

 

内容

 

美容師や新幹線運転士、すし職人など、様々な職業の仕事場が、イラストとともに紹介されています。

 

また、各職業の道具や仕事の流れなども、わかりやすく説明されています。

 

将来の夢がある子も、まだ決まっていない子も、楽しめる絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、様々な仕事の世界です。

 

この絵本では、色々な職業の世界が描かれています。

 

美容師だとしたら、美容室の中が、色々な道具とともに描かれています。

 

絵本に登場する職業は、割とよく知られている職業ですが、それぞれの仕事場や仕事道具、仕事の流れなどは、なかなか見る機会がありません。

 

この絵本では、じっくりと色々な仕事場を見ることができます。

 

子どもが見れば、将来の夢が膨らんだり、選択肢が増えることでしょう。

 

また、大人が読んでも、自分とは違う職業の世界を垣間見ることができて、とても面白いと思います。

 

子どもと大人、両方が楽しめる一冊です。

 

感想

 

色々な仕事場が描かれた絵本です。

 

このブログで、物語以外の絵本を紹介するのは、これが初めてです。

 

しかし、この絵本は、物語の絵本に匹敵するくらい、面白いです。

 

色々な仕事場を見ることができますし、そこには知っているようで知らない世界が広がっています。

 

美容室や歯科医院で、よく目にする道具が、実はこういう名前だったんだと気づいたり、今回多くの気づきがありました。

 

この絵本に登場する職業は、専門職と言われるような職業が多く、どれも興味深く感じました。

 

どれも大変そうだけど、その分やりがいがあるのだと思います。

 

子どもと大人で一緒に読みたい絵本です。

 

 

しごとば

しごとば

 

 

 

 

 

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ひみつのカレーライス

『ひみつのカレーライス』を読みました。

 

ひみつのカレーライス

ひみつのカレーライス

 

 

あらすじ

 

フミオの家族は、カレーライスが大好きです。

 

今日もみんなでおいしく食べています。

 

そのとき、フミオの口の中から、小さな黒い粒がでてきて……。

 

カレーのたねをめぐる、不思議な物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、カレーライスへの愛情です。

 

フミオの家族は、カレーライスが大好きです。

 

ある日、みんなでカレーライスを食べていると、フミオの口からカレーのたねがでてきます。

 

それから、お父さんは庭にカレーのたねをうめて、家族みんなでカレーの木を育てます。

 

やがて、カレーの木は、おさらのはっぱや福神漬けの花が実ります。

 

そして、家族みんなで一生懸命世話をしたおかげで、ついにカレーの実とライスの実ができます。

 

フミオの家族は、実を収穫し、カレーを食べることにします。

 

そこに、街じゅうの人が飛び込んできて、みんなでカレーライスを食べることになります。

 

この絵本では、カレーライスが大好きな家族が、カレーの木を育てる様子が描かれています。

 

そこには、カレーに対する愛情が詰まっています。

 

カレーの木の世話をする、家族のみんながとても楽しそうです。

 

また、カレーの木は発想が面白く、登場するカレーもおいしそうで、作者の方もカレー好きなのではないかと思います。

 

カレーライスに対する愛情が詰まった一冊です。

 

印象的なことば

 

うむむむ、よろしい!

きょうだけ、うちはカレー屋さんです!

 

 

お父さんの言葉です。

 

街の人々が、カレーライスを食べさせてほしいと、やってきたときに、お父さんはこう言います。

 

もしかしたら、本当は家族だけで楽しみたかったのかもしれません。

 

しかし、お父さんは優しい心の持ち主で、みんなにカレーを分けてあげます。

 

感想

 

カレーが大好きな家族が繰り広げる、カレーの木のお話です。

 

表紙に、画面いっぱいにカレーが描かれていて、とてもおいしそうなので、思わず手に取りました。

 

この絵本に登場するカレーは、日本の家庭の正統派なカレーライスで、本当においしそうです。

 

カレーの木は、とてもユニークで、面白いなと感じました。

 

こんな木があったら、いいのにと思います。

 

また、家族の仲の良さも伝わってきて、心が温まります。

 

カレー好きにはたまらない絵本です。

 

 

ひみつのカレーライス

ひみつのカレーライス

 

 

 

 

 

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その手に1本の苗木を

『その手に1本の苗木を』を読みました。

 

その手に1本の苗木を―マータイさんのものがたり (児童図書館・絵本の部屋)

その手に1本の苗木を―マータイさんのものがたり (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

あらすじ

 

女の子の名前は、ワンガリ・マータイ

 

生まれ育ったのは、ケニアの小高い山々が連なる農村でした。

 

大地は緑で覆われ、川には澄みきった水とたくさんの魚が泳いでいました。

 

マータイさんは、20歳になると、アメリカの大学に留学します。

 

そして、5年後に帰国すると……。

 

ノーベル平和賞を受賞したマータイさんの伝記作品です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、マータイさんの情熱と行動力です。

 

マータイさんは、自然が豊かなケニアの農村で生まれ育ちます。

 

その後、20歳のときに、アメリカの大学に留学します。

 

マータイさんは、生物学を研究し、学んだことを故郷のために役立てたいと思っていました。

 

しかし、5年後に帰国すると、ケニアの風景は大きく変わっていました。

 

自然は少なくなり、人々も体が弱くなっていました。

 

マータイさんは、不満を訴える女性たちに、熱心に呼びかけました。

 

彼女は、簡単にできて、大きな意味のあるアイディアを考えていました。

 

それは、木を植えることでした。

 

彼女は、みんなに木の育て方を教えます。

 

女性たちは、誇りを持って木を植える作業に取り組みました。

 

次第に、その成果が現れはじめ、森は再び広がります。

 

一緒に働くことによって、人々の心もひとつになりました。

 

そして、マータイさんは、学校や刑務所の囚人、軍隊の兵士にまで、苗木を贈りました。

 

マータイさんが木を植える運動を始めてから、30年が経ちました。

 

植樹運動は、今も続いています。

 

この絵本では、情熱を持った環境保護運動家のマータイさんが、環境や人々を変えていく姿が描かれています。

 

マータイさんは、植樹運動を広めましたが、それは簡単なことではありません。

 

彼女の故郷のために環境を良くしたいという情熱や人並み外れた行動力は、やはり凄いことだと思います。

 

ここまではできなくても、マータイさんの情熱と行動力を見習って、自分にできることを考えたくなる一冊です。

 

印象的なことば

 

みなさん、どうして木を植えないの?

 

マータイさんの言葉です。

 

シンプルながらも、胸に響く言葉ですね。

 

できることをやろうというマータイさんの情熱を感じます。

 

感想

 

ワンガリ・マータイさんの伝記作品です。

 

「モッタイナイ」という日本語を、世界に広めたマータイさんのことは、以前からテレビのニュースを見て、知っていました。

 

そんな彼女の絵本があることを知り、興味を持ったので、今回この絵本を選びました。

 

マータイさんの活動がわかりやすく描かれていて、とても勉強になりました。

 

改めて、彼女の情熱や行動力に脱帽です。

 

あとがきに、柳田邦男さんがマータイさんのことを、「信念と忍耐と勇気の人」と表現されていましたが、本当にその通りだと思います。

 

この絵本が出版されてから、約10年が経ちますが、これからも読み継がれてほしい絵本です。

 

特に、子どもや若い読者に読んでほしい一冊です。

 

 

その手に1本の苗木を―マータイさんのものがたり (児童図書館・絵本の部屋)

その手に1本の苗木を―マータイさんのものがたり (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

 

 

 

 

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【映画公開中】ピーターラビットの絵本の世界

今回は、現在映画も公開されている、「ピーターラビット」の世界を、絵本をメインにご紹介したいと思います。

 

 

 

ピーターラビットやその絵本シリーズは、有名なので、ほとんどの方がご存知だと思います。

 

念のため、ピーターラビットは、ビアトリクス・ポターが生み出した、絵本のキャラクターです。

 

ピーターラビットの絵本を、子どもの頃読んだことがある方は、たくさんいると思います。

 

私も、子どもの頃にピーターラビットの絵本を読んだ記憶があります。

 

可愛らしい動物や美しい自然のイラスト、さらに楽しいストーリーは、読者の心をつかんで離しません。

 

ピーターラビットは子どもから大人まで愛されていて、関連書籍や商品などもたくさん出ています。

 

そこで、今回は、子どもから大人まで楽しめる3冊をご紹介したいと思います。

 

ピーターラビットの絵本3冊

 

 

ピーターラビットのおはなし

 

 

ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)

ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)

 

 

 

ピーターラビットの絵本の第1集に収められている、おはなしです。

 

ピーターラビットを初めて読む方には、まずおすすめしたいのがこちらです。

 

いたずら好きのピーターが、マクレガーさんの畑で逃げ回る様子が描かれたおはなしです。

 

ピーターラビットの性格や日常が、よくわかる一冊です。

 

サイズはかなりコンパクトで、持ち運びにも便利です。

 

イラストがとても可愛くて、心が温まります。

 

 

こねこのトムのおはなし

 

こねこのトムのおはなし (ピーターラビットの絵本 4)

こねこのトムのおはなし (ピーターラビットの絵本 4)

 

 

 

 

猫好きな方は必見の、「こねこのトムのおはなし」です。

 

ピーターラビットの絵本の第2集の4巻目にあたるおはなしです。

 

このおはなしには、ピーターは出てきませんが、かわいいこねこのトムや妹たちが出てくるので、見ていて飽きません。

 

お母さんねこのタビタさんが、お茶の会を開く準備をしているのですが、やんちゃなこねこたちがいたずらをしたり、ふざけたりするおはなしです。

 

こねこたちが可愛すぎて、ずっと眺めていたくなります。

 

ポターがこの本を書き始めたのが、湖水地方のソーリー村にある、ヒルトップ農場を購入してから1年経った頃だそうです。

 

この本では、そんなヒルトップ農場の家と庭が、そっくりそのまま描かれているそうです。

 

 

ピーターラビットクリスマスのおはなし

 

 

 

 

こちらは、ポターの絵本ではなく、エマ・トンプソンの物語と、エレノア・テイラーのイラストが織りなす、新しいピーターラビットの絵本です。

 

ピーターラビットといとこのベンジャミン・バニーが登場する、クリスマスのおはなしになっています。

 

ピーターラビットの絵本でおなじみの、マクレガーさんも出てきます。

 

イラストも可愛くて、ストーリーも面白いので、新たなピーターラビットの絵本として、十分に楽しめます。

 

クリスマスシーズンに読みたい一冊です。

 

 

ピーターラビットの映画

 

現在公開中の映画『ピーターラビット』ですが、アニメではなく実写版で、ピーターが歌ったり踊ったりもするようです。

 

とても面白そうで、今から観るのが楽しみです。

 

映画のオフィシャルサイトはこちらです。

 

www.peterrabbit-movie.jp

 

 

 

ピーターラビットに関する映画は、過去にもありました。

 

ミス・ポター』という映画で、ビアトリクス・ポターの伝記映画になっています。

 

 

ミス・ポター [DVD]

ミス・ポター [DVD]

 

 

 

私はまだ見ていないのですが、評価の高い映画だそうです。

 

 

ピーターラビットのカフェ

 

最後に、ピーターラビットのカフェが都内にあるそうなので、ご紹介します。

 

ピーターラビットガーデンカフェ」といって、自由が丘に本店があります。

 

www.peterrabbit-japan.com

 

オリジナルメニューも美味しそうで、英国好きの私としては是非行ってみたいお店です。

 

映画を観る前や観た後は、是非こちらでお食事を楽しんではいかがでしょうか。

 

 

子どもから大人まで楽しめるピーターラビットの世界。

 

絵本や映画、またはカフェで、是非楽しんでくださいね。

 

 

 

 

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でも、わたし生きていくわ

『でも、わたし生きていくわ』を読みました。

 

でも、わたし生きていくわ

でも、わたし生きていくわ

 

 

あらすじ

 

7歳の少女ネリーは、突然の両親の死で、兄弟と離れて暮らすことになります。

 

身を寄せた先では、あたたかく迎えられます。

 

そして、週末には兄弟3人で一緒に過ごします。

 

悲しみは消えなくても、ネリーはまわりの人々に支えられて……。

 

事故で両親を亡くしても、周囲に支えられながら暮らす少女の物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、悲しみを乗り越えて生きることです。

 

ネリーは両親を事故で亡くしますが、新しい環境に適応しながら、暮らします。

 

本当は辛い状況だと思いますが、まわりのサポートや人との繋がりのお陰で、ネリーは楽しく暮らしています。

 

勿論、両親を亡くした悲しみは消えませんが、それ以上にまわりの人々の愛情があるからこそ、生きていけるのだと思います。

 

ネリーは、大事な両親を亡くしましたが、ネリーの人生はこれからも続いていきます。

 

そんなときに、必要なのは、やはりまわりのサポートや愛情だと思います。

 

幸いなことに、ネリーの周囲は、愛に溢れていて、ネリーは楽しく過ごせているようです。

 

また、ネリー自身も、前を向いて生きているので、悲しみを全て消すことは無理でも、幸せを感じることはできるのです。

 

最後のページでは、ネリーが大人になったら、子どものたくさんいる家庭にしたい、とあります。

 

ネリー自身が人との繋がりで救われたからこそ、ネリーもそんな場を作りたいと思うのではないでしょうか。

 

前向きで素敵な夢だと思います。

 

生きる力に感動する絵本です。

 

印象的なことば

 

悲しみは消えないけれど、

いま、わたしは、しあわせ。

 

 

ネリーの言葉です。

 

両親を亡くした悲しみは消えませんが、まわりの人々に支えられながら暮らすネリー。

 

環境がいいこともありますが、ネリーの心の強さや豊かさが感じられる言葉です。

 

感想

 

両親を亡くした少女が、成長していく絵本です。

 

この絵本の核にあるのは、強い生命力と愛情だと思います。

 

辛いことがあっても、「生きていく」という姿勢が伝わってきます。

 

また、まわりの愛情や人との繋がりの大切さを、改めて感じました。

 

人はひとりでは生きていけないものです。

 

まわりのサポートや愛情があってこそ、生きていくことができます。

 

たくさんの人に読んでほしい絵本です。

 

 

でも、わたし生きていくわ

でも、わたし生きていくわ

 

 

 

 

 

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【児童書】レモンの図書室

『レモンの図書室』を読みました。

 

レモンの図書室 (児童単行本)

レモンの図書室 (児童単行本)

 

 

今回から、絵本だけでなく、児童書も少しずつ紹介していきたいと思います。

 

記念すべき第1回目は、『レモンの図書室』です。

 

あらすじ

 

母親を病気でなくし、学校でもいつもひとりぼっちだったカリプソ

 

しかし、メイという新しい友達ができて、次第に孤独ではなくなります。

 

どこか、常にひとりでも大丈夫なように、強い心を持たなきゃと思うカリプソ

 

それでも、趣味の合う親友ができたおかげで、その生活は一変し、楽しいものになります。

 

意気投合したふたりは、お互い本好きなこともあり、一緒に小説を書くということになります。

 

ふたりは、メイの家にある小屋を改造して、秘密基地を作ります。

 

カリプソはメイの家に頻繁に行くようになり、メイの家族のあたたかさに触れます。

 

そして、ふたりは秘密基地で、小説を書きます。

 

その後、書いた小説を、少しだけサイトに投稿すると……。

 

読みどころ

 

今回の読みどころは、親友の存在と親子の絆です。

 

母親を亡くし、父親と二人暮らしのカリプソは、周りに対して心を閉ざして暮らしていました。

 

しかし、転校生のメイの存在によって、その世界は一変します。

 

ふたりは本が好きで、いつのまにか自然と友達になり、親友にまでなります。

 

カリプソの世界は、一気に楽しく輝いたものになり、カリプソの固く閉ざされた心も、次第に開かれていきます。

 

その後、いくつもの厳しい試練がカリプソに訪れます。

 

それらは、子どもにとっては、かなり厳しいものです。

 

しかし、親友の存在があったからこそ、カリプソは必死に問題を解決して、困難な状況を乗り切ろうと頑張ります。

 

メイの存在は、カリプソにたくさんのポジティブなパワーを与えてくれていると思います。

 

親友の存在は、かけがえのないものです。

 

カリプソとメイの会話は、本の話で溢れています。

 

作品の中でも、様々な本の名前が出てきます。

 

それらは、子ども向けの本から、大人が読む本まで様々です。

 

本好きの方なら、思わずニヤリとしてしまうと思います。

 

ふたりの意気投合した姿を、文章で読むことで、子ども時代の親友を思い出す方もいるかもしれません。

 

また、本書で見逃せないのが、親子の絆です。

 

この作品では、お父さんが課題を抱えていて、大変なことになってしまうのですが、娘のカリプソは、心理的な葛藤がありながらも、お父さんを見放さず、お父さんを支えます。

 

また、カリプソのお母さんは、病気で亡くなってしまっているのですが、お母さんの影響やお母さんへの思いは消えることなく、全編を通してずっと作品の中心にあります。

 

普通の幸せな家庭とは違うかもしれませんが、彼らなりのやり方で、しっかりと親子が絆で繋がっていて、本当に心打たれます。

 

親友や周りの人の存在のあたたかさを感じるとともに、カリプソの生きる力に感動する作品です。

 

感想

 

『レモンの図書室』というタイトルを聞いて、イメージしていた内容が、実際本書を読んでみると、いい意味で裏切られました。

 

きれいな図書室が出てくるような、ふわふわした物語かと思いましたが、全く違いました。

 

もっとリアルで、面白くて、同時に悲しみや切なさも感じることができる本でした。

 

正直、驚きました。

 

最後の方は、泣いてしまいました。

 

子どもも読める作品ですが、大人も十分に楽しめる作品です。

 

途中、辛い場面もあるのですが、主人公の親友の存在や本の話、個性豊かな登場人物など、救いもあるので、読み進められます。

 

児童書を読んだのはかなり久しぶりだったのですが、ちゃんと内容も現代にアップデートされていて、進化していました。

 

現代的な要素を散りばめつつ、普遍的な親友や家族などの要素が中心にあり、読み応えのある作品です。

 

主人公のカリプソは、本をよく読んでいるからか、または境遇や環境のためか、周りよりも大人びた考え方や性格です。

 

しかし、彼女はまだ子どもなので、そういった子どもと大人の間で揺れ動く心情も、読み応えがあります。

 

本が好きな人も、そうでない人にも読んでほしい作品です。

 

 

レモンの図書室 (児童単行本)

レモンの図書室 (児童単行本)

 

 

 

読書案内

 

本書では、色々な本のタイトルが出てきます。

 

本書の巻末に「カリプソの読書案内」という、本書に登場する本のリストがあります。

 

ここでは、その中でも特に重要だと思われる本を紹介したいと思います。

 

赤毛のアン

 

赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)

赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)

 

 

カリプソが好きな本です。

 

アンネの日記

 

増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫)

増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫)

 

 

メイがカリプソに教えた本です。

 

この他にもたくさんの本が載っていますので、ぜひチェックしてみてください。

 

 

 

 

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