くものすおやぶんとりものちょう
『くものすおやぶんとりものちょう』を読みました。
あらすじ
虫の街は、春爛漫で賑わっています。
くものすおやぶんは、はえとりのぴょんきちを連れ、街の見回りをします。
明日は、虫の街で春祭りが開催されます。
お菓子屋さんのありがたやの前を通ると、店員がおやぶんのもとへ駆け寄ってきて……。
くものすおやぶんが街の平和のために大活躍する絵本です。
見どころ
今回の見どころは、くものすおやぶんの活躍です。
春爛漫の虫の街では、桜の花が咲き乱れ、街は賑わっています。
そんな中、くものすおやぶんは、はえとりのぴょんきちを連れ、街の見回りをしています。
明日は、虫の街で春祭りが行われます。
お菓子屋さんのありがたやの前を通りかかると、店員がおやぶんのもとへ駆け寄ってきます。
店員は、盗人から手紙が届いたので、助けて欲しいと言います。
店の奥の座敷で、おやぶんが盗人からの手紙を見てみると、それは盗みの予告状でした。
蔵の中には、春祭りのために用意されたお菓子がたくさん入っているため、それを盗みにくるようです。
そして、おやぶんはへそから糸を繰り出して、蔵にぐるぐるとくもの巣をはり、盗人が蔵に入れないようにします。
夜になると、おやぶんとぴょんきちは、庭の桜の木に登り、盗人を待ちます。
そこに、真っ白い雲のようなものがやってきて、蔵の扉に体当たりし、蔵の中へと入っていきます。
真っ白い雲は、盗人のかくればねだったのです。
おやぶんとぴょんきちが、蔵の中へ入ると、お菓子が宙を舞っています。
そして、お菓子を入れたまゆの袋が動き出すと、思わずぴょんきちが袋に飛びつきます。
ぴょんきちは、袋をつかみ大暴れします。
すると、まゆの袋は家の中に突っ込みます。
おやぶんが駆けつけると、かくればね三兄弟が逃げ出します。
おやぶんとぴょんきちは、それを追いかけます。
おやぶんが外に出ると、風もないのにやけに桜が散ることに気付きます。
そこで、おやぶんが桜の木に向かって糸を繰り出すと、見事にかくればね三兄弟を捕らえます。
三兄弟も、「参りました」と頭を下げます。
夜が明け、春祭りが開催されます。
おやぶんに引き連れられてやってきたかくればねたちは、お菓子を詰めたまゆを運んでお詫びの奉公をします。
その後、かくればねたちは、盗人から足を洗い、街の運送屋として働いています。
おやぶんは、一件落着とにっこり微笑みます。
この絵本では、くものすおやぶんとぴょんきちが、街の安全のために、活躍する姿が描かれています。
おやぶんは、明晰な頭脳と糸の技で、盗人を捕まえます。
そんなおやぶんは、街の頼れるヒーローです。
おやぶんのかっこいい姿が描かれている、子どもも大人も必見の一冊です。
印象的なことば
これで いっけんらくちゃくだ
くものすおやぶんの言葉です。
問題を解決したおやぶんは、にっこりと微笑みます。
感想
くものすおやぶんが大活躍する絵本です。
虫の街の風景が、細かく描かれていて、見ていて飽きません。
文章のリズムも良く、楽しんで読める絵本です。
くものすおやぶんもかっこいいのですが、子分のぴょんきちがすごく可愛いです。
ついつい、ぴょんきちを目で追ってしまいます。
また、お菓子がカラフルで、見た目も可愛くて、美味しそうです。
虫というと、苦手な方も多いと思いますし、実際私も苦手です。
しかし、この絵本は、そんな虫嫌いな方でも、楽しめる作品だと思います。
虫のキャラクターたちは可愛くて、風景も綺麗で、ストーリーも面白いので、誰もが楽しめる作品になっています。
大人が楽しむのもいいですし、子どもに読んであげるのもいいと思います。
家族で楽しめる一冊です。