死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

としょかんライオン

『としょかんライオン』を読みました。

 

としょかんライオン (海外秀作絵本 17)

としょかんライオン (海外秀作絵本 17)

 

 

あらすじ

 

ある日、図書館にライオンが入ってきました。

 

図書館員のマクビーさんは慌てて、奥にある図書館長の部屋へ駆け込みます。

 

マクビーさんが部屋に着くと、メリウェザーさんが顔も上げずに「走ってはいけません」と言います。

 

マクビーさんは、ライオンが図書館に入ってきたことをメリウェザーさんに訴えますが……。

 

図書館にやってきたライオンをめぐる物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、決まりを守ることよりも大切なことです。

 

ある日、図書館にライオンが入ってきます。

 

図書館員のマクビーさんは、慌てて図書館長の部屋へ行き、叫びます。

 

すると、館長のメリウェザーさんは「走ってはいけません」と、顔も上げずに言います。

 

マクビーさんは、ライオンが図書館にきたことを訴えますが、メリウェザーさんは動じない様子です。

 

メリウェザーさんは、「決まりを守るなら、そのままにしておきなさい」と言います。

 

ライオンは、図書館の中を歩き回り、絵本の部屋で気持ちよさそうに寝てしまいます。

 

やがて、お話の時間が始まり、図書館のお姉さんが、本を読み始めます。

 

ライオンは起き上がり、お話をじっと聞いています。

 

お話の時間が終わったことを、小さな女の子がライオンに告げ、それからライオンは大きな声で吠えます。

 

そこに、メリウェザーさんがやってきて、ライオンに図書館の決まりを告げます。

 

ライオンは、悲しそうにうなります。

 

小さな女の子が、メリウェザーさんに「静かにする約束を守れば、明日もきていいんでしょ?」と尋ねます。

 

メリウェザーさんは、約束を守ればいいと言います。

 

子どもたちは、喜びます。

 

次の日、ライオンはお話の時間よりも早くやってきて、メリウェザーさんのお手伝いをすることになります。

 

やがてライオンは、言われなくても、色々なお手伝いをするようになります。

 

図書館にくる人たちは、段々とライオンに慣れていきます。

 

ライオンは、図書館の人気者になります。

 

ある日、ライオンがメリウェザーさんの部屋に行くと、メリウェザーさんはある頼みごとをします。

 

メリウェザーさんが、踏み台に乗り、本を取ろうとして、背伸びをして手を伸ばすと、台から倒れてしまいます。

 

メリウェザーさんは、起き上がることもできずに、マクビーさんのことを呼びます。

 

しかし、マクビーさんは貸出カウンターにいるので、聞こえません。

 

メリウェザーさんは、ライオンにマクビーさんを呼んでくるよう頼みます。

 

ライオンは、廊下を走って、マクビーさんのもとへ行きます。

 

ライオンが貸出カウンターに行くと、マクビーさんは忙しくて、ライオンに取り合ってくれません。

 

そこで、ライオンは決まりを破り、大きな声で吠えます。

 

マクビーさんはびっくりして、メリウェザーさんのもとへ、ライオンのことを報告しに行きます。

 

ライオンは、決まりを守れなかったので、うなだれて出口へ向かいます。

 

マクビーさんは、メリウェザーさんの部屋に飛び込みますが、メリウェザーさんの姿が見えません。

 

マクビーさんが声をかけると、机の向こうで床に倒れているメリウェザーさんを見つけます。

 

マクビーさんは、慌ててお医者さんを呼びに急ぎます。

 

次の日の図書館は、いつもとどこか違っています。

 

メリウェザーさんは、左手にギプスをはめています。

 

ライオンの姿は、ありません。

 

そして、次の日も、その次の日も、ライオンは図書館にやってきません。

 

ある日の夕方、仕事を終えたマクビーさんは、メリウェザーさんにお手伝いを申し出ますが、メリウェザーさんは静かに断ります。

 

その後、マクビーさんはまっすぐ家には帰らずに、図書館のまわりを歩き回ります。

 

マクビーさんがまた図書館に戻ると、なんと図書館の前にライオンが座っています。

 

マクビーさんはライオンに、ちゃんとした理由があるときは決まりを守れなくてもいいのだと言って、歩いて帰ります。

 

次の朝、マクビーさんは、メリウェザーさんの部屋へ行き、ライオンが図書館にいることを告げます。

 

すると、メリウェザーさんは飛び上がり、廊下へ駆け出します。

 

図書館のみんなは大喜びで、ライオンを迎え入れます。

 

この絵本では、図書館にライオンがいるという非日常的な風景が描かれています。

 

ライオンは、段々と図書館の人気者になっていきます。

 

最初は、ライオンに対してあまりいい思いを抱いていなかったマクビーさんまで、最後にはライオンを受け入れています。

 

そして、ライオンは図書館になくてはならない存在にまでなります。

 

図書館では、静かにすることや走らないことなど、決まりがあります。

 

最初は、メリウェザーさんやマクビーさんは、図書館の決まりを重んじています。

 

しかし、ライオンが図書館にきたことによって、例外もあるのだということを実感していきます。

 

決まりを守ることよりも大切なことがあるのだと気付きます。

 

それは、怪我をした友達を助けようとするときに、人に知らせるために大声で吠えることなどです。

 

決まりよりも、友達の健康の方が大切なのです。

 

素敵な図書館の姿が描かれた絵本です。

 

印象的なことば

 

たまには、ちゃんとしたわけがあって、きまりをまもれないことだって あるんです。

いくら としょかんのきまりでもね。

 

 

最後のページの言葉です。

 

決まりを守ることよりも、大切なことがあることを教えてくれます。

 

感想

 

図書館にライオンがやってくる物語です。

 

以前から、この絵本が書店に並んでいるのを見ることが多く、有名な作品だという認識はありましたが、実際に読むのは今回が初めてでした。

 

読む前は、図書館とライオンという組み合わせが結びつかなかったのですが、読んでみると納得できました。

 

図書館は静かにするものというのがマナーではあるけれど、例外もあるのだということに気付く、そんな素敵な絵本でした。

 

こんなライオンが図書館にいたら、いいかもと思いました。

 

心優しいライオンと図書館の人々の心温まる絵本です。

 

としょかんライオン (海外秀作絵本 17)

としょかんライオン (海外秀作絵本 17)

 

 

 

 

 

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