『はじまりの日』を読みました。
- 作者: ボブ・ディラン,ポール・ロジャース,アーサー・ビナード
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2010/02/13
- メディア: ハードカバー
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
書店で見つけ、即買いした絵本です。ボブ・ディランは、10代の頃から聴いていたので、絵本の表紙に「ボブ・ディラン作」と書かれているのを見て、興味を惹かれて購入しました。
あらすじ
本書は、ボブ・ディランの名曲「フォーエバー・ヤング」の絵本です。
「フォーエバー・ヤング」の歌詞が、アメリカ出身の詩人アーサー・ビナードの日本語訳と、ポール・ロジャースのイラストによって表現されています。
ポイント
「フォーエバー・ヤング」という曲は、ボブ・ディランの息子のジェイコブ・ディランに宛てた曲です。
子供のことを思ってつくられたあたたかな名曲が、素晴らしい日本語訳で表現されています。
また、本書のイラストにも注目です。
イラストを担当したポール・ロジャースによると、絵を描くにあたって、ボブ・ディランのいろんな曲を繰り返し聴いたそうです。
そして、彼はディランに勇気と影響を与えた人々も絵本に登場させました。
絵本に登場するさまざまなミュージシャンや作家も必見です!
ディランが影響を受けたものが、イラストを通じてわかって面白いです。
印象的な言葉
ぼくはひとりアリゾナ州に行って、そこで息子のことを思いながら『フォーエバー・ヤング』という歌をつくった。べつに作詞作曲をやろうと意気込んだわけじゃなく、自然にうかんできて、そのままできあがった。なるべく感傷的にならないようにと、ちょっと努力しただけだ
今回は、絵本の中から印象的な言葉を選ぶのは至難の技だったので、はじめの方に載っていたディランの言葉を選びました。
ディランの歌詞は、難解なものが多いのですが、この曲は違います。
ディランの言葉通り、子供のことを思いながらつくられた、シンプルで温かみのある歌詞になっています。
作者の紹介
絵本の作者は、言わずと知れたミュージシャンのボブ・ディランです。
1941年、アメリカのミネソタ州生まれ。高校生の頃からバンドを結成して、ライブ活動を始めます。
その後、大学を中退してニューヨークに向かい、カフェでフォーク・ソングを歌い始めます。
そして、プロデューサーのジョン・ハモンドの目に留まり、62年にレコードデビュー。
フォークとブルース、カントリーもロックも吸収して、自分ならではの音楽をつくりあげ、アメリカを代表するミュージシャンになります。
本書の絵を担当しているのが、ポール・ロジャースです。
1957年、アメリカのカリフォルニア州生まれ。
ロサンゼルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで学び、1980年からイラストレーターとして活躍。
ジャズ・フェスティバルなどのポスターを多く手がけています。
また、本書の日本語訳を担当しているのが、アーサー・ビナードです。
1967年アメリカのミシガン州生まれで、大学卒業と同時に来日し、日本語での詩作を始めます。
感想
本書は、いわゆる物語ではなく、曲の歌詞によって構成されているのですが、まるでひとつの物語のようです。
歌詞とイラスト、さらに素晴らしい日本語訳で、まさに言葉と絵の化学反応が起こっています!
本書の中に、ニューヨークのワシントン・スクエア・パークが描かれているページがあるのですが、そこにはビート・ジェネレーションの作家や詩人たちが登場しています。
私の好きな作家、『オン・ザ・ロード』の著者ジャック・ケルアックもいて、ワクワクしました。
本書には、ディランに関係のあるさまざまな人物が出てくるので、それもまたこの絵本の魅力になっています。
「この人ってもしかして……?」と考えながら見てみると楽しいです。
主にディランのファンや大人が楽しめる絵本ですが、ディランを知らない子供に、これを機にディランや彼の歌詞の世界を知ってもらいたいです。
また、音楽関係の絵本でいうと、こちらもオススメです。
『はじまりの日』は、音楽ファンはもちろんのこと、音楽をあまり聴かない方にもオススメです。
きっと、あなたもディランの歌詞の世界に魅了されるでしょう。
- 作者: ボブ・ディラン,ポール・ロジャース,アーサー・ビナード
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2010/02/13
- メディア: ハードカバー
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (10件) を見る