ザスーラ
『ザスーラ』を読みました。

- 作者: クリス・ヴァン・オールズバーグ,Chris Van Allsburg,かねはらみずひと
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2003/09
- メディア: 大型本
- クリック: 5回
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あらすじ
兄のウォルターは、弟のダニーをうっとうしく感じています。
そんなふたりは、公園で『ジュマンジ・ジャングル探検ゲーム』を見つけ、ダニーがそのゲームを家に持ち帰ります。
家に戻り、ダニーはゲームの中身を見てみますが、つまらなそうだと思い、片付けようとしたところ、もうひとつの『ザスーラ』という面白そうなゲームを見つけます。
ダニーがサイコロを振り、ゲームを始めると……。
兄弟が経験する、奇妙な冒険が描かれた絵本です。
見どころ
今回のポイントは、兄弟で仲良くすることの大切さです。
絵本に登場する兄弟のウォルターとダニーは、冒頭の部分ではあまり仲が良くなさそうです。
それどころか、ウォルターはダニーをうっとうしく思っていて、喧嘩ばかりしています。
そんなふたりですが、ある日公園でゲームを見つけます。
そのゲームは、『ザスーラ』と言って、なんとも魅力的に見えます。
家に帰り、弟のダニーがゲームで遊び始めます。
すると、大変なことが起きます。
なんと、ゲームのできごとが、現実に起こり出したのです。
ふたりは、次々と起こる奇怪なできごとに戸惑いながらも、なんとかゲームを続けます。
そして、ついに兄のウォルターが消えてしまい、物語はゲームを見つける前の公園に戻ります。
そして、ダニーがまたあのゲームを見つけますが、ウォルターはゲームをゴミ箱に捨ててしまいます。
そして、ウォルターはダニーをキャッチボールに誘い、物語は幕を閉じます。
最初の方は、仲の悪かったふたりですが、最後の方は仲の良い兄弟になっています。
危険な目に遭い、様々なできごとを一緒に乗り越えたからこそ、ふたりはお互いの大切さを理解し、仲の良い兄弟に戻ります。
もしかしたら、最初から仲良くしていれば、あのゲームとも出会わなかったのかもしれないですね。
そういう意味では、ふたりの仲を繋げてくれたのが、あのゲームとも言えるでしょう。
奇妙な冒険を通して、兄弟の絆が描かれた1冊です。
印象的な言葉
いっしょで、だいじょうぶ。できるよ
弟のダニーの言葉です。
ゲームが終わりそうもなくて、「こんなの、ぜったいむりだ」と音を上げたウォルターに対して、ダニーはこの言葉を言います。
ゲームを通して、いつの間にか以前よりもたくましくなったダニーの様子が伺えます。
感想
映画『ザスーラ』の原作になった絵本です。
1995年に映画化された原作絵本の『ジュマンジ』の続編にあたります。
子どもの頃に映画『ジュマンジ』を見てから、私はこの映画が大好きで、何回も見ています。
以前は、金曜ロードショーなどでよく放送されていました。
作者のオールズバーグの絵本が映画化されるのは、3作目だそうです。
その3作品には、前回こちらで紹介した「急行『北極号』」も含まれます。
オールズバーグの絵本は、それほど映画製作者のイマジネーションを掻き立てるのでしょう。
確かに、オールズバーグの絵本を読んでいると、映像が頭に浮かんできます。
今回の作品も、そんな映像が頭に浮かんでくる絵本となっており、子どもから大人まで楽しめる作品となっています。
絵本は、全編モノクロなのですが、様々な色が頭に浮かんできます。
モノクロでここまで読者の想像を掻き立てる、オールズバーグの表現力はさすがです。
兄弟や家族で、楽しく読みたい1冊です。

- 作者: クリス・ヴァン・オールズバーグ,Chris Van Allsburg,かねはらみずひと
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2003/09
- メディア: 大型本
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