『きりのなかのはりねずみ』を読みました。
- 作者: ユーリーノルシュテイン,セルゲイコズロフ,フランチェスカヤルブーソヴァ,Yury Norshteyn,Francheska Yarbusova,Sergey Kozlov,こじまひろこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2000/10/25
- メディア: 大型本
- 購入: 5人 クリック: 169回
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あらすじ
日が沈み、あたりが薄暗くなってきた頃、はりねずみは、こぐまの家に出かけて行きます。
ふたりは仲良しで、いつもお茶を飲みながら、星を数えるのです。
はりねずみは、こぐまの好物の野いちごのはちみつ煮を持ち、こぐまの家へ向かいます。
道の途中、はりねずみは霧のなかに浮かぶ白い馬に出会います。白い馬に心を奪われたはりねずみは、霧のなかに入っていきますが……。
ポイント
今回のポイントは、はりねずみがこぐまの家にたどり着くまでの道のりです。
はりねずみは、こぐまの家にたどり着くまでに、ミミズクやしろいうまなど、様々な動物たちと出会います。
動物たちの中には、はりねずみを助けてくれない動物もいるけれど、助けてくれる動物もいます。
はりねずみはひとりで歩いてきたけれど、目的地にたどり着けたのは、動物たちとの出会いがあったからでした。
ひとりぼっちで目的地まで歩いて行くのは心細いけれど、勇気を出して進めば、そこには様々な出会いがあり、協力者も現れる。そして、いつの間にか目的地にたどり着いている。
ひとりで歩いてきたように見えても、振り返ってみると必ず誰かに支えられている。
これは、まさに人生と同じですね。
はりねずみが経験した冒険は、私たちが生きる人生にとてもよく似ています。
印象的な言葉
はりねずみは、こぐまのおしゃべりをききながら、こぐまくんといっしょはいいなとおもいました。
はりねずみの心の声です。
やっぱりひとりよりも、ふたりの方が心強いし、楽しいものです。
はりねずみは、ひとりでこぐまの家までやってきて、心細い思いをしたからこそ、そう思ったのですね。
作者の紹介
本書の作者は、ユーリー・ノルシュテインとセルゲイ・コズロフです。
ノルシュテインは、1941年ロシアのペンザ州アンドレーエフカ村に生まれます。
その後、61年にアニメーション美術上級コースを卒業します。
アニメーション作品としては、『きつねとうさぎ』『あおさぎとつる』『話の話』、絵本のもとになった『きりのなかのはりねずみ』などがあります。
コズロフは、1939年モスクワ生まれ。現代ロシアを代表する児童文学作家です。
また、本書のイラストは、フランチェスカ・ヤールブソワが手がけています。
彼女は、ノルシュテインの妻であり、ノルシュテインのアニメーション作品の美術監督でもあります。
感想
本書は、短編アニメーションの名作『きりのなかのはりねずみ』をもとに作られました。
監督は、世界中の映像作家に影響を与えたロシアのアニメーション作家、ユーリー・ノルシュテイン。
児童文学作家セルゲイ・コズロフが物語を作り、美術監督のフランチェスカ・ヤールブソワが絵を描いています。
第48回産経児童出版文化賞美術賞を受賞するなど、評価の高い絵本です。
魅力的な動物のキャラクターや幻想的な世界観に思わず引き込まれます。
イラストが芸術的で、まるで美術館で絵画を見ているようです。
また、はりねずみの体験する冒険が、私たちが生きる人生そのものと重なり、読後に静かな余韻を残します。
夜寝る前など、静かで美しい世界観に浸りたい時に、オススメです。
- 作者: ユーリーノルシュテイン,セルゲイコズロフ,フランチェスカヤルブーソヴァ,Yury Norshteyn,Francheska Yarbusova,Sergey Kozlov,こじまひろこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2000/10/25
- メディア: 大型本
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