死ぬまでに読みたい絵本

子供と大人両方に読んでほしいけれど、特に大人が楽しめる、そんな絵本などを紹介するブログです。

はっぴぃさん

『はっぴぃさん』を読みました。

 

 

はっぴぃさん

はっぴぃさん

 

 

あらすじ

 

はっぴぃさんは、山の上の大きな石の上に時々やって来て、困ったことや願い事を聞いてくれます。

 

そんなはっぴぃさんに会いに、ぼくとわたしは山の上の大きな石を目指します。

 

そして、ぼくとわたしは大きな石にたどり着き、はっぴぃさんを待ちますが……。

 

読み進めるうちに心が満たされていく、そんな絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、発想の転換です。

 

ぼくとわたしのふたりは、それぞれはっぴぃさんに願い事を聞いてもらうために、山の上を目指します。

 

ふたりは、なんとか目的地まで辿り着きますが、はっぴぃさんは一向に現れません。

 

ぼくとわたしは一緒に座り、話します。

 

ふたりは、お互いの願い事を尋ね合います。

 

ぼくは、どうしたら「のろのろ」じゃなくなるのか聞きたかったようです。

 

一方で、わたしは、どうしたら慌てなくなるのか聞きたかったようです。

 

そこで、わたしがぼくにこう言います。

 

「きっと のろのろは なんでも ていねいだからだと おもうわ」

 

ぼくは、わたしにこう言います。

 

「あわてるのは なんでも いっしょうけんめいだからだと おもうよ」

 

ふたりは、一緒に笑い合います。

 

その後、結局はっぴぃさんは現れませんでしたが、太陽を見ているうちに、ふたりははっぴぃさんに会えたような、充実感を味わいます。

 

そして、ふたりは太陽に向かって、たくさん願い事をして、日が沈まないうちに帰っていきます。

 

ふたりは、はっぴぃさんには会えませんでしたが、帰る頃にはお互いに収穫を得て、心が満たされた状態になりました。

 

ふたりが、そのような気持ちになれたのはなぜでしょうか。

 

その理由は、発想の転換にあります。

 

ふたりは話をするうちに、大事なことに気がつきます。

 

ぼくが悩んでいたのろのろは、実はなんでも丁寧に取り組んでいるということだったのです。

 

また、わたしが悩んでいた慌てるクセは、実はなんでも一生懸命だからだということだったのです。

 

このことに気がつけたのは、お互いの発想の転換があったからです。

 

発想の転換次第では、短所は十分長所になり得るのです。

 

このことに気がついたふたりは、はっぴぃさんには会えずじまいでも、心が満たされ、すっかり悩みが消えたことでしょう。

 

発想の転換を行えば、自分の心を満たし、幸せになることが可能です。

 

それには、日頃から物事をいつもとは異なる視点で見ることが大切です。

 

また、自分だけでは気づかないことでも、家族や友人などと話すだけで、何か違う視点が得られることもあります。

 

何かに行き詰まったら、ふたりのように発想の転換を活用したいものですね。

 

印象的なことば

 

きっと のろのろは なんでも ていねいだからだと おもうわ

 

わたしがぼくに言った言葉です。

 

それに対して、ぼくがわたしに言った言葉も素敵です。

 

こんな言葉が言える人になりたいものです。

 

感想

 

荒井良二さんの絵本です。

 

荒井さんの絵本は、イラストと文章がどちらもあたたかくて、優しい気持ちになれます。

 

この絵本も、読んだ後にじんわりと心があたたまります。

 

子供も十分読める内容だと思いますが、むしろある程度の年齢や大人になってからの方が、心に刺さる内容なのではないかと思います。

 

特に、何かに悩んでいる方に、おすすめしたい1冊です。

 

折に触れて読み返したい絵本です。

 

 

はっぴぃさん

はっぴぃさん

 

 

 

 

 

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ロンパーちゃんとふうせん

『ロンパーちゃんとふうせん』を読みました。

 

ロンパーちゃんとふうせん

ロンパーちゃんとふうせん

 

 

あらすじ

 

ロンパーちゃんは、お母さんと街へ出かけ、そこで黄色い風船をもらいます。

 

指に風船をくくってもらったロンパーちゃんは、無事にお家に帰ります。

 

お家に帰ると、ロンパーちゃんは風船で遊びだしますが、風船が天井まで飛んでいってしまいます。

 

そこで、お母さんが工夫をして、風船にスプーンをくくってやります。

 

これで、ロンパーちゃんと風船は、一緒に遊べるようになりました。

 

ところが、ロンパーちゃんが外で風船と一緒に遊んでいると……。

 

風船をめぐるロンパーちゃんの日常が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、物への愛着です。

 

ロンパーちゃんは、街でもらった風船を気に入り、お家で一緒に遊びます。

 

しかし、すぐに風船が天井へ飛んでいってしまうので、お母さんが風船にある工夫をして、上へ飛んで行かないようにしてくれます。

 

さっそくロンパーちゃんは、風船を外へ連れて行き、一緒に遊び始めます。

 

ところが、強い風が吹いて、風船が木の枝に引っかかってしまいます。

 

その後、暗くなるまでお母さんが風船を取ろうとしますが、風船は枝に絡まったまま取れません。

 

お家に戻った後も、ロンパーちゃんは諦めきれず、ついには泣いてしまいます……。

 

ロンパーちゃんは、風船と一緒に夜もお家で過ごすつもりでした。

 

ロンパーちゃんの気持ちを思うと、こちらまで切なくなります。

 

この絵本では、ロンパーちゃんの風船に対する愛着が描かれています。

 

対象となる物は異なっても、子どもの頃何かに愛着を持った経験は、誰にでもあると思います。

 

子どもは一旦何かに夢中になると、ずっとそれを手放しませんよね。

 

その熱中ぶりは、子どもならではのものです。

 

大人になると、良くも悪くもそこまで物に熱中することもなくなってしまいます。

 

そう考えると、子どもの頃に何かに夢中になった記憶は、かけがえのないものだと思います。

 

大人になって、昔好きだったおもちゃなどが物置から出てくると、思わず笑みがこぼれ、なんだか懐かしくて、嬉しい気持ちになります。

 

この絵本を読んでいると、そんな自分自身の楽しい記憶が浮かんできます。

 

子どもの頃の物を大切にする気持ちを思い出させてくれる、そんな一冊です。

 

印象的なことば

 

(おつきさん みたいよ…)

 

最後のページにある、ロンパーちゃんの言葉です。

 

黄色い風船と夜空の風景が、なんともロマンチックです。

 

感想

 

子どもならではの物に対する愛着が、可愛らしく描かれた絵本です。

 

子どもの頃の記憶を辿ると、誰もが経験したことのある出来事で、共感出来るストーリーとなっています。

 

洋風なイラストなので、海外絵本かと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、作者は酒井駒子さんで、国内の絵本です。

 

本書は、英語や韓国語にも翻訳されているようです。

 

控えめな色合いのイラストに、風船の黄色が良く映えます。

 

ラストは、子どもならではの素敵な感性で、印象的なページになっています。

 

読み終わった後、優しい気持ちになれる一冊です。

 

 

ロンパーちゃんとふうせん

ロンパーちゃんとふうせん

 

 

 

 

 

 

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おひさまパン

『おひさまパン』を読みました。

 

おひさまパン

おひさまパン

 

 

あらすじ

 

動物たちの住む街は、雪混じりの風が吹き荒れて、動物たちはみんなうんざりしています。

 

動物たちは、再びおひさまが出てくるのを、心待ちにしています。

 

そんな中、パン屋さんはおひさまのパンを作り始めます。

 

おひさまのパンが出来上がると、動物たちはパン屋に集まり、みんなでおひさまパンを食べます。

 

すると、動物たちは空に登り始めて……。

 

気持ちがあたたかくなる絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、パンやおひさまのおかげで、イキイキと輝く動物たち

の姿です。

 

天気が悪い時の動物たちは、家に閉じこもりがちで、うんざりしています。

 

確かにずっと悪天候が続くと、気持ちも塞ぎがちになってしまいます。

 

しかし、パン屋さんがおひさまをパンで作ることにより、状況は変わります。

 

パン屋さんには動物たちが集まり、パン屋さんはみんなにパンを分け与えます。

 

すると、動物たちは空に登り始め、本物のおひさまが目を覚まします。

 

動物たちは、おひさまに向けて、パンをちぎって投げます。

 

すると、おひさまはそのパンを平らげ、光を放ちます。

 

動物たちは、おひさまの光の中で、イキイキと過ごします。

 

パン屋さんは、眠りに就こうとするおひさまに、願いごとを伝えます。

 

そして、パン屋さんが一晩中パンを焼き、おひさまは再び顔を出します。

 

その後も、天気が悪い日には、あのパン屋さんと仲間たちが、パンを作ります。

 

食事や自然の恵みを大切にする動物たちが、イキイキと描かれています。

 

カラフルな動物たちのイラストは、見ているだけで元気になります。

 

梅雨や冬の寒い時期に読むと、元気になれる1冊です。

 

印象的なことば

 

ほんとうのおひさまは かくれたままだから わたしが うちで、ちいさなおひさまを つくるってわけ

 

パン屋さんの言葉です。

 

おひさまを恋しく思う気持ちが伝わります。

 

感想

 

おひさまパンにまつわる、動物たちのお話です。

 

訳者は、江國香織さんです。

 

江國さんは、作家だけではなく、絵本の翻訳も数多く手掛けています。

 

また、絵本の文章も書かれています。

 

その絵本が、こちらです。

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

江國さんの文章は、小説でも絵本でも魅力的です。

 

また、絵本に出てくる動物たちがとても愛らしくて、見ているだけで楽しい気持ちになります。

 

パンもすごく美味しそうです。

 

この絵本の裏表紙には、おひさまパンの作り方も載っています。

 

子どもと一緒に作るのも楽しそうですね。

 

思わずパンが食べたくなる1冊です。

 

 

おひさまパン

おひさまパン

 

 

 

 

 

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ゴールディーのお人形

『ゴールディーのお人形』を読みました。

 

ゴールディーのお人形

ゴールディーのお人形

 

 

あらすじ

 

両親が亡くなってから、ひとりで人形を作る仕事を続ける女の子ゴールディー。

 

いつもゴールディーは森で拾った枝を使い、丁寧に人形を作ります。

 

そんなある日、ゴールディーはお気に入りのアンティークショップで、今までに見たこともないほど美しい中国製のランプを見つけます。

 

ランプはとても高価ですが、ゴールディーはランプに魅了され、思い切って人形と引き換えにランプを購入しようとしますが……。

 

ゴールディーがランプとの出会いを通じて、職人としての誇りを強めていく姿が描かれています。

 

見どころ

 

今回の見どころは、仕事への誇りです。

 

ゴールディーは、亡くなった両親から受け継いだ人形作りの仕事をしている女の子です。

 

ゴールディーの頑張りのおかげで、人形はいつも間に合わないくらいの注文があります。

 

ゴールディーは、人形を作るときには、あるこだわりがあります。

 

それは、四角く切られた木っ端ではなく、森で拾った枝を使って人形を作ることです。

 

ゴールディーは、それじゃないと「生きている」感じがしないと言います。

 

ただの人形と、友達で大工のオームスに笑われても、丁寧に仕事をします。

 

そんなある日、ゴールディーはお気に入りのアンティークショップで、美しい中国製のランプに出会います。

 

店主のミスター・ソロモンの計らいで、ゴールディーは自分が作る人形と引き換えに、ランプを特別な値段で購入します。

 

その足でオームスの店へ寄りますが、そこでのオームスからのひとことのせいか、ゴールディーは帰り道で憂鬱な気分になってしまいます。

 

ゴールディーは、家に帰っても憂鬱な気分は抜けず、疲れて泣き始め、ドアのそばで眠ってしまいます……。

 

しかし、ゴールディーは夢の中で、あのランプの作者に出会います。

 

そこで、ランプの作者とのやりとりを通じて、ゴールディーは自信を取り戻します。

 

ゴールディーはランプを取り出して、ランプの明かりをつけて、うっとりと眺めます。

 

ゴールディーは大切なことに気が付き、満たされた気持ちになります。

 

この絵本では、情熱を傾けられる仕事がある、日常生活の素晴らしさが描かれています。

 

ゴールディーは、若いながらも、仕事に対するこだわりをしっかりと持っています。

 

彼女は両親と死別し、ひとりで暮らしていますが、そこに孤独はあまり感じられません。

 

それは、充実した仕事があるおかげだと言えます。

 

そのため、彼女の生活は、仕事を中心にまわっています。

 

そんな中、ランプとの出会いによって、ゴールディーの仕事への情熱は、さらに深まることになります。

 

彼女はランプのおかげで、大切なことに気が付き、彼女の仕事に対する誇りは、さらに深まります。

 

そして、彼女はまだ会ったことのない友達のために、お人形を作ります。

 

誇りを持って仕事をすることの大切さが伝わってくる絵本です。

 

印象的なことば

 

私の家。ここには私が仕事に使う小さなナイフと、ランプとお茶があって、ベッドと作業台と材料の木があって、私はここで、会ったことのない友だちのために、小さな木の人形を作るの。

 

ゴールディーの自信に満ちた言葉です。

 

シンプルな暮らしながらも、そこには生活や人生に対する充実感があります。

 

人生や仕事に対する誇りが感じられます。

 

感想

 

ゴフスタインが描く、仕事の美学が詰まった絵本です。

 

 

絵本を通じて、働くことの素晴らしさや尊さが散りばめられています。

 

そのことは、本書の巻末に載っているゴフスタインのインタビュー記事の抜粋からも、読み取ることができます。

 

ゴフスタインは、「弟と私はミネソタ州セントポールで過ごした子ども時代に、人生において価値のあることは、そして本当に幸せなことは、仕事をすることであり、もし何かひたむきに自分を捧げるものがなければ、その人生はつまらないものだと感じていました」と述べています。

 

このことからも、ゴフスタインの人生における仕事の重要性がわかります。

 

情熱を傾けられる仕事があることの素晴らしさを幼い頃から知っていたゴフスタインだからこそ、描くことのできた作品だと言えます。

 

何か仕事や人生で迷ったときに、繰り返し読みたい作品となっています。

 

この絵本は、もともと2003年にすえもりブックスから出版され、2013年に現代企画室からも出版されています。

 

 

ゴールディーのお人形 (末盛千枝子ブックス)

ゴールディーのお人形 (末盛千枝子ブックス)

 

 

 

まさに、時代を超えて読み継がれる名作と言えるでしょう。

 

 

ゴールディーのお人形

ゴールディーのお人形

 

 

 

 

 

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ザスーラ

ザスーラ』を読みました。

 

ザスーラ

ザスーラ

 

 

あらすじ

 

兄のウォルターは、弟のダニーをうっとうしく感じています。

 

そんなふたりは、公園で『ジュマンジ・ジャングル探検ゲーム』を見つけ、ダニーがそのゲームを家に持ち帰ります。

 

家に戻り、ダニーはゲームの中身を見てみますが、つまらなそうだと思い、片付けようとしたところ、もうひとつの『ザスーラ』という面白そうなゲームを見つけます。

 

ダニーがサイコロを振り、ゲームを始めると……。

 

兄弟が経験する、奇妙な冒険が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

今回のポイントは、兄弟で仲良くすることの大切さです。

 

絵本に登場する兄弟のウォルターとダニーは、冒頭の部分ではあまり仲が良くなさそうです。

 

それどころか、ウォルターはダニーをうっとうしく思っていて、喧嘩ばかりしています。

 

そんなふたりですが、ある日公園でゲームを見つけます。

 

そのゲームは、『ザスーラ』と言って、なんとも魅力的に見えます。

 

家に帰り、弟のダニーがゲームで遊び始めます。

 

すると、大変なことが起きます。

 

なんと、ゲームのできごとが、現実に起こり出したのです。

 

ふたりは、次々と起こる奇怪なできごとに戸惑いながらも、なんとかゲームを続けます。

 

そして、ついに兄のウォルターが消えてしまい、物語はゲームを見つける前の公園に戻ります。

 

そして、ダニーがまたあのゲームを見つけますが、ウォルターはゲームをゴミ箱に捨ててしまいます。

 

そして、ウォルターはダニーをキャッチボールに誘い、物語は幕を閉じます。

 

最初の方は、仲の悪かったふたりですが、最後の方は仲の良い兄弟になっています。

 

危険な目に遭い、様々なできごとを一緒に乗り越えたからこそ、ふたりはお互いの大切さを理解し、仲の良い兄弟に戻ります。

 

もしかしたら、最初から仲良くしていれば、あのゲームとも出会わなかったのかもしれないですね。

 

そういう意味では、ふたりの仲を繋げてくれたのが、あのゲームとも言えるでしょう。

 

奇妙な冒険を通して、兄弟の絆が描かれた1冊です。

 

印象的な言葉

 

いっしょで、だいじょうぶ。できるよ

 

弟のダニーの言葉です。

 

ゲームが終わりそうもなくて、「こんなの、ぜったいむりだ」と音を上げたウォルターに対して、ダニーはこの言葉を言います。

 

ゲームを通して、いつの間にか以前よりもたくましくなったダニーの様子が伺えます。

 

感想

 

映画『ザスーラ』の原作になった絵本です。

 

1995年に映画化された原作絵本の『ジュマンジ』の続編にあたります。

 

子どもの頃に映画『ジュマンジ』を見てから、私はこの映画が大好きで、何回も見ています。

 

以前は、金曜ロードショーなどでよく放送されていました。

 

作者のオールズバーグの絵本が映画化されるのは、3作目だそうです。

 

その3作品には、前回こちらで紹介した「急行『北極号』」も含まれます。

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

オールズバーグの絵本は、それほど映画製作者のイマジネーションを掻き立てるのでしょう。

 

確かに、オールズバーグの絵本を読んでいると、映像が頭に浮かんできます。

 

今回の作品も、そんな映像が頭に浮かんでくる絵本となっており、子どもから大人まで楽しめる作品となっています。

 

絵本は、全編モノクロなのですが、様々な色が頭に浮かんできます。

 

モノクロでここまで読者の想像を掻き立てる、オールズバーグの表現力はさすがです。

 

兄弟や家族で、楽しく読みたい1冊です。

 

 

ザスーラ

ザスーラ

 

 

 

 

 

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急行「北極号」

『急行「北極号」』を読みました。

 

急行「北極号」

急行「北極号」

 

 

あらすじ

 

クリスマスイブの夜中、ぼくが静かにベッドに横になっていると、家の前に汽車が止まります。

 

その汽車は、急行「北極号」でした。

 

ぼくが北極号に乗り込むと、列車の中は子どもたちでいっぱいです。

 

走り続ける北極号が向かった先は……。

 

クリスマスに起きた不思議な出来事が描かれた素敵な絵本です。

 

見どころ

 

今回のポイントは、信じる心です。

 

主人公のぼくは、クリスマスイブの夜に北極号に乗り、北極点を目指します。

 

北極点はとても大きな街で、街の工場ではクリスマスのプレゼントが作られています。

 

そこでは、小人たちが街の真ん中に集まり、サンタがクリスマスプレゼントの第一号を手渡すことになっています。

 

プレゼント第一号をもらうのは、子どもたちの中から選ばれたひとりです。

 

そこにサンタが現れて、大勢の子どもたちの中から、ぼくを選びます。

 

サンタは、ぼくにプレゼントに何が欲しいのかを尋ねます。

 

ぼくは、サンタに「サンタのそりについた銀の鈴」が欲しいと言います。

 

サンタはぼくに鈴を渡し、ぼくはそれをローブのポケットに入れます。

 

しかし、北極号に戻ったぼくが、ポケットに手を入れると、そこにはぽっかりと穴が空いていて、銀の鈴はなくなっています……。

 

外に出て探す暇もなく、北極号は再び動き始め、帰りの旅が始まります。

 

鈴をなくしたぼくは、とてもがっかりしてしまいます。

 

汽車が家の前に到着し、ぼくは北極号や子どもたちとお別れをします。

 

そして、クリスマスの朝になり、ぼくは妹のサラとプレゼントの包みを開けます。

 

その時、サラがぼくの名前が書かれた小さな箱を見つけ、箱を開けてみると……

 

なんと、あの銀の鈴が入っています!

 

ぼくが鈴を振ってみると、素敵な音がします。

 

でも、その音は大人には聞こえませんでした……。

 

この絵本の最後には、ぼくが大人になった後のことも書かれています。

 

大人になり、友達や妹のサラにもかつて聞こえた鈴の音は、もう彼らの耳には届きません。

 

しかし、ぼくの耳には、まだ鈴の音が聞こえます。

 

ぼくは「心から信じていれば、その音はちゃんと聞こえるんだよ」と言い、物語は締めくくられます。

 

主人公のぼくのように、大人になっても、大切なものを信じる心はなくしたくないものですね。

 

この絵本に描かれているできごとは、まるで夢を見ているかのような不思議なできごとです。

 

このようなストーリーに感情移入できるかどうかは、ふたつのタイプに分かれそうです。

 

つまり、感情移入できるか、できないかのふたつです。

 

前者は、子どもならではの感受性や想像力を持ち続けている人だと言えるでしょう。

 

信じる心を持っている人と、言い換えることもできます。

 

この絵本を折に触れて読み返し、信じる心を忘れないようにしたいものです。

 

印象的なことば

 

心から信じていれば、その音はちゃんと聞こえるんだよ。

 

ぼくが、物語の最後を締めくくる言葉です。

 

大人になっても、心から信じることを大切にしたいですね。

 

感想

 

クリスマスの夜にぼくが体験する、幻想的なできごとを通して、信じることの大切さが描かれた1冊です。

 

C・V・オールズバーグのクリスマス絵本で、1986年度のコルデコット賞受賞作品となっています。

 

幻想的で美しい絵と村上春樹の訳が光っています。

 

この絵本は、2004年に『ポーラー・エクスプレス』という映画にもなっています。

 

映画の方は見ていないのですが、当時話題になっていたのを覚えています。

 

大切なことを思い出させてくれるような絵本で、クリスマスの時期ではなくても、折に触れて読み返したい絵本となっています。

 

絵本朗読の動画もありました。

 


クリスマス絵本朗読『The Polar Express -急行 北極号-』

 

クリスマスに、子どもと一緒に読みたい絵本です。

 

 

急行「北極号」

急行「北極号」

 

 

 

 

 

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岸辺のふたり

岸辺のふたり』を読みました。

 

岸辺のふたり―Father and Daughter

岸辺のふたり―Father and Daughter

 

 

あらすじ

 

父と娘が自転車に乗って、干潟を走っていきます。

 

ふたりは土手の上に自転車をとめ、父は娘にお別れをします。

 

そして、父はそっと水平線に向かって船を漕ぎ出します。

 

娘は日が沈むまでずっと父の帰りを待ちますが、父は帰ってきません。

 

やがて娘は成長し、母親の役目も終えます。

 

ある日、父と別れたあの土手に向かい、空き地に横たわると……。

 

父と娘の別れと再会が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

この絵本の見どころは、喪失と再生です。

 

水平線に向かって船を漕ぐ父は、それっきり帰ってくることがありませんでした。

 

しかし、離れても、娘の父を想う気持ちは消えません。

 

その想いは消えるどころか、募るばかりです。

 

その気持ちが通じたのか、最後に父と娘は再会を果たします。

 

大切な人がいなくなれば、誰もが悲しむことでしょう。

 

その気持ちは薄れることなく、私たちの心に残り続けます。

 

何をやっていても、誰といても、常にその気持ちはつきまといます。

 

この絵本では、そんな気持ちが、丁寧に描かれています。

 

そして、その想いが伝わったのか、やがて再会が訪れると、何にも代えがたい喜びが込み上げます。

 

一旦別れてしまうと、二度と会うことが出来ないと思いがちですが、生きていれば、思わぬ再会があることだってあるのです。

 

だからこそ、人は生き続けるべきであるし、人生は生きる価値があるのだと思います。

 

別れがあれば、再会もある。

 

この絵本では、そんな希望のある終わり方になっています。

 

印象的なことば

 

人生は あらゆる歓びを もたらしてくれる ただ いくつも年をかさねた 少女のもとに 父だけは 帰ってこなかった

 

感想

 

ある親子の別れと再会が描かれた1冊です。

 

まるで、映画を見ているかのような感覚で読むことができます。

 

最後は希望がある終わり方なのですが、全体的にはどこか寂しさが漂う絵本です。

 

それでも、父のことを想いながら、生き続ける娘の姿には、強さを感じます。

 

この絵本では、そんな生きる力が静かに描き出されています。

 

別れなど悲しいことがあっても、生き抜くことが大事なのだと、この絵本を読んで感じました。

 

生きる上での悲しみと喜びが描かれた、大人の絵本です。

 

 

岸辺のふたり―Father and Daughter

岸辺のふたり―Father and Daughter

 

 

 

 

 

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