『ホームランを打ったことのない君に』を読みました。
あらすじ
ルイは、野球少年です。
ルイは、試合でホームランを狙いますが、負けてしまいます。
夕方、お母さんに頼まれて、ルイがコンビニまでおつかいに行くと、仙ちゃんと会い……。
諦めないことの大切さが描かれた一冊です。
見どころ
今回の見どころは、諦めない力です。
ルイは、野球少年です。
ルイは、試合でホームランを打とうと張り切りますが、結果は負けてしまいます。
夕方、お母さんに頼まれて、マーガリンを買いにコンビニへ行くと、仙ちゃんに会います。
仙ちゃんは、近所のお兄さんです。
仙ちゃんは、今朝の試合を見ていたと言います。
帰り道、ふたりは今朝の試合の話をします。
ホームランを打ちたかったルイに対して、いきなりは無理だと、仙ちゃんが言います。
途中の公園で、仙ちゃんはホームランについて語り出します。
さすがに詳しい仙ちゃんですが、仙ちゃんでも試合では、ホームランを打ったことがないと言います。
仙ちゃんは、先週スタジアムで見た、象島のホームランの話をします。
仙ちゃんは、象島は神に選ばれた人だと言います。
それを聞いたルイは、弱気になります。
しかし、仙ちゃんはルイを励まします。
ルイは家に帰る途中、公園でバッティングフォームを繰り返す仙ちゃんを見つめます。
家に帰り、ルイがお母さんと話していると、意外な事実を聞かされます。
なんと、仙ちゃんは、去年の今頃に出前をしていて、交通事故に巻き込まれて、重傷を負ったそうです。
その後、医者から歩けなくなるかもしれないと言われながらも、病院で頑張ってリハビリして、帰ってきたそうです。
そんなことがあったけど、仙ちゃんは、今朝の試合を見に来てくれたのです。
ルイは、いつかホームランを打つことを、心に決めます。
その夜、ルイは、仙ちゃんがホームランを打つ夢を見ます。
この絵本では、まだホームランを打ったことのないルイが、仙ちゃんとのやりとりを通じて、いつかホームランを打とうという気持ちになる姿が描かれています。
仙ちゃんは、交通事故で重傷を負ったにもかかわらず、諦めない気持ちを持ち続け、リハビリを終えて、帰ってきました。
そんな仙ちゃんは、自分自身もホームランを打つことを諦めていません。
さらに、ルイがホームランを打つ前から諦めてしまいそうになりますが、仙ちゃんが励ましたことにより、再びホームランを打ちたいと思うようになります。
仙ちゃんの諦めない力は、ルイにも伝わり、いい効果を与えています。
何事も諦めないことが大切だと、学べる一冊です。
印象的なことば
何言ってんだよ。
始める前からあきらめるのかい。
夢見るだけにしとくのかい。
やってみないとわからんだろう。
オレだってまだあきらめてないぞ
仙ちゃんの言葉です。
仙ちゃんが、諦めそうになったルイに、こう言います。
仙ちゃんの熱い励ましの言葉です。
感想
野球少年のルイが、仙ちゃんとのやりとりを通じて、ホームランに対して前向きになる物語です。
作者の長谷川集平さんは、小さい頃から、野球が大好きだったそうです。
そんな長谷川さんは、ブランクを経て、絵本作家に復帰するときに、復帰第1作は野球を描くことから始めようと決めていたそうです。
それほど野球を愛している、長谷川さんだからこそ描ける作品だと思います。
私自身は、野球に詳しくないのですが、この絵本は十分楽しめました。
それは、この絵本に「諦めない」という普遍的なテーマがあるからだと思います。
前向きな気持ちになれる一冊です。
野球をやっている子どもたちにオススメです。