死ぬまでに読みたい絵本

子供と大人両方に読んでほしいけれど、特に大人が楽しめる、そんな絵本などを紹介するブログです。

たからもの

『たからもの』を読みました。

 

たからもの

たからもの

 

 

あらすじ

 

むかし、アイザックという男がいました。

 

アイザックは貧しくて、お腹を空かせたまま、床につくこともありました。

 

ある晩、アイザックは夢を見ます。

 

最初は、その夢を気にもとめなかったアイザックでしたが、同じ夢を3回見たときに、考えが変わります。

 

アイザックは、夢のお告げに従って、宝物を探しに旅に出ますが……。

 

宝物を探し当てる男の不思議な物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、本当に価値のあるものは意外と近くにあるという事実です。

 

むかし、アイザックという男がいました。

 

アイザックは、貧しくて、お腹を空かせたまま床につくことも珍しくありません。

 

ある晩、アイザックは夢の中で、「都の宮殿の橋の下で宝物を探しなさい」という声を聞きます。

 

アイザックはただの夢だと思い、気にもとめません。

 

しかし、同じ夢を3回も続けて見たときに、もしかしたら本当かもしれないと思い、アイザックは旅に出ます。

 

アイザックは、森を抜け、山を越え、ようやく都につきます。

 

ところが、宮殿の橋へ行くと、何人もの衛兵が昼も夜も警固にあたっていました。

 

アイザックは宝物を探さずに、毎朝橋へ行き、日が暮れるまで辺りを歩き回ります。

 

ある日、衛兵の隊長が、「なぜいつもここにいる?」と尋ねます。

 

アイザックが夢の話をすると、隊長は笑います。

 

隊長は、いつか見た夢の話をします。

 

その夢とは、アイザックという男の家のかまどの下で、宝物を探す夢でした。

 

アイザックは、隊長におじぎをして、はるばるきた道を戻り始めます。

 

ようやく、アイザックは自分の町につきます。

 

そして、家に帰って、かまどの下を掘ると、宝物が出てきます。

 

アイザックは、感謝の気持ちから、祈りの家を建てます。

 

また、隊長にはまたとないほど素晴らしいルビーを贈ります。

 

その後、アイザックは、一生心安らかに暮らし、二度とひもじい思いをすることはありませんでした。

 

この絵本を読むと、本当に価値のあるものは、意外と近くにあるということがわかります。

 

アイザックは、ある夢を信じて、遠くの都へ行きます。

 

そこには、宝物があると、夢で見たからです。

 

しかし、そこでは宝物は見つかりません。

 

代わりに、宮殿の橋にいる衛兵の隊長から、ある夢の話を聞き、自分の町へ戻ります。

 

そして、隊長の言う通り、自分の家のかまどの下を掘ると、宝物が出てきます。

 

その後、アイザックは感謝の気持ちから、祈りの家を建てます。

 

そして、壁にこう刻みます。

 

近くにあるものを見つけるために、遠くまで旅をしなければならないこともある。

 

まさに、その通りです。

 

本当に価値のあるものは意外と近くにあるということに気付くまでに、遠回りをしなければならないこともあるのです。

 

そんなことに、改めて気付かされる絵本です。

 

印象的なことば

 

ちかくに あるものを みつけるために、

とおくまで たびを しなければならないこともある

 

 

アイザックは、感謝の気持ちから、祈りの家を建てます。

 

そこの壁に、刻んだ言葉です。

 

これは、普遍的な言葉だと思います。

 

感想

 

宝物を遠くの都まで探しに行く男の話です。

 

結局、その宝物は自分の家にあったのですが……。

 

大事なことは、遠回りをしないとわからないこともある、ということでしょう。

 

この絵本は、1980年のコルデコット賞の銀賞を受賞しています。

 

だいぶ前からある絵本なのですね。

 

シンプルなストーリーの中に、訴えかけてくるものがある絵本です。

 

 

たからもの

たからもの

 

 

 

 

 

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おへそのあな

『おへそのあな』を読みました。

 

おへそのあな

おへそのあな

 

 

あらすじ

 

お母さんのお腹の中に、小さな赤ちゃんがいます。

 

赤ちゃんは、お母さんのおへその穴から外の世界を見ます。

 

すると、お兄ちゃんが見え……。

 

お母さんのおへその穴から見た世界が描かれた、温かな家族の物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、お母さんのおへその穴から見る外の世界です。

 

お母さんのお腹の中には、小さな赤ちゃんがいます。

 

赤ちゃんは、お母さんのおへその穴から外を見ます。

 

そこには、お兄ちゃんやお姉ちゃん、お父さんが見えます。

 

みんな、赤ちゃんのために、ロボットを作ったり、花を育てたり、歌を作ったりしています。

 

また、赤ちゃんは、おへその穴から、外の匂いを嗅ぎます。

 

そこでは、家族みんなが食事の準備をしています。

 

お母さんは、赤ちゃんが元気に生まれてくるように、バランス良く食べます。

 

さらに、赤ちゃんは、おへその穴から色んな声を聞きます。

 

そこでは、お父さんが赤ちゃんの名前を考え、お母さんが両親に電話をしています。

 

また、お父さんが「赤ちゃんが生まれたら、みんなで海を見に行こう」と言います。

 

風の音や波の音が、聞こえてくるようです……。

 

そして、その夜に、赤ちゃんがおへその穴から、聞こえないように言います。

 

「明日生まれていくからね」と。

 

この絵本では、赤ちゃんがお母さんのおへその穴から、外の世界を見る様子が描かれています。

 

そこには、幸せな家族の光景が広がっています。

 

家族のみんなが、赤ちゃんが生まれるのを、心から楽しみにしているのが伝わってきます。

 

その気持ちが赤ちゃんにも伝わり、最後に赤ちゃんは「明日生まれていくからね」と言います。

 

幸せそうな家族の姿に、心が温まる一冊です。

 

印象的なことば

 

あした うまれて いくからね

 

赤ちゃんの言葉です。

 

最後のページに、月に照らされたチューリップの花とともに、この言葉があります。

 

家族のみんなに対する、はじめての言葉かもしれません。

 

きっと家族みんなが赤ちゃんを思う気持ちが伝わったのですね。

 

感想

 

お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんの視点が描かれた絵本です。

 

まさに、幸せな家族が描かれていて、思わず微笑んでしまいます。

 

絵本では、赤ちゃんがお母さんのおへその穴から外の世界を見るのですが、こんな風に生まれる前に外の世界が見られたら面白いなと思います。

 

特に、この家族のように、みんなが赤ちゃんを心待ちにしている様子が見られたら、嬉しいですよね。

 

理想的な家族が描かれた絵本です。

 

 

おへそのあな

おへそのあな

 

 

 

 

 

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バスラの図書館員

『バスラの図書館員』を読みました。

 

バスラの図書館員―イラクで本当にあった話

バスラの図書館員―イラクで本当にあった話

 

 

あらすじ

 

アリアさんは、イラクの港町にあるバスラの図書館員です。

 

アリアさんの図書館には、本を愛する人たちが集まってきます。

 

そこでは、みんながこの世界の問題を話し合います。

 

しかし、最近では、みんなは戦争のことばかり話します。

 

アリアさんは、図書館の本を、安全な場所に移してほしいと当局に求めますが……。

 

バスラの図書館で実際に起きた出来事が描かれた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、アリアさんの本への情熱です。

 

アリアさんは、イラクの港町、バスラの図書館員です。

 

アリアさんの図書館には、本を愛する人たちが集まってきます。

 

図書館では、みんなで世界の問題などを話し合います。

 

最近では、みんなが話すのは、戦争のことばかりです。

 

アリアさんは、戦火が本を滅ぼしてしまうことを恐れています。

 

そこで、図書館の本を安全な場所に移してほしいと、アリアさんは当局に求めます。

 

しかし、「それはできない」と言われてしまいます。

 

そこで、アリアさんは、ある行動を起こします。

 

なんと、毎晩図書館が閉まったあと、図書館の本を、自分の車に運び入れたのです。

 

そして、ついに戦争がバスラの町を襲います。

 

みんな図書館を見捨てて、逃げ出します。

 

本を守るために図書館に残ったのは、アリアさんだけです。

 

アリアさんは、図書館の塀から、友達のアニスさんに手伝いを求めます。

 

アニスさんは、図書館の隣でレストランをやっています。

 

アリアさんは、アニスさんとみんなで、図書館の本を、徹夜でレストランに隠します。

 

その後、戦争はますます広がりますが、本は無事です。

 

9日後、図書館は燃え落ちます。

 

やっと、戦争がおさまった頃、アリアさんはトラックを借り、3万冊の本を全て自分の家と、何人かの友達の家に運びます。

 

アリアさんは、戦争が終わり、平和なときがくると信じています。

 

そのときがくるまで、アリアさんは図書館の本を守ります。

 

この絵本では、実際にバスラの図書館で起こったことが描かれています。

 

バスラの図書館員のアリアさんは、戦争から本を守るために、行動を起こします。

 

アリアさんは、自分や友達の家に、3万冊の本を運んだのです。

 

そんなに多くの本を守れたのは、アリアさんの強い本への情熱があるからこそだと思います。

 

アリアさんは、責任感が強く、本当に本を愛しているのです。

 

この絵本には、そんなアリアさんの本への情熱が詰まっています。

 

戦争の中でも、希望を捨てない図書館員の姿に心打たれます。

 

印象的なことば

 

本をまもりたいの。手伝ってくれない?

 

アリアさんの言葉です。

 

アリアさんが、友達のアニスさんに助けを求めるときに、こう言います。

 

アリアさんの本を守りたいという強い気持ちが伝わってきます。

 

感想

 

イラクの図書館での実話が描かれた絵本です。

 

図書館員のアリアさんの力強い行動や本への情熱が、感動的に描かれています。

 

私は、この実話を、この絵本で初めて知りました。

 

アリアさんの勇敢な行動に、胸を打たれました。

 

彼女は、図書館員の鏡だと思います。

 

本当に本を大切にしているのが、伝わってきます。

 

もう10年位前の絵本ですが、その感動は薄れません。

 

時代を超えて読み継がれてほしい一冊です。

 

 

バスラの図書館員―イラクで本当にあった話

バスラの図書館員―イラクで本当にあった話

 

 

 

 

 

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ねこのせんちょう

『ねこのせんちょう』を読みました。

 

ねこのせんちょう

ねこのせんちょう

 

 

あらすじ

 

ねこのせんちょうの家は、川の側に立っています。

 

せんちょうは昼寝が大好きで、人間のベッドや階段のてっぺんでも寝ます。

 

せんちょうは、眠っていないときは、体の手入れをしたり、エサを食べたりします。

 

そして、月明かりの晩に、せんちょうは出かけていき……。

 

せんちょうの暮らしが描かれた絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、ねこのせんちょうの日常です。

 

ねこのせんちょうの家は、川の側に立っています。

 

せんちょうは昼寝が大好きで、ベッドや階段のてっぺんなど、様々な場所で寝ます。

 

また、せんちょうは眠っていないときは、体の手入れをします。

 

手足をぺろぺろ舐め、しっぽの先まできれいにします。

 

そして、せんちょうは眠ったり、舐めたりしていないとき、食べています。

 

せんちょうのための青い皿で、魚を食べることもあります。

 

さらに、眠ったり、舐めたり、食べたりしていないとき、せんちょうは外に出かけます。

 

月明かりの晩に、せんちょうは川のほとりまで歩き、ボートに飛び乗り、オールを漕いで恋人の家を目指します。

 

星空の下で、ふたりは仲睦まじく過ごします。

 

夜が明ける前に、ふたりはわかれ、せんちょうは家路につきます。

 

そして、せんちょうはベッドに飛び乗り、のどをごろごろ鳴らします。

 

この絵本では、ねこのせんちょうの日常が描かれています。

 

ねこらしい生活が描かれるとともに、まるで人間のような一面もあります。

 

せんちょうは、なんとボートに乗り、オールを漕いで、恋人の家に遊びに行きます。

 

ふたりが星空の下で過ごす場面は、なんともロマンチックです。

 

ねこのせんちょうが可愛らしくて、思わず微笑んでしまう絵本です。

 

印象的なことば

 

ほしぞらの した、ふたりは なかむつまじく すごす。

てと てを かさねて。

 

 

せんちょうと恋人のねこが、ボートにふたりきりでいる場面です。

 

星空の下、ふたりだけの時間を過ごすカップルは、幸せそうな顔をしています。

 

感想

 

ねこのせんちょうの生活が描かれた絵本です。

 

ねこのせんちょうが可愛くて、ねこ好きの方は必見の一冊です。

 

作者のマドレーヌ・フロイドは、実際に川の側の家で、夫とねこの「せんちょう」(英語だとキャプテン)と暮らしているそうです。

 

作者が実際にねこを飼っているからこそ、ねこの日常が細部まで丁寧に描かれているのですね。

 

その視点は、愛情に溢れている感じがします。

 

私は、特にせんちょうが、ボートに乗って恋人へ会いに行き、星空の下でふたりが一緒に過ごす場面が好きです。

 

また、せんちょうというネーミングのセンスもすごくいいと思います。

 

違う名前だったら、インパクトが薄まってしまいそうです。

 

特にねこ好きの方におすすめの一冊です。

 

 

ねこのせんちょう

ねこのせんちょう

 

 

 

 

 

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ゼロ年代+の絵本【2005年】

あけましておめでとうございます。

 

今年もよろしくお願いします。

 

今回は、ゼロ年代+の絵本の第6回目「2005年版」です。

 

ゼロ年代+の絵本の企画概要などは、こちらです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

それでは、2005年版スタートです。

 

 

 

①9月のバラ

 

ehon0016.hatenablog.com

 

9.11のときに、ユニオン広場で作者が実際に聞いた話をもとにして作られた絵本です。コンパクトなサイズの絵本で、多くの人に読んでもらいたい作品です。

 

 

②おじいちゃんがおばけになったわけ

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

エリックとおばけになったおじいちゃんの心温まる一冊です。孫とおじいちゃんの仲の良さが伝わってくる、素敵な絵本です。

 

③終わらない夜

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

終わらない夜の旅が描かれた不思議な絵本です。不思議な夜の世界を冒険できる、魅力的な一冊です。

 

④カクレンボ・ジャクソン

 

ehon0016.hatenablog.com

 

恥ずかしがり屋のカクレンボ・ジャクソンが才能を発揮します。自分らしくいることの素晴らしさがわかる一冊です。

 

⑤くものすおやぶんとりものちょう

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

くものすおやぶんが街の平和のために大活躍する絵本です。おやぶんのかっこいい姿が描かれた、必見の一冊です。

 

⑥綱渡りの男

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

ニューヨークのツイン・タワーで、実際に綱渡りをした大道芸人の物語です。フランス出身の大道芸人フィリップ・プティの素晴らしい大道芸が見られます。

 

⑦どんなかんじかなぁ

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

ひろくんが友達の立場になって考えを巡らせ、様々なことに気付くお話です。大事なことに気付かされる、そんな絵本です。

 

⑧ハルばあちゃんの手

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

ハルばあちゃんの人生が感動的に描かれた物語です。人の手の持つ力強さや生命力、または創造力や美しさに心揺さぶられます。

 

⑨ぼうし

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

動物たちが繰り広げる、ぼうしにまつわる楽しい絵本です。冬に家族で読みたい一冊です。

 

⑩ポテト・スープが大好きな猫

 

 

ehon0016.hatenablog.com

 

おじいさんと猫の心温まるストーリーです。訳は、村上春樹さんです。猫好きな人には、特にオススメです。

 

 

 

ベスト作品発表

 

2005年も、名作揃いですね。

 

今回も、海外絵本と国内絵本のそれぞれで、ベスト作品を決めたいと思います。

 

海外絵本では、『ポテト・スープが大好きな猫』がベスト1です。

 

書店でひとめぼれした絵本で、内容も期待を裏切らないものになっています。

 

村上春樹さんの訳もいいです。

 

猫好きの人も、そうでない人もオススメの一冊です。

 

また、国内絵本では『ハルばあちゃんの手』がベスト1です。

 

ストーリーも絵も完璧な絵本でした。

 

読後は、良質な日本映画を観たような感覚になります。

 

感動の名作です。

 

また、子どもに読んでほしいナンバー1は、『どんなかんじかなぁ』です。

 

他人の立場になって考えることの重要性が感じられる絵本です。

 

子どもだけではなく、大人にも読んでほしい一冊です。

 

2005年の傾向

 

2005年は、バラエティー豊かで、内容も様々なものがありました。

 

その中でも、9.11に関する作品が、ふたつ登場しました。

 

『9月のバラ』と『綱渡りの男』です。

 

『綱渡りの男』は、直接的に9.11を描いた作品ではありませんが、絵本の中でツイン・タワーが出てきます。

 

『9月のバラ』は、作者のジャネット・ウィンターが実際に聞いた話をもとにつくられた絵本です。

 

どちらも、後世に残したい絵本です。

 

国内絵本では、子どもだけではなく、大人にも楽しめる絵本が増えているような印象を受けました。

 

『ハルばあちゃんの手』は、むしろ大人に読んでほしい感動の絵本です。

 

以上が、ゼロ年代+の絵本の2005年版でした。

 

気になった絵本がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

あなたの心の一冊が見つかれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

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ハルばあちゃんの手

『ハルばあちゃんの手』を読みました。

 

2017年最後の一冊です。

 

ハルばあちゃんの手 (日本傑作絵本シリーズ)

ハルばあちゃんの手 (日本傑作絵本シリーズ)

 

 

あらすじ

 

ハルは、海辺の小さな村に生まれます。

 

ハルの手を見て、みんなが「器用だし、幸せになる」と言います。

 

小学生になったハルは、折り紙やお手玉など、手を使うことなら誰にも負けません。

 

みんなが、ハルの手を羨ましがります。

 

あるとき、ハルがかずらのつるでかごを編んでいると……。

 

ハルの人生が感動的に描かれた物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、ハルの手と人生です。

 

ハルは、海辺の小さな村に生まれます。

 

ハルの手を見て、みんなが褒めます。

 

ハルは小学生になり、折り紙やお手玉など、手を使うことなら誰にも負けないようになります。

 

あるとき、ハルがかずらのつるでかごを編んでいると、男の子が覗いていて、「妹の土産にしたいから、そのかごをくれないか」と頼んできます。

 

ハルはかごに、たんぽぽやレンゲの花を入れてあげます。

 

男の子は、ハルの手を見て、「ほくろの目印もあるから、忘れない」と言います。

 

ハルも恥ずかしそうに、「わたしも、忘れない」と言います。

 

ハルが15歳になると、戦争でお父さんが亡くなり、お母さんも病気で亡くなります。

 

ハルは、残された家族の面倒を見ることになります。

 

魚獲りの仕事をしたり、魚の干物を売ったりして、一生懸命お金を稼ぎます。

 

海に出られない冬は、わら草履を編み、針仕事もします。

 

そんなハルのただひとつの楽しみは、年に一度の盆踊りです。

 

ハルの美しい顔や手振りが、みんなの目を引きます。

 

そして、盆踊りの最後の夜、ひとりの若者が、ハルの手を取ります。

 

その若者は、子どもの頃に花かごを作ってあげたユウキチでした。

 

次の日、ユウキチがハルを訪ねてきて、「自分の店を出すまで待っていてほしい」とプロポーズをします。

 

ハルは、頷いてプロポーズを受けます。

 

それから何年か経ちますが、ユウキチからの便りはありません。

 

そして、ある日突然ユウキチが現れ、ハルはユウキチのところへお嫁にいきます。

 

ハルは器用な手で、ユウキチのケーキ作りを手伝い、店は繁盛します。

 

その間に、ハルはふたりの男の子も育てます。

 

やがて、ふたりの子どもが独立します。

 

店のお客も少なくなりますが、ハルはユウキチとケーキを作っているときが幸せで、寂しいとも思いません。

 

ユウキチが病気でなくなり、ハルはひとりで村へ戻ります。

 

村には、昔の面影はなくなっています。

 

盆踊りが始まると、ハルも出かけて行って、踊ります。

 

そして、ハルは昔の踊り場へ行き、踊ります。

 

この絵本では、ハルの手を中心に、ハルの人生が描かれています。

 

ハルは小さい頃から手が器用で、大きくなってからも手の器用さで、人生を切り開いていきます。

 

ハルの人生は、早くに両親を亡くし、決して平坦な道ではありませんが、それでもハルは幸せそうです。

 

それは、やはりユウキチの存在が大きいと思います。

 

そんなユウキチと出会ったきっかけも、ハルの器用な手でした。

 

この絵本は、ある女性の人生の物語でもあり、運命の人と結婚し、添い遂げる姿を描いたラブストーリーでもあります。

 

そして、その中心には、いつも手があります。

 

人の手の持つ力強さや生命力、または創造力や美しさに心揺さぶられます。

 

タイトルの通り、ハルの手が見どころの絵本です。

 

印象的なことば

 

ユウキチさん、わたしは あんたの おかげで ずっと しあわせだったよ

 

おばあちゃんになった、ハルの言葉です。

 

最後のページで、月の光の下で踊りながら、微笑みを浮かべてこう言います。

 

亡くなった旦那さんに対する感謝の気持ちが素晴らしいです。

 

また、決して平坦な道ではなかったのに、年を重ねてこう言えるのは、本当に幸せな証拠だなと思います。

 

感想

 

ハルばあちゃんの人生が描かれた絵本です。

 

静かな雰囲気の中にも、ハルの力強く生きる姿が描かれています。

 

まるで、写真を見ているような感覚です。

 

人を惹きつける魅力がある、不思議な絵本です。

 

今まで読んだことのないタイプの絵本で、感動的な作品でした。

 

ぜひ一度は読んでほしい、おすすめの絵本です。

 

 

ハルばあちゃんの手 (日本傑作絵本シリーズ)

ハルばあちゃんの手 (日本傑作絵本シリーズ)

 

 

 今年も、「死ぬまでに読みたい絵本」を読んでくださってありがとうございました。

 

来年も、宜しくお願いします。

 

 

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9月のバラ

『9月のバラ』を読みました。

 

9月のバラ (世界子ども平和図書館)

9月のバラ (世界子ども平和図書館)

 

 

あらすじ

 

2001年9月11日に同時多発テロが起こりました。

 

この絵本の作者、ジャネット・ウィンターは、ユニオン広場へ行きます。

 

そして、ある若い男性から、バラの花を持ってアフリカからやってきたふたりの女性のことを聞いて……。

 

実際に起きたできごとを物語にした、感動の絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、悲しみを癒すたくさんのバラの花です。

 

2001年9月11日に同時多発テロが起こりました。

 

数日後、この絵本の作者、ジャネット・ウィンターは、ユニオン広場へ行きます。

 

そこには、たくさんのバラの花があります。

 

彼女がバラを見ていると、若い男の人がそばにきて、バラがどこからきたのかを教えてくれます。

 

そのバラがここまでくるには、こんなストーリーがありました。

 

南アフリカで、ある姉妹が住んでいて、バラを作っていました。

 

温室は、色とりどりのバラの花で溢れていました。

 

ニューヨークのフラワーショーにバラを出すために、ふたりは毎晩バラの飾り付けのデザインを考えました。

 

デザインを仕上げ、2400本のバラをふたりは丁寧に箱に詰めます。

 

そして、ふたりはニューヨークへ出発しました。

 

しかし、同時多発テロが起こり、飛行機は着陸します。

 

ふたりは、飛行場でバラの花を抱えて、待つことになりました。

 

さらに、一晩中行くところはどこにもありません。

 

そんなとき、ある男性が、「よければわたしの家にいらっしゃいませんか?」と、ふたりに提案します。

 

その男性は、フラッシングのファースト・ユナイテッド・メソジスト教会の人でした。

 

彼は、困っている人に宿を提供しようと、空港にやってきたのでした。

 

ふたりは、彼の申し出を受け入れ、お礼に使い道のなくなってしまったバラの花を贈ります。

 

それに対して、彼は「バラの花が使えるところならありますよ」と言います。

 

そして、男性はふたりを車に乗せ、ユニオン広場へ行きます。

 

ユニオン広場に着くと、ふたりはすぐに、芝生の上の空いた場所にバラを並べます。

 

芝生は、たちまちバラの花で埋まっていきます。

 

そして、バラの花でできたツインタワーができあがります。

 

その話を聞いたジャネットは、涙がバラの上に溢れます。

 

この絵本では、9.11のときにユニオン広場で実際に起きたできごとが描かれています。

 

ユニオン広場には、ふたりの女性のおかげで、たくさんのバラが置かれます。

 

そのバラが、そこに置かれるまでのストーリーが、この絵本では描かれています。

 

偶然のできごとが、たくさんの人々の悲しみを癒したのだと思います。

 

色とりどりのバラが印象的な作品です。

 

印象的なことば

 

わたしのなみだが バラの上にこぼれました。

 

作者のジャネット・ウィンターの言葉です。

 

感動的な実話に、思わず涙がでてしまいます。

 

感想

 

9.11のときに、ユニオン広場で作者が実際に聞いた話をもとにして作られた絵本です。

 

これまで紹介した絵本の中で、恐らく1番小さなサイズの絵本だと思います。

 

コンパクトで、可愛らしいイラストの表紙です。

 

9.11のときのことが描かれた佳作です。

 

ジャネット・ウィンターの絵本が好きなので、読んでよかったです。

 

多くの人に読んでもらいたい作品です。

 

 

9月のバラ (世界子ども平和図書館)

9月のバラ (世界子ども平和図書館)

 

 

 

 

 

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