『きみをみつけた』を読みました。
あらすじ
ぼくは、望遠鏡を持って丘の上へ走り、そして夜空を見上げます。
そこで、ダンスを踊るきみを見つけて、ぼくは大喜びします。
ぼくがきみに花束を贈ると、きみは贈り主のぼくのところへやってきて……。
星を探すぼくと、夜空に輝く星のきみの交流が描かれた絵本です。
見どころ
今回の見どころは、ぼくときみのピュアな恋愛模様です。
主人公のぼくは、きみを見つけたくて、望遠鏡を用意して夜空を見上げます。
そして、夜空で踊るきみを見つけます。
ぼくは、きみに花束を贈ります。
花束はきみにちゃんと届いたのか、きみは喜んでくれたのか、ぼくは思いを巡らせます。
その時、なんときみがぼくのもとにやってきます。
きみは、花束の贈り主に会いたいと思ってくれたのです。
ぼくときみは、ふたりきりでダンスを踊ります。
そんな楽しい時間を過ごしたふたりですが、別れの時間がやってきます。
ぼくは、きみに別れの言葉をかけます。
そして、きみは素敵な言葉を残し、空に帰っていきます。
なんともロマンチックな1冊です。
ふたりはずっと一緒にいられるわけではありませんが、限られた時間の中でふたりは素敵な時間を過ごします。
むしろ限られた時間だったからこそ、素敵な思い出が、夜空に輝く星のようにいつまでも輝き続けることでしょう。
また、最後のきみとぼくのやりとりが、とても魅力的です。
ぼくは別れるのが寂しいはずですが、きみに「もう かえった ほうが いいよ。きみの ひかりは、ぼくの こころに しっかり のこったから」と言います。
それに対して、きみは「わたしの こころには あなたの はなね」と答えます。
お互いのことをしっかり心に刻んだふたりは、お別れします。
ずっと一緒にいることはできなくても、ふたりの思い出はずっと心に残り続けます。
離れていても、心はひとつということですね。
美しくてピュアなラブストーリーに、心が洗われます。
印象的なことば
きみの ひかりは、ぼくの こころに しっかり のこったから。
ぼくがきみに言った言葉です。
「離れても、きみのことは忘れないよ」というメッセージが読み取れます。
素敵な言葉ですね。
感想
夜空の青と星の黄色が印象的な、美しい1冊です。
ぼくときみの恋模様が描かれていますが、これを「友情」に置き換えて読んでみても面白いと思います。
やがてはお互いの元いた場所に帰らなければならないので、ほんの一瞬の出来事なのですが、最後のやりとりでそんな寂しさが和らぎます。
離れてもお互いの心にお互いの存在が、星のように輝いているのでしょう。
それなら、離れても寂しくありませんね。
まるで、遠距離恋愛中の恋人たちのようです。
特に恋をしている人に読んでほしい絵本です。