『ワンダー』を読みました。
あらすじ
オーガストは、生まれつき顔が人とは違います。
オーガストは、今まで家でお母さんに勉強を教えてもらっていて、学校に行ったことがありませんでした。
しかし、5年生になる年に、学校に通うことになり……。
読みどころ
今回の読みどころは、見た目よりも大切なことです。
本書は、いくつかの章で構成されています。
章ごとに、別の登場人物の視点から、物語が語られています。
登場人物は、主人公のオーガストから、姉のオリヴィア、友達のサマーやジャックなど、オーガストの周りの人々がメインです。
物語は、オーガストが入った学校での生活をメインに、進んでいきます。
そこでは、オーガストの顔が理由で、辛いできごとも起こります。
しかし、最後はオーガストが、校長先生に表彰されます。
仲間もたくさんできます。
そうなったのは、見た目よりも大切なことがあるからです。
人は、見た目で人を判断しがちです。
しかし、見た目以上に大切なこともあります。
それは、その人の中身です。
人柄と言い換えることもできます。
オーガストの顔は、病気や手術などによって、特異な顔をしています。
しかし、オーガストは、ユーモアがあって面白くて、勉強もできて、素直ないい子で、何よりも勇敢な子です。
そのため、最初はオーガストのことを避けたり、あまり良く思っていなかった子も、オーガストと接するようになると、その魅力に気づきます。
オーガストは、ハンデがありながらも、その人柄で、人生を切り開いていきます。
見た目よりも大切なことを学べる一冊です。
印象的なことば
世界中のだれもが、一生に一度はスタンディング・オベーションを受けるべきだ。
だって人は必ずこの世に打ち勝つんだから。
オーガストの格言です。
国語の授業で、先生は生徒たちに格言の課題を出します。
最後のページには、色々な生徒の格言が書かれています。
その中で、最後にあるのがオーガストの格言です。
感動的な格言で、物語を読むとさらに心に響きます。
感想
何年か前に、都内の大きな書店で見つけて、本書を買いました。
表紙のイラストが印象的でした。
でも、すぐには読めませんでした。
当時は、そこまで時間の余裕がなかったのもありますが……。
本の内容を少し知っていただけに、正直怖くて読めませんでした。
感動作とは書いてあったけど、どんなにつらいことが起こるか、想像してしまってダメでした。
その後、本は読めないままでしたが、色々な場所で本書を目にしました。
美術館のショップに置いてあるのを見たこともあります。
それから、今年に入り、映画館で映画の予告編を見ていると、なんとワンダーが映画化されていました!
余裕が出てきた現在。
読むなら今かなと思い、読み始めました。
第1章は、読むのが少し辛かったのですが、読み進めていくうちに、段々と辛さも薄まり、物語にのめり込んでいきました。
様々な登場人物の視点から物語が語られるので、面白く読み進めることができました。
オーガストは顔が人と違う悩みを抱えているけど、悩みを抱えているのはオーガストひとりではなく、みんな同じなんだと思いました。
色々な人の気持ちや本音がリアルで、物語をより豊かなものにしています。
オーガストも、ユーモアがあって、勇敢で、素直ないい子で、すっかりファンになりました。
映画版も、見てみたいなと思いました。
ひとりでも多くの人に読んでほしい名作です。
映画は、もうすぐ公開なので、気になった方は是非!
お父さんとお母さんのキャスティングが、イメージにぴったりです。
ちなみに、ワンダーの続編もあります。
前作では描かれなかった、3つのストーリーが描かれています。
さらに、絵本も出版されています。
それぞれのワンダーの作品世界を、味わってみてはいかがでしょうか。