『ルリユールおじさん』を読みました。
あらすじ
ある朝、ソフィーの大事にしていた植物図鑑が壊れてしまいます。
ソフィーは、図鑑を直してもらおうと、パリの街を歩き回ります。
そこで、ルリユールおじさんと出会い……。
ソフィーとルリユールおじさんの交流を通じて、ルリユールの仕事の素晴らしさが描かれた一冊です。
見どころ
今回の見どころは、本を大切にすることです。
パリの街に、朝がやってきます。
その朝は、ソフィーにとって特別な1日のはじまりでした。
ソフィーの持っていた植物図鑑が、壊れてしまいます。
本屋には新しい植物図鑑がたくさんありますが、ソフィーはこの図鑑を直したいのです。
ソフィーは、街で出会った人から、「ルリユールのところへ行ってごらん」と言われます。
ソフィーは図鑑を抱えながら、ルリユールおじさんを探し、街を歩きます。
そして、ソフィーは、ルリユールの店を見つけます。
ソフィーがずっと店の前にいると、ルリユールおじさんはソフィーに気が付き、店へ招き入れます。
ルリユールおじさんは、ソフィーの図鑑を直すことにします。
ルリユールおじさんは、作業を始めます。
ソフィーは喋りながら、おじさんの仕事を見つめます。
そして、ふたりは公園にパンを食べに出かけます。
その間、ふたりは色々な話をします。
同じくルリユールだった、おじさんのお父さんの話やアカシアの木の話……。
その後、ルリユールおじさんは、明日までに本を直すことを約束して、仕事に戻ります。
ルリユールおじさんは、お父さんのことを思い出します。
そして、仕事をします。
次の日の朝、ソフィーは、ルリユールの店へ行きます。
店の窓から、ソフィーの本が見えます。
植物図鑑は、新しい本に生まれ変わっています。
ソフィーは、ルリユールおじさんに、お礼を言います。
その後、ルリユールおじさんの作ってくれた本は、二度と壊れることがなく、ソフィーは植物学の研究者になります。
この絵本では、本を通じた、ルリユール職人のおじさんとソフィーの交流が描かれています。
ソフィーは、植物が大好きで、自分の持っている植物図鑑を大切にしていました。
しかし、植物図鑑が壊れてしまい、困っているところに、ルリユールおじさんと出会います。
ルリユールおじさんは、ソフィーの本を、確かな技術で直してくれます。
そこには、ルリユールの職人としての誇りや静かな情熱があります。
ソフィーとルリユールおじさんは、ふたりとも本を大切にしています。
ソフィーは、植物図鑑を大切にして、植物学者になります。
ルリユールおじさんは、仕事を通して、本を大切に扱います。
本を大切にすることで、人生が豊かになり、夢を実現するきっかけになることもあるのです。
本やルリユールの素晴らしさを感じることのできる一冊です。
印象的なことば
名をのこさなくてもいい。
「ぼうず、いい手をもて」
ルリユールおじさんが、同じくルリユール職人だったお父さんから言われた言葉です。
ルリユール職人として、含蓄のある言葉です。
感想
ルリユールおじさんの仕事や、ソフィーとの交流が描かれた絵本です。
イラストがとてもきれいで、パリの街並みが魅力的です。
ルリユールおじさんも、寡黙ながらも、本や仕事に対する情熱、さらには子どもへの優しさも感じられます。
魅力的な風景とキャラクターが登場する、印象的な一冊となっています。
絵本の中では、実際のルリユールの作業工程も描かれていて、興味深いです。
最後の終わり方もきれいで、読後に爽やかな気持ちになります。
大人がじっくり味わえる絵本でもありますが、子どもが楽しめる絵本にもなっています。
大人が子どもに読み聞かせてあげたい絵本です。