死ぬまでに読みたい絵本

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はじまりの日

『はじまりの日』を読みました。

 

はじまりの日

はじまりの日

 

 

書店で見つけ、即買いした絵本です。ボブ・ディランは、10代の頃から聴いていたので、絵本の表紙に「ボブ・ディラン作」と書かれているのを見て、興味を惹かれて購入しました。

 

あらすじ

 

本書は、ボブ・ディランの名曲「フォーエバー・ヤング」の絵本です。

 

「フォーエバー・ヤング」の歌詞が、アメリカ出身の詩人アーサー・ビナードの日本語訳と、ポール・ロジャースのイラストによって表現されています。

 

ポイント

 

「フォーエバー・ヤング」という曲は、ボブ・ディランの息子のジェイコブ・ディランに宛てた曲です。

 

子供のことを思ってつくられたあたたかな名曲が、素晴らしい日本語訳で表現されています。

 

また、本書のイラストにも注目です。

 

イラストを担当したポール・ロジャースによると、絵を描くにあたって、ボブ・ディランのいろんな曲を繰り返し聴いたそうです。

 

そして、彼はディランに勇気と影響を与えた人々も絵本に登場させました。

 

絵本に登場するさまざまなミュージシャンや作家も必見です!

 

ディランが影響を受けたものが、イラストを通じてわかって面白いです。

 

印象的な言葉

 

ぼくはひとりアリゾナ州に行って、そこで息子のことを思いながら『フォーエバー・ヤング』という歌をつくった。べつに作詞作曲をやろうと意気込んだわけじゃなく、自然にうかんできて、そのままできあがった。なるべく感傷的にならないようにと、ちょっと努力しただけだ

ボブ・ディラン

 

今回は、絵本の中から印象的な言葉を選ぶのは至難の技だったので、はじめの方に載っていたディランの言葉を選びました。

 

ディランの歌詞は、難解なものが多いのですが、この曲は違います。

 

ディランの言葉通り、子供のことを思いながらつくられた、シンプルで温かみのある歌詞になっています。

 

作者の紹介

 

絵本の作者は、言わずと知れたミュージシャンのボブ・ディランです。

 

1941年、アメリカのミネソタ州生まれ。高校生の頃からバンドを結成して、ライブ活動を始めます。

 

その後、大学を中退してニューヨークに向かい、カフェでフォーク・ソングを歌い始めます。

 

そして、プロデューサーのジョン・ハモンドの目に留まり、62年にレコードデビュー。

 

フォークとブルース、カントリーもロックも吸収して、自分ならではの音楽をつくりあげ、アメリカを代表するミュージシャンになります。

 

本書の絵を担当しているのが、ポール・ロジャースです。

 

1957年、アメリカのカリフォルニア州生まれ。

 

ロサンゼルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで学び、1980年からイラストレーターとして活躍。

 

ジャズ・フェスティバルなどのポスターを多く手がけています。

 

また、本書の日本語訳を担当しているのが、アーサー・ビナードです。

 

1967年アメリカのミシガン州生まれで、大学卒業と同時に来日し、日本語での詩作を始めます。

 

感想

 

本書は、いわゆる物語ではなく、曲の歌詞によって構成されているのですが、まるでひとつの物語のようです。

 

歌詞とイラスト、さらに素晴らしい日本語訳で、まさに言葉と絵の化学反応が起こっています!

 

本書の中に、ニューヨークのワシントン・スクエア・パークが描かれているページがあるのですが、そこにはビート・ジェネレーションの作家や詩人たちが登場しています。

 

私の好きな作家、『オン・ザ・ロード』の著者ジャック・ケルアックもいて、ワクワクしました。

 

本書には、ディランに関係のあるさまざまな人物が出てくるので、それもまたこの絵本の魅力になっています。

 

「この人ってもしかして……?」と考えながら見てみると楽しいです。

 

主にディランのファンや大人が楽しめる絵本ですが、ディランを知らない子供に、これを機にディランや彼の歌詞の世界を知ってもらいたいです。

 

また、音楽関係の絵本でいうと、こちらもオススメです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

『はじまりの日』は、音楽ファンはもちろんのこと、音楽をあまり聴かない方にもオススメです。

 

きっと、あなたもディランの歌詞の世界に魅了されるでしょう。

 

 

はじまりの日

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