死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

ぼくはねこのバーニーがだいすきだった

『ぼくはねこのバーニーがだいすきだった』を読みました。

 

 

ぼくは ねこのバーニーがだいすきだった (世界の絵本)

ぼくは ねこのバーニーがだいすきだった (世界の絵本)

 

 

 

あらすじ

ねこのバーニーは、金曜日に死んじゃった。
ぼくは、とっても悲しくて、泣いてテレビも見なかった。
泣いて、泣いて、夕ご飯も食べなかった……。
 

見どころ

今回の見どころは、死の捉え方です。
ねこのバーニーが死んでしまい、ぼくは悲しみに暮れています。
翌日、家族と隣のアニーで、バーニーのお葬式をします。
ぼくは、昨日考えたバーニーのいいところを9つ、みんなに話します。
おしまいに、みんなで歌を歌います。
その後、台所でアニーとお菓子を食べていると、
バーニーの居る場所の話になります。
アニーは天国にいると言い、ぼくは地面の中だと言い張ります。
アニーが帰ったあと、お父さんがぼくを庭仕事に誘います。
そこで、お父さんはぼくにとても大切なことを伝えるのでした……。
この絵本では、ぼくが大事なねこのバーニーを失ってから、段々と立ち直るまでが描かれています。
小さな頃の喪失体験というものは、とても大きな出来事です。
それが、人でなくて、ペットであっても。
ペットも、立派な家族の一員なのです。
そして、命ある者は、やがてお別れのときがきます。
そのときに、どうその体験を乗り越えるのか、というのは大きなテーマになります。
特に、まだ子どもであれば、まわりのサポートが欠かせません。
この絵本では、ぼくのお父さんとお母さんが、ぼくが悲しみから乗り越えられるよう、支えています。
お父さんは、ぼくを庭仕事に誘い、そこで重要なことを話します。
それは、現実的でありながら、子どもの心にも真っ直ぐに届く内容でした。
人も動物も、死んだらそこで終わりではない。
次の場所で、ちゃんと役目を果たしているのですね。
死の捉え方が思いやりに溢れている一冊です。
 

印象的な言葉

そうとも、はなを さかせる てつだいも するし、くさや きを おおきくする てつだいも する。ちっちゃな ねこにしては、これは なかなか たいしたことだよ。
お父さんの言葉です。
世の中も、人も動物も変わっていく。
形を変えながら、人のため世のために循環しているのです。
死ぬことや失うことの悲しみが、軽くなる言葉です。
 

感想

コンパクトなサイズの、タイトルが印象的な絵本です。
表紙やタイトルに惹かれ、思わず手に取りました。
これが、名作でした。
ねこ好きということもあり、手に取りましたが、
タイトルの言葉が過去形ということから、何らかの別れがあったのかなと想像していましたが、やはりお別れに関する一冊でした。
でも、悲しいことは悲しいんですが、
少年の家族のサポートもあり、
生きることや死ぬことに関して、
率直でありながら、優しさに溢れている絵本でした。
とくに、ペットを失った方に読んでほしい絵本です。
 

 

ぼくは ねこのバーニーがだいすきだった (世界の絵本)

ぼくは ねこのバーニーがだいすきだった (世界の絵本)

 

 

 

 

 

 

 

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ワニくんのおおきなあし

『ワニくんのおおきなあし』を読みました。

 

 

ワニくんのおおきなあし (ニッサン絵本大賞作家集)

ワニくんのおおきなあし (ニッサン絵本大賞作家集)

  • 作者:みやざき ひろかず
  • 出版社/メーカー: ブックローン出版
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 大型本
 

 

あらすじ

僕の足は、みんなよりもずっと大きい。
そのせいで、ガビョウを踏んづけたり、街中で足を踏まれたり。
水で洗えば、少しは縮むかと思い、洗濯機でジャブジャブジャブ……。
 

見どころ

今回の見どころは、短所は長所でもあるです。
ワニくんは、大きな足がコンプレックスです。
そのため、さまざまな方法で足を縮ませようと画策しますが……。
なかなかうまくいきません。
しかし、足の大きさはそのままでも、よくよく考えてみると、足が大きいことは悪いことばかりでもないと気付きます。
ワニくんは、自分の足に謝り、感謝します。
この絵本では、ワニくんがコンプレックスだった大きな足を、長所として認めるまでが描かれています。
自分が短所だと思っている部分が、実は長所だということはあります。
それは、外見でも内面でも、どちらでもあります。
なかなかそれに気づくまでには時間がかかることではありますが、
自分を嫌いになったり否定するのではなく、如何に認めてあげるかが重要です。
時には、まわりのひとがそのことに気付かせてくれるかもしれません。
自分や他人を認めてあげることのできる人になりたいものです。

 

印象的なことば

これからも よろしく
ぼくの おおきな あし

 

最後のページにある言葉です。
ワニくんの大きな足と、地面に咲いた小さな花が描かれています。
ワニくんが自分の個性を認め、大きな一歩を踏み出した瞬間の大切な言葉です。
 

感想

大きな足をしたワニくんの絵が、なんとも可愛い表紙です。
シンプルながらも、個性や自分自身を認めることの大切さが強く伝わってくる絵本です。
特に、自分自身のことで悩んでいる人におすすめです。
大人が読んでも、十分に気付きを得られる一冊です。
ワニくんのように、自分を認めてあげましょう。
 

 

ワニくんのおおきなあし (ニッサン絵本大賞作家集)

ワニくんのおおきなあし (ニッサン絵本大賞作家集)

  • 作者:みやざき ひろかず
  • 出版社/メーカー: ブックローン出版
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 大型本
 

 

 

 

 

 

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ありがとうのえほん

『ありがとうのえほん』を読みました。

 

 

ありがとうのえほん

ありがとうのえほん

  • 作者:フランソワーズ
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2005/10/01
  • メディア: 大型本
 

 

あらすじ

おんどり、めんどり、おひさま…… 

みんな みんな、ありがとう。
身の回りにあるものに感謝の気持ちでいっぱいになる一冊です。
 

見どころ

今回の見どころは、些細なものに感謝することです。
この絵本では、女の子が日常の暮らしの中で関わるものやことについて、感謝の気持ちが描かれています。
その対象は、おんどり、めんどり、おひさま、おはな、さくらの木など、実に多彩です。
普段は当たり前にそこにあるものとして認識しているものでも、
その一つひとつが、私の生活や世界を作り上げているのです。
そして、そのおかげで、生活がより豊かに楽しく、味わい深いものになっている。
それらひとつひとつに感謝することは、普段は当たり前すぎて、あまり出来ている人はいないかもしれません。
しかし、ひとつひとつに感謝することで、自分の人生を愛する気持ちも高まるし、人生がさらに豊かになるのだと思います。
人は生きているんじゃなくて、生かされている、という言葉はよく使われますが、
まさに自分一人の力ではなく、たくさんのものや人に支えられて生きているのだという実感が、感謝することで生まれてきます。
当たり前のことは、決して当たり前ではないのだということに気付くきっかけになる、そんな絵本です。
 

印象的な言葉

まいにち いろんなことが
べんきょうできる
わたしの がっこう
ありがとう

 

 
学校のイラストがあり、その隣のページには、イラストのような落書きが貼ってあります。
学校に対して、いいイメージも悪いイメージもあるかと思いますが、
本来は、毎日色々なことを学べる場所なのだなぁと、改めて思いました。
 

感想

フランソワーズが描く、小さなことにも感謝したくなる絵本です。
表紙は、ピンク色がメインで可愛いイラストが描かれていて、
表紙からも、優しさが溢れ出しています。
中身も、表紙に負けず劣らず、優しい世界観が展開されています。
複雑な情報社会にあっても、
人生のシンプルな喜び、日々の些細なことの大切さには共感せずにいられません。
子どもはもちろん、特に日々忙しく過ごす大人にこそ読んで欲しい一冊です。
 
 

 

ありがとうのえほん

ありがとうのえほん

  • 作者:フランソワーズ
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2005/10/01
  • メディア: 大型本
 

 

 

 

 

 

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さあ、しゃしんをとりますよ

『さあ、しゃしんをとりますよ』を読みました。

 

 

さあ、しゃしんをとりますよ

さあ、しゃしんをとりますよ

 

 

あらすじ

ある日、おかみさんのエレンが、明日の結婚記念日に写真を撮ってもらおうと、言います。
そこで、靴屋さんは、写真屋さんを呼んできます。
いざ写真を撮ろうとすると……。
 

見どころ

今回の見どころは、ありのままを写し出す写真です。
靴屋さんと奥さんのエレンさんは、結婚記念日に写真を撮ろうと、写真屋さんを呼びます。
当日、靴屋さんの元に、写真屋さんとアシスタントの男の子ジミーがやってきます。
写真屋さんが、カメラにフィルムをセットして、三脚をつけました。
ところが、写真をいざ撮ろうとすると、靴屋さんと奥さんがあれこれ言い出し、意見がまとまらず、その度にジミーが口を挟みます。
そんなことを何回も繰り返すうちに、靴屋さんと奥さんのエレンさんは、色んなものを持たされるはめに……。
そして、次々とハプニングが起こっていきます。
状況が落ち着き、いざ写真を撮ろうとすると……。
この絵本では、靴屋さんの夫婦が、写真屋さんに写真を撮ってもらうまでが描かれています。
プロの写真屋さんに写真を撮ってもらう時って、特別なときですよね。
靴屋さん夫婦も、結婚記念日なので、とびきりの写真を撮ってもらおうとしたはずです。
しかし、特別な写真だからと意識するあまり、色んなものや小道具を持ち出して、ゴテゴテしてしまいます……。
そして、いざ撮ろうとすると、笑顔が出ない……。
ジミーが様々な手法で笑わせようとしますが、二人は笑いません。
ですが、最後のハプニングで、二人から自然な笑みが溢れます。
そして、出来た写真は……。
そこには、写真屋さんの言葉通り、「ありのま」が写っていました。
写真はありのままがいいという信念を持った写真屋さん。
しかし、撮られる側としては、ありのままでいることは、なかなか難しいものです。
それでも、ありのままでいること、ありのままを受け入れることが大事なのだと感じました。
写真を撮ること、撮られることについて、面白おかしさの中で考えさせられる一冊でした。
 

印象的なことば

しゃしんは、ありのままが いいんですよ
写真屋さんの言葉です。
撮られる側は、自然体でいるのがなかなか難しいものですが、
やはりありのままでいるのが一番なのでしょう。
 

感想

少しレトロなイラストの表紙が可愛らしくて、手に取りました。
中身も、ほのぼのストーリーで、
面白おかしさのなかでも、写真についての本質が示されていて、
楽しく読むことができました。
靴屋さんのご夫婦も、なかなか個性的で面白いです。
こんな靴屋さんがいたら、かなりユニークですね。
また、写真について撮ること、撮られることを考えさせられました。
いまは、セルフィーのように、自分で自分の写真を撮って、いくらでも加工できる時代。
この絵本の写真屋さんが言うような、「ありのまま」とは真逆の時代だと言うこともできます。
それでも、やはり写真のジャンルにもよりますが、写真の本質はありのままを写すことだと思います。
この絵本を、今の時代を生きる若い子に読んでみて欲しいなと感じました。
子どもから大人まで楽しく読める一冊です。
 

 

さあ、しゃしんをとりますよ

さあ、しゃしんをとりますよ

 

 

 

 

 

 

 

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もしぼくが本だったら

『もしぼくが本だったら』を読みました。

 

もしぼくが本だったら

もしぼくが本だったら

 

 

あらすじ

もしぼくが本だったら……。
連れて帰ってくれるよう、出会った人に頼むだろう。
この絵本は、もしぼくが本だったらという想像から始まる、本にまつわる想像力に溢れた絵本です。
 

見どころ

今回の見どころは、本がもたらすものです。
この絵本では、「もしぼくが本だったら」という視点から、様々なシチュエーションでの本としての魅力が語られます。
もしぼくが本だったらという、本側の視点から書かれていますが、
読者は本がもたらすものとして、たくさんのアイデアを得ることができます。
こんな考え方もあるんだというものから、読書好きには共感できるものまで、たくさんの本の魅力が表現されています。
読書家の方だと、思わず共感するものの方が多いと思います。
子どもにとっては、本の魅力に誘われるような絵本であり、
大人にとっては、共感の嵐のような作品となっています。
 

印象的なことば

もしぼくが本だったら
流行や義務で
読まれるのはごめんだ。
 

 

本の顔をしたヘビが描かれたページにある言葉です。
いっときの流行や学校の宿題の義務で、心からその本を読みたいわけじゃないけれど、その本を読むことになる、というシチュエーションは誰もが経験したことのあるものだと思います。
しかし、自分が本だとしたら、やはり本心から読みたいと思って手に取って欲しい。
本としても、普遍的な存在になりたい気持ちの表れかもしれません。
そんな強い気持ちが感じられる言葉です。
 

感想

何年か前から、書店などに置かれていて、気になっていた存在の本だったのですが、
今回はじめてじっくりと読むことが出来ました。
ポルトガルの親子が制作した絵本だそうで、
文章をジャーナリストのお父さんが担当し、絵をイラストレーターのアンドレさんが担当されています。
サイズもちょうどよく、持ち運びにも適していますし、
部屋のインテリアとして飾っても良さそうです。
本好きにはたまらない一冊で、ページをめくると「そうそう」と共感しきりの絵本となっています。
特に大人の読書好きの方におすすめしたい一冊です。
 

 

もしぼくが本だったら

もしぼくが本だったら

 

 

 

 

 

 

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ナイトシミー

ナイトシミー』を読みました。

 

 

ナイトシミー―元気になる魔法

ナイトシミー―元気になる魔法

 

 

 

あらすじ

エリックは、口を聞きません。
他の子たちには、理由がわかりません。
みんなは、エリックのことを「だんまりおばけ」と言います。
エリックは、ただ喋りたくないし、喋る必要もありません。
エリックには、秘密の友達がいて……。
 

見どころ

今回の見どころは、心を開くことです。
エリックは、人とほとんど話しません。
エリックには秘密の友達「ナイトシミー」がいて、代わりに喋ってくれるのでした。
ナイトシミーは、どの本が面白いか教えてくれたり、
怖い夢の中で巨大なトカゲが襲ってきても、助けてくれます。
ある日、公園でマーシャが遊んでいるところで、ナイトシミーがスパイしているのがマーシャにバレてしまいますが、マーシャはそんなことは気にしません。
そこから、マーシャとエリックは、りんごの木に登って遊びます。
そして、ふたりでたこあげをします。
次の日、朝目覚めると……。
なんと、ナイトシミーがいなくなっているのです!
エリックは、ふとんや引き出しなど調べますが、残念ながら見つかりません。
エリックは一日中、ものを叩いたり蹴ったりして、荒れてしまいます。
マーシャが玄関に来て誘いますが、エリックは自分の部屋に閉じ籠もります。
そして、エリックが窓から外を見ると……。
ひとりぼっちのマーシャがたこあげをしますが、たこが木に引っかかってしまいます。
エリックは自ら外に出て、タコを取ってあげます。
そして、ふたりは今まで話してこなかった、色々なことを喋りはじめます……。
この絵本では、エリックが外界に心を開いて、友人と喋り出すまでが描かれています。
エリックは架空の友達であるナイトシミーとだけしか話さず、外の世界に心を閉ざしていました。
しかし、マーシャという女の子と出会い、一緒に遊ぶことで、次第に心を開いていき、
いつしかナイトシミーなしでも、人と繋がることができるようになります。
人に対して心を開いて話すことは、子どもだけでなく、大人にも難しい部分があります。
けれども、少しの勇気ときっかけがあれば、案外自分の殻を破るのは簡単なことなのかもしれません。
その先には、開かれた世界、たくさんの仲間が待っています。
勇気を出して繋がることの大切さがわかる一冊です。
 

印象的なことば

そのたこ、とってあげる
エリックがマーシャに言った言葉です。
ひとりぼっちのマーシャが困っているところに、
エリックが勇気を出して、言った言葉です。
エリックが心を開いた瞬間の言葉でもあります。
 

感想

ナイトシミー、という聞き慣れない言葉のタイトル。
表紙には、パジャマの上に黒いマントと帽子を被った男の子が描かれています。
好奇心をくすぐられて、手に取った一冊。
いざ読んでみると、子どもだけでなく大人の心にも響くストーリーでした。
他人に心を開くことって難しいんだけれども、開いたところからしか見られない景色がある。
そんなことを、改めて感じました。
たしかに自分をさらけ出すには、ある程度勇気が必要ですが、
その勇気はひょんなことがきっかけで、出てくるものなのですよね。
子どもから大人まで読んで欲しい一冊です。
 

 

ナイトシミー―元気になる魔法

ナイトシミー―元気になる魔法

 

 

 

 

 

 

 

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ピートのスケートレース

ピートのスケートレース』を読みました。

 

 

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)

 

 

あらすじ

舞台は、第二次世界大戦中のオランダ。
ピートはスケートが大好きな10歳の少年です。
辛い時代においても、いつかオランダ最大のスケートレースに出場するという夢を強く持ち続けているピート。
そんな彼に、ある日重大な仕事がまかされ……。
 

見どころ

今回の見どころは、ピートの勇気とたくましさです。
この絵本では、ピートが重大な仕事を任され、それを無事完了するまでが描かれています。
その重大な仕事は、隣人の兄弟を、おばさんの家まで送り届けることです。
時代は、第二次世界大戦のさなかです。
隣人のヨハンナとヨープのお父さんは、無線機を隠し持ち、密かにイギリスと通信していたことがバレてしまい、ドイツ兵に連行されてしまいます。
そこで、子どもたちの安全のために、ブリュッへのおばさんの家に子どもたちをスケートしながら送り届ける任務を、ピートは与えられます。
オランダの冬は厳しく、人々はスケートを楽しむそうです。
そして、国土がドイツに占領されても、スケートをすることは許されていたのです。
ピートがスケートをしながら、ヨハンナとヨープを送り届けるまでは、まさにドキドキハラハラの連続ですが、
そんな中でも、街や自然の風景、子どもたちの絆、たくましさと勇敢さが魅力的に映ります。
第二次世界大戦中のオランダは、現代の日本からは、とても離れた時代と環境で、異国情緒があふれていますが、
そんな中でも、ピートのたくましさや成長する姿は、共感を持って読むことができます。
 

印象的なことば

最後にもうひとつ!
あの言葉を氷につづってみて!

 

最後に、ヨハンナたちと別れるピートが、
ヨハンナにこう頼みます。
そして、ヨハンナがすべりながら氷の上に書いた文字は……。
それは、ピートの夢でもありました。
 

感想

冬に似合うタイトルと表紙。
一見、平和なストーリーを想像しましたが、
しかし、サブタイトルを見ると、「第二次世界大戦下のオランダ」とあります。
ここで、シリアスな内容かなと感じました。
実際に読んでみると、時代背景はなかなか厳しい時代です。
ですが、子どもたちの明るさや勇敢さ、
またこの絵本の題材が、スケートだということもあり、
重苦しくなく、むしろ爽やかなくらいです。
子どもたちが勇敢に氷上をすべる姿を見ると、勇気が湧いてきます。
現代の日本とは、環境や状況が全く異なりますが、それでも最後までドキドキワクワクしながら読める作品です。
 
 

 

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)

 

 

 

 

 

 

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