死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

ゆめのゆき

『ゆめのゆき』を読みました。

 

 

ゆめのゆき

ゆめのゆき

 

 

あらすじ

小さな農場に、おじいさんが住んでいます。
おじいさんは、片方の手で数えられるだけの動物を飼っています。
動物たちは、イチ、ニィ、サン、シィ、ゴーと名付けられ、動物たちが住んでいる納屋の横にある木はキと呼ばれていました……。
 

見どころ

今回の見どころは、日常とゆめです。
おじいさんは農場に住んでいて、5匹の動物たちを飼っています。
それぞれに名前をつけて大切にしていて、納屋の横にある木にまで名前をつけて大切にしています。
おじいさんは、毎日動物たちの世話をして、夕方に仕事が終わると自分の家に戻ります。
そして、お気に入りのイスに座り、熱いミントティーとハチミツを塗ったパンを食べます。
ある晩、そのイスに座っていると……。
もうクリスマスなのにまだ雪が降っていないなと、つぶやきながら、おじいさんは眠ってしまいます。
夢の中では雪が降り、おじいさんや動物たちを優しく覆います。
おじいさんが夢から覚め、窓の外を見ると……。
なんと雪が積もっていて、空には月と星が輝いています。
動物たちは納屋で眠っています。
おじいさんは、もう少しで忘れるところだったと言い、身支度をして、荷物を持って外に出ます。
おじいさんが大声を出しながら、納屋の前を通ると、動物たちも目を覚まします。
動物たちは、おじいさんの言動に釘付け。
そして、おじいさんはキを綺麗に飾り付け、メリークリスマスと言い、スイッチを押します……。
この絵本では、おじいさんの日常とゆめが描かれています。
舞台は農場で、おじいさんの日常は淡々としていますが、対照的に夢の中は雪の装飾で、幻想的になっています。
日常とゆめの対比が面白く、さらにしかけ絵本なので、その効果が発揮されています。
物語のクライマックスはクリスマスで、おじいさんの日常が一気に華やいだ雰囲気になります。
最後のページに要注目です。
 

印象的なことば

メリー クリスマス!
おじいさんの、最後のページにある言葉です。
おじいさんの日常が、華やかなものに変わる瞬間は必見です。
 

感想

『はらぺこあおむし』が有名な絵本作家、エリック・カールのしかけ絵本です。
『はらぺこあおむし』は恐らく誰もが知っている有名絵本ですが、『ゆめのゆき』は意外と知られていないのではないでしょうか。
私も、『はらぺこあおむし』は小さい頃に読んでいて知っていたのですが、『ゆめのゆき』はあまり知らなくて、今回初めて読みました。
しかけ絵本ということで、装飾性があって、飽きずに楽しく読むことができます。
雪の表現が面白く、絵本にマッチしています。
また、エリック・カールの独特なカラフルなイラストも健在で、見ているだけで楽しめます。
個人的に、おじいさんがイスに座って、熱いミントティーとハチミツを塗ったパンを食べているシーンが大好きです。
とてもリラックスした様子で、温かみがあり、シンプルな食事ながらも美味しそうで、まさに至福のひとときという言葉がぴったりな雰囲気です。
絵本の裏表紙には、おじいさんのモデルとなったバリー・モーザー氏の写真もあり、必見です。
クリスマスシーズンに読みたい一冊です。
 

 

ゆめのゆき

ゆめのゆき

 

 

 

 

 

 

 

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ぼくはカメレオン

『ぼくはカメレオン』を読みました。

 

 

ぼくはカメレオン (A Michael Neugebauer book)

ぼくはカメレオン (A Michael Neugebauer book)

 

 

あらすじ

カルロは、カメレオンです。
ジャングルを歩くと、体の色が変わります。
緑色から、黄色へ。
黄色から、茶色へ……。
 

見どころ

今回の見どころは、変化によって生き延びることです。
カメレオンのカルロは、まわりと同じ色になります。
他の動物たちは、カルロを木や葉っぱだと思い、目の前を通り過ぎます。
カルロは、いつもご機嫌ななめです。
そんなある日、カルロは大きなカバに、踏みつぶされかけます。
カルロは、カンカンに怒ります。
すると、カバがカルロに「わしは、きみが うらやましい…」と言います。
カルロは驚いてカバに聞くと、カバは自分もカルロのような色になりたいと言います。
そして、カルロは木の実をつぶして、その汁でカバに色を塗ります。
カバは大喜びです。
それを見たカルロは、あることを思いつきます……。
それは、植物から絵の具を作り、他の動物に色を塗る仕事を始めることでした。
カルロの店は大繁盛し、店は動物たちで賑わいます。
今やカルロはジャングルいちの人気者です。
動物たちは、みんなで行進します。
しかし、段々と動物同士で、目がチカチカしたり、頭が痛くなったりと、カラフルさに不満が爆発してしまい……。
ついには、元の色に戻すよう、カルロをすごい形相で追いかけてきます。
カルロは崖の端まで来てしまい、逃げ道がありません。
まさに絶体絶命のピンチ、その時……。
カルロの体と顔が、地面と同じ色に変わり始めます。
動物たちには、カルロがわかりません。
その時、空が真っ黒になり、大雨が降ってきて、動物たちの絵の具を洗い流し、元通りになります。
再び静かになったジャングル。
カルロは、相変わらず体の色を変えながら、元気に暮らしています……。
この絵本では、変化することによって生き延びるカルロの姿が描かれています。
本物のカメレオンは、体の色を変化させながら、暮らしています。
よく、カメレオンのような〜とか、カメレオン俳優という言葉が使われますが、人間でも作品ごとに変化するようなひとをカメレオンに例えたりします。
変化することは、動物や人間にとって、重要な生き延びる術です。
逆に、生きることは変化すること、変化しなければ死んでいるのも同然のような、言葉も耳にします。
このように、生きることと変化することは、密接に結びついているのです。
この絵本でも、カルロは変化することにより、生き延びることに成功しています。
これは、人間界でも言えることですよね。
その時の状況に応じて、色というか、顔や対応を使い分けることは大切なことです。
変化することの大切さを教えてくれる絵本です。
 

印象的なことば

わしは、きみが うらやましい…
カバの言葉です。
カルロのことを、うらやましいと言います。
カルロにとっては驚きと喜びが同時に溢れたことでしょう。
その人の個性は、別の人から見れば、うらやましい個性だったりするものです。
 

感想

青い背景に同化するカメレオンが印象的な表紙の絵本。
初めて読みましたが、イラストもストーリーもレベルが高いです。
中身はカラフルで、子どもも飽きることなく読めます。
人生で大事なことを教えてくれる、お気に入りの一冊となりました。
また、折に触れて、読み返したいです。
イラストの色がきれいで、思わず魅了されます。
子どもにもおすすめですが、大人が読んだ方がより深い読書体験が出来るでしょう。
 

 

ぼくはカメレオン (A Michael Neugebauer book)

ぼくはカメレオン (A Michael Neugebauer book)

 

 

 

 

 

 

 

 

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わすれんぼ・ちびくん

『わすれんぼ・ちびくん』を読みました。

 

 

わすれんぼ・ちびくん

わすれんぼ・ちびくん

  • 作者: マイクギビー,バーバラナッシムベーニー,Mike Gibbie,Barbara Nascimbeni,くどうなおこ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログ (1件) を見る
 

 

 

あらすじ

ある日、茶色のちびいぬくんは、何もかも忘れて目覚めます。
ちびいぬくんは、ベッドのどちらから降りるか、朝ごはんは何が好きかも、思い出せません。
そして、何より大変なのは……。
 

見どころ

今回の見どころは、名前の重要性です。
ちびくんは、自分の名前が思い出せません。
首輪には名前が書いてありますが、その首輪どこに置いたかわかりません。
小屋を探しても見つからず、ちびくんは外へ駆け出します。
それから、郵便配達中のテリアのテスくんにばったり出会い、ちびくんはテスくんに困りごとを訴えます。
テスくんは、ちびくんのことを「ピンクの はなの ちゃいろの ちびいぬくんだよ」と言いますが、名前は覚えてないと言います……。
他に何か覚えていないかとテスくんに尋ねると、どろんこ遊びが好きだよねと、テスくんは答えます。
ちびくんはにっこりして、どろんこ探しに出かけていきます。
その後、何匹かの動物の知り合いにちびくんが出会い、その都度覚えていることを聞いていきますが、名前は一向にわかりません……。
そんな中、有力な情報が見つかり、ちびくんは首輪を求めて、おまわりさんの元へ向かいます。
交番でシェパードのシェドさんに出会い、ようやくちびくんは首輪を見つけます。
さて、ちびくんの名前とは……。
この絵本では、ちびくんが自分は何者なのかを見つけるまでが描かれています。
ちびくんは、様々な動物たちに出会い、情報を少しずつ集めていきます。
そして、最後には自分の名前がわかります。
断片的な特徴も、その人の個性を表す材料になりますが、やはり1番その人を表すのは、名前だと感じます。
そのため、名前を忘れたり、名前がないと、自分が何者なのかわからなくなってしまいます。
名前の重要性を改めて感じる絵本です。
 

印象的なことば

いつも くびわをなくしてる。
そして ぼくの なまえはね……

 

ちびくんの名前がわかる、前のページにある言葉です。
動物たちから教えてもらった特徴を挙げ、自分を再確認しているようです。
そして、何よりも大切な名前が次のページで明らかになります……。
 

感想

カラフルなイラストが印象的な、ちびくんの絵本です。
海外の絵本らしい色づかいが可愛くて、思わず手に取りました。
内容も様々な動物たちが出てきて、面白いです。
名前は、いつも当たり前にあるものだと思っていますが、ないとこんなにも不便なのだと改めて感じました。
自分が誰なのかわからないという感覚は、不便でとても心細いと思います。
最後には、ちびくんが自分の名前がわかって、ホッとしました。
可愛くて少し考えさせられる一冊です。
 
 

 

わすれんぼ・ちびくん

わすれんぼ・ちびくん

  • 作者: マイクギビー,バーバラナッシムベーニー,Mike Gibbie,Barbara Nascimbeni,くどうなおこ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 大型本
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にじいろの さかな

にじいろの さかな』を読みました。

 

 

にじいろのさかな (世界の絵本)

にじいろのさかな (世界の絵本)

 

 

あらすじ

青く深い、遠くの海に、1匹の魚が住んでいます。
色とりどりのウロコと銀のウロコを持った、とてもきれいな魚です。
他の魚たちは目を見張り、彼を「にじうお」と呼ぶようになります。
魚たちは、にじうおに呼びかけて、遊ぼうと誘いますが……。
 

見どころ

今回の見どころは、本当の幸せです。
にじうおは、他の魚たちから誘われても、知らんぷりして通り過ぎてしまいます。
ある日、小さな青い魚が、にじうおに呼びかけます。
小さな青い魚は、にじうおの銀のウロコを1枚欲しいと言います。
にじうおは、強く拒否して、小さな青い魚を冷たくあしらいます。
小さな青い魚は、どうしていいかわからず、友達にそのことを話しまわります。
その後、にじうおは他の魚たちから無視されるようになります。
にじうおは、孤独でひとりぼっちになります。
にじうおが、悩みをヒトデに打ち明けると……。
ヒトデは、深い洞穴にいる、賢いタコもとへ行くよう、にじうおに言います。
タコのもとへ行くと、タコは既に事情を知っていて、にじうおにアドバイスします。
銀のウロコを1枚ずつ、他の魚にあげなさいと……。
タコがいなくなり、にじうおは銀のウロコをあげるか悩みます。
そして、あの小さな青い魚がやってきて、小さいウロコを1枚欲しいと、にじうおにお願いします。
にじうおは、ためらいますが、やがて小さいウロコをあげることにします。
小さな青い魚は、喜びます。
その後、他の魚たちも集まってきて、にじうおは、次から次へウロコを分け与えます。
にじうおは、段々と他の魚たちといるのが、楽しくなってきます。
にじうおの銀のウロコは残り1枚となりますが、にじうおは幸せです。
他の魚たちは、にじうおを遊びに誘います。
にじうおは、幸せそうに友達の方へ泳いでいきます……。
この絵本では、にじうおが心を開いて、本当の幸せを見つけるまでが描かれています。
にじうおは、自分の自慢のウロコを渡したくないばかりに、他の魚に冷たく接してしまいます。
そのせいで、ひとりぼっちになり、孤独を感じます。
それから、タコのアドバイスを受けて、ためらいながらも、ウロコを分け与えます。
ウロコを分け与えることで、にじうおは固く閉ざしていた心を開き、みんなと友達になり、幸せになります。
本当の幸せは、心を開いたからこそ、見つけることができたのです。
大切なことを教えてくれる一冊です。
 

印象的なことば

いま いくよ。
最後のページにある、にじうおの言葉です。
友達に遊びに誘われ、こう答えます。
最初の頃からは、考えられない言葉です。
大きく成長したにじうおは、素晴らしいです。
 

感想

90年代に発売された、有名な絵本です。
私も小さな頃から、この絵本を本屋でよく見かけていましたが、読むのは今回が初めてでした。
きれいな魚のイラストの表紙が印象的で、色合いも美しい青で印象に残ります。
キラキラ光る銀のウロコが、本当にきれいです。
また、谷川俊太郎さんが、翻訳をされています。
内容は、普遍的なもので、子どもから大人まで読み応えがある作品です。
子どもから大人までオススメの絵本です。
 

 

にじいろのさかな (世界の絵本)

にじいろのさかな (世界の絵本)

 

 

 

 

 

 

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ちいさなエリオット あそびにいこう

『ちいさなエリオット あそびにいこう』を読みました。

 

 

ちいさなエリオットあそびにいこう

ちいさなエリオットあそびにいこう

 

 

あらすじ

ちいさなゾウのエリオットは、仲良しのネズミと地下鉄に乗ります。
ふたりは、大きな街のはずれにある遊園地に行きます。
期待に胸を膨らますエリオット。
ふたりが遊園地に着くと……。
 

見どころ

今回の見どころは、どんなものよりも大切な存在です。
エリオットと仲良しのネズミは、ふたりで遊園地に行きます。
しかし、エリオットは、ネズミが乗ろうと提案する乗り物を怖がって、拒否します。
ネズミはいくつか提案しますが、全てエリオットに断られてしまいます。
何か食べようということになり、エリオットはアイスを買いますが、鳥に食べられたり、ピエロに風船を貰っても、ピエロに驚いて逃げ出してしまいます……。
ネズミが「待って」と言いますが、エリオットは走って走って走り続けます。
エリオットは疲れてしまいました。
そんなエリオットをネズミが見つけ、休もうと提案します。
エリオットは砂浜でアイスを食べ、気分が良くなります。
ネズミは、いいものがあると言い、エリオットをある場所へ連れて行きます。
その場所とは……。
遊園地全体を眺めることができる、絶景スポットでした。
遊園地が夕焼けに染まって、さらに綺麗です。
エリオットは、やっと楽しくなります。
「何が一番楽しかった?」と聞くエリオットに、ネズミはこう答えます。
「いっしょに いられたことだよ」と。
この絵本では、エリオットとネズミの遊園地での出来事が描かれています。
最初は乗り物を怖がって、ちっとも遊園地を楽しめなかったエリオットも、友達のネズミのおかげで、楽しめるようになります。
しかし、どんなモノや食べ物、風景よりも大切なことを、最後のページでこの絵本が教えてくれます。
それは、「一緒にいること」です。
どこに行ったか、何をしたかではなく、1番大切なのは、一緒にいれたことなのです。
友達の存在の大きさに改めて気付かされる一冊です。
 

印象的なことば

いっしょに いるのが、まいにち いちばん うれしいんだ!
最後のページにある、言葉です。
エリオットとネズミがふたり仲良くいる背景には、夜空に綺麗な花火が上がっています。
友達の大切さを感じる言葉ですね。
 

感想

エリオットと仲良しのネズミが遊園地で過ごす時間が描かれた絵本です。
ちいさなエリオットシリーズの中の一冊です。
シリーズの他の本は読んでいないのですが、この一冊だけでも十分に楽しめます。
エリオットとネズミのコンビが最高で、怖がり屋さんのエリオットを、ネズミが優しく包んでいます。
まさに、心温まる友情ですね。
シリーズの他の本も読んでみたくなりました。
友達の大切さを改めて感じることができる一冊です。
 

 

ちいさなエリオットあそびにいこう

ちいさなエリオットあそびにいこう

 

 

 

 

 

 

 

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じいじのさくら山

『じいじのさくら山』を読みました。

 

 

じいじのさくら山

じいじのさくら山

 

 

あらすじ

晴れた青空の日、じいじはいつも桜を見に行こうと言います。
じいじとおれは、山の道をゆっくり歩きます。
さくらの山まで、もう少しです……。
 

見どころ

今回の見どころは、さくら山でのじいじとの思い出です。
晴れた日に、じいじは主人公の男の子「おれ」を誘って、さくら山へさくらを見に行きます。
じいじは、嬉しいことがあるたびに、さくらを山にこっそり植えました。
そのさくらの木が、大きく育っています。
おれがじいじを褒めると、「なんも なんも」とじいじが笑います。
季節が移ろう中で、じいじとおれは、さくら山でたくさんの思い出を作ります。
じいじは、草や花や虫のことなど、なんでも知っています。
しかし、ある雪の日に、じいじが病気になります。
大丈夫と答える、ふとんの中のじいじが、ちょっとずつ縮んでいくようです。
おれはひとりでさくら山へ行き、「じいじを元気にしてください」とさくらの木に何度も頼みます。
春が来て、やっと布団から出たじいじは、おれと一緒にさくら山へ向かいます。
さくら山に着くと、まるでじいじが来るのを待っていたように、さくらが咲き誇っています。
その後、じいじは静かに亡くなります。
それから、毎年さくらが咲き、じいじの作ったさくら山で春の祭りが始まります……。
この絵本では、男の子とじいじのさくら山での思い出が描かれています。
じいじは、本当にいいおじいちゃんを絵に描いたような人で、優しさに満ち溢れています。
主人公の男の子は、僕ではなく「おれ」というところが、少し強気で、わんぱくな男の子のように思われます。
ふたりは、いいコンビで仲が良く、一緒の時間を共有していきます。
そこには、男の子のじいじへの尊敬の念が感じられます。
男の子は、じいじやさくら山が心から好きなのでしょう。
そんなふたりの思い出は、時を経ても美しく輝くものなのだと思います。
男の子も、大人になってもきっとじいじやさくら山のことを思い出すでしょう。
さくらの木やふたりの姿が眩しい一冊です。
 

印象的なことば

「ちびすけ ありがと」
じいじが いった
「なんで わかった」
「さくらに きいた」
 

 

満開に咲き乱れるさくらの下、じいじとおれが話した言葉です。
じいじとおれは、さくらの木と対話していました。
さくらの木とふたりは、気持ちが通い合っていたのです。
 

感想

さくらの山を題材にした、心温まる絵本です。
さくらの花や自然がきれいで、特に後半の文字がないページのさくらは圧巻です。
満開のさくらと、隙間から見える背景の青空が、とてもきれいです。
また、じいじと男の子の絆もあたたかくて、感動的です。
「なんも なんも」と謙遜するじいじは、本当にいい人柄が表れています。
春に読みたい、感動の一冊です。
 

 

じいじのさくら山

じいじのさくら山

 

 

 

 

 

 

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どうぞのいす

『どうぞのいす』を読みました。

 

 

どうぞのいす (ひさかた絵本傑作集)

どうぞのいす (ひさかた絵本傑作集)

 

 

あらすじ

うさぎさんは、小さないすを作ります。
うさぎさんは作ったしるしに、いすに短いしっぽをつけます。
いすをどこへ置こうか考えると、いい考えが浮かんできます。
うさぎさんは、立て札をひとつ作り……。
 

見どころ

今回の見どころは、思いやりの心です。
うさぎさんは、いすを作ります。
そして、「どうぞのいす」と書かれた立て札も作り、いすと立て札を大きな木の下に置きます。
そこに、ろばさんがやってきます。
いすを見て、なんて親切ないすだろうと思い、いすに拾ったどんぐりのカゴを置いて、大きな木の下でお昼寝をします。
そこへ、くまさんがやってきて、どうぞのいすに置かれたどんぐりを全部食べてしまいます。
後の人にお気の毒なので、くまさんは、代わりにハチミツの瓶をカゴに入れていきます。
この後も、きつねさん、りすさんたちと、次々に動物が現れては、いすに置かれた食べ物を食べ、代わりの食べ物を置いていきます。
お昼寝から目覚めたろばさんは、カゴに入った栗を見て、びっくりします……。
この絵本では、動物たちの思いやりの心の連鎖が描かれています。
はじめに、うさぎさんが思いやりの気持ちを込めて、どうぞのいすを設置します。
それから、動物が入れ替わり立ち替わりやってきて、どうぞのいすにある食べ物を食べ、次の人のために思いやりを持って、代わりの食べ物を置いていきます。
誰かひとりでも思いやりの心が欠けていれば、この物語は進行しません。
みんなが思いやりの心を持っていたからこそのお話です。
こんな風に、思いやりの心を持って、日々を過ごしたいものです。
 

印象的なことば

でも からっぽに してしまっては あとの ひとに おきのどく。
どうぞのいすに置かれた食べ物を食べた動物たちが、口々に言う言葉です。
全部食べてしまっても、ちゃんと後の人のことも考えている、心優しい動物たちです。
 

感想

かわいいうさぎさんのイラストが表紙の有名な絵本です。
本屋さんに行くと、絵本のコーナーでよく見かけます。
表紙のうさぎさんがかわいくて、印象に残っていました。
動物たちの思いやりの気持ちに癒される物語です。
実際の世界でも、こんな風に思いやりの気持ちを持ちたいなと感じました。
子どもと大人両方におすすめの絵本です。
 

 

どうぞのいす (ひさかた絵本傑作集)

どうぞのいす (ひさかた絵本傑作集)

 

 

 

 

 

 

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