死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸

『ここが家だ ベン・シャーン第五福竜丸』を読みました。

 

ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸

ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸

 

 

あらすじ

 

舞台は、日本の焼津です。

 

1954年1月22日、第五福竜丸に23人の漁師が乗って、焼津の港から海に出ます。

 

家族は手を振って、船を見送ります。

 

第五福竜丸は、日本から4千キロも越えて、ミッドウェーという島を通り過ぎます。

 

しかし、ミッドウェーの海では、マグロが見つかりません。

 

そして、漁師たちは、マーシャル諸島を目指すことになりますが……。

 

第五福竜丸を襲ったできごとが描かれた一冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、第五福竜丸に起こった事実と平和の尊さです。

 

舞台は、日本の焼津。

 

1954年1月22日、第五福竜丸という立派な船に、23人の漁師が乗り、海に出ます。

 

家族は、手を振って船を見送ります。

 

第五福竜丸は、日本から4千キロも越えて、ミッドウェーという島を通り過ぎます。

 

2月7日に、漁師たちは、マグロの漁を始めます。

 

しかし、ミッドウェーの海では、マグロが見つかりません。

 

そこで、もっと南にあるマーシャル諸島を目指すことにします。

 

そして、2月27日に、ついに第五福竜丸は、マーシャル諸島の海でマグロの群れに出会います。

 

漁師たちは、寝る間もなく、作業をします。

 

そして、3月1日の夜明け前、いきなり西の空が真っ赤に燃えます。

 

その後、爆発音が響き、空から白いものが降ってきます。

 

みんなの上に、何時間も灰は降り注ぎます。

 

それは、アメリカが行った水爆実験でした。

 

第五福竜丸は、まっすぐ焼津へ帰ることにします。

 

その2週間の間、漁師たちは、様々な身体の異変に気付きます。

 

あの灰には、放射能がたっぷりと入っていたのです。

 

しかし、漁師たちは、無線で連絡をしません。

 

なぜなら、水爆実験という秘密を見てしまったため、何をされるかわからないからです。

 

3月14日に、朝早く焼津の港に、第五福竜丸が着くと、23人の漁師たちは病院へ向かいます。

 

医者は、みんなの病気を、放射能病と呼びます。

 

みんなの身体に潜り込んだ放射能が、じりじりと身体を壊していきます。

 

3月16日の朝、新聞の一面に、水爆実験のことが載ります。

 

科学者たちが調べようと、焼津にやってきます。

 

第五福竜丸の漁師たちは、海で見たことを語ります。

 

第五福竜丸の無線長で、一番の先輩である久保山さんは、奥さんとかわいい娘が3人いました。

 

しかし、東京の病院に入った久保山さんは、8月に放射能病が急に悪くなります。

 

医者は久保山さんを助けようとし、久保山さんは生きようとします。

 

しかし、9月23日に久保山さんは亡くなります。

 

その後、久保山さんのことを忘れないと、人々は言います。

 

けれど、忘れるのをじっと待っている人たちもいます。

 

しかし、畑や波、人々も、水爆や放射能のことを決して忘れません。

 

この絵本では、実際に第五福竜丸に起こったできごとや水爆実験のことが描かれています。

 

思わず目をそらしたくなりますが、直視しなければならない歴史があります。

 

そんな歴史が、ベン・シャーンの絵とアーサー・ビナードの文章で表現されています。

 

決して読みやすい絵本ではありませんが、平和の尊さを感じることのできる名作です。

 

印象的なことば

 

波もうちよせておぼえている。

ひとびともわすれやしない。

 

 

最後のページの言葉です。

 

自然や人々は、放射能のことを忘れません。

 

私たちは、負の歴史を忘れません。

 

忘れてはならないのです。

 

感想

 

第五福竜丸を襲ったできごとが描かれた絵本です。

 

画家のベン・シャーンが取り組んだ、第五福竜丸事件の連作をもとに作られた絵本だそうです。

 

この絵本で、初めて知ることも多く、勉強になりました。

 

この絵本を読んで、平和の尊さを改めて感じました。

 

決して読みやすいとは言えませんが、多くの人に読んでほしい絵本です。

 

子どもがひとりで読むには難しいと思うので、大人が子どもに読んであげてほしいです。

 

 

ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸

ここが家だ―ベン・シャーンの第五福竜丸

 

 

 

 

 

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