死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

ナイトシミー

ナイトシミー』を読みました。

 

 

ナイトシミー―元気になる魔法

ナイトシミー―元気になる魔法

 

 

 

あらすじ

エリックは、口を聞きません。
他の子たちには、理由がわかりません。
みんなは、エリックのことを「だんまりおばけ」と言います。
エリックは、ただ喋りたくないし、喋る必要もありません。
エリックには、秘密の友達がいて……。
 

見どころ

今回の見どころは、心を開くことです。
エリックは、人とほとんど話しません。
エリックには秘密の友達「ナイトシミー」がいて、代わりに喋ってくれるのでした。
ナイトシミーは、どの本が面白いか教えてくれたり、
怖い夢の中で巨大なトカゲが襲ってきても、助けてくれます。
ある日、公園でマーシャが遊んでいるところで、ナイトシミーがスパイしているのがマーシャにバレてしまいますが、マーシャはそんなことは気にしません。
そこから、マーシャとエリックは、りんごの木に登って遊びます。
そして、ふたりでたこあげをします。
次の日、朝目覚めると……。
なんと、ナイトシミーがいなくなっているのです!
エリックは、ふとんや引き出しなど調べますが、残念ながら見つかりません。
エリックは一日中、ものを叩いたり蹴ったりして、荒れてしまいます。
マーシャが玄関に来て誘いますが、エリックは自分の部屋に閉じ籠もります。
そして、エリックが窓から外を見ると……。
ひとりぼっちのマーシャがたこあげをしますが、たこが木に引っかかってしまいます。
エリックは自ら外に出て、タコを取ってあげます。
そして、ふたりは今まで話してこなかった、色々なことを喋りはじめます……。
この絵本では、エリックが外界に心を開いて、友人と喋り出すまでが描かれています。
エリックは架空の友達であるナイトシミーとだけしか話さず、外の世界に心を閉ざしていました。
しかし、マーシャという女の子と出会い、一緒に遊ぶことで、次第に心を開いていき、
いつしかナイトシミーなしでも、人と繋がることができるようになります。
人に対して心を開いて話すことは、子どもだけでなく、大人にも難しい部分があります。
けれども、少しの勇気ときっかけがあれば、案外自分の殻を破るのは簡単なことなのかもしれません。
その先には、開かれた世界、たくさんの仲間が待っています。
勇気を出して繋がることの大切さがわかる一冊です。
 

印象的なことば

そのたこ、とってあげる
エリックがマーシャに言った言葉です。
ひとりぼっちのマーシャが困っているところに、
エリックが勇気を出して、言った言葉です。
エリックが心を開いた瞬間の言葉でもあります。
 

感想

ナイトシミー、という聞き慣れない言葉のタイトル。
表紙には、パジャマの上に黒いマントと帽子を被った男の子が描かれています。
好奇心をくすぐられて、手に取った一冊。
いざ読んでみると、子どもだけでなく大人の心にも響くストーリーでした。
他人に心を開くことって難しいんだけれども、開いたところからしか見られない景色がある。
そんなことを、改めて感じました。
たしかに自分をさらけ出すには、ある程度勇気が必要ですが、
その勇気はひょんなことがきっかけで、出てくるものなのですよね。
子どもから大人まで読んで欲しい一冊です。
 

 

ナイトシミー―元気になる魔法

ナイトシミー―元気になる魔法

 

 

 

 

 

 

 

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ピートのスケートレース

ピートのスケートレース』を読みました。

 

 

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)

 

 

あらすじ

舞台は、第二次世界大戦中のオランダ。
ピートはスケートが大好きな10歳の少年です。
辛い時代においても、いつかオランダ最大のスケートレースに出場するという夢を強く持ち続けているピート。
そんな彼に、ある日重大な仕事がまかされ……。
 

見どころ

今回の見どころは、ピートの勇気とたくましさです。
この絵本では、ピートが重大な仕事を任され、それを無事完了するまでが描かれています。
その重大な仕事は、隣人の兄弟を、おばさんの家まで送り届けることです。
時代は、第二次世界大戦のさなかです。
隣人のヨハンナとヨープのお父さんは、無線機を隠し持ち、密かにイギリスと通信していたことがバレてしまい、ドイツ兵に連行されてしまいます。
そこで、子どもたちの安全のために、ブリュッへのおばさんの家に子どもたちをスケートしながら送り届ける任務を、ピートは与えられます。
オランダの冬は厳しく、人々はスケートを楽しむそうです。
そして、国土がドイツに占領されても、スケートをすることは許されていたのです。
ピートがスケートをしながら、ヨハンナとヨープを送り届けるまでは、まさにドキドキハラハラの連続ですが、
そんな中でも、街や自然の風景、子どもたちの絆、たくましさと勇敢さが魅力的に映ります。
第二次世界大戦中のオランダは、現代の日本からは、とても離れた時代と環境で、異国情緒があふれていますが、
そんな中でも、ピートのたくましさや成長する姿は、共感を持って読むことができます。
 

印象的なことば

最後にもうひとつ!
あの言葉を氷につづってみて!

 

最後に、ヨハンナたちと別れるピートが、
ヨハンナにこう頼みます。
そして、ヨハンナがすべりながら氷の上に書いた文字は……。
それは、ピートの夢でもありました。
 

感想

冬に似合うタイトルと表紙。
一見、平和なストーリーを想像しましたが、
しかし、サブタイトルを見ると、「第二次世界大戦下のオランダ」とあります。
ここで、シリアスな内容かなと感じました。
実際に読んでみると、時代背景はなかなか厳しい時代です。
ですが、子どもたちの明るさや勇敢さ、
またこの絵本の題材が、スケートだということもあり、
重苦しくなく、むしろ爽やかなくらいです。
子どもたちが勇敢に氷上をすべる姿を見ると、勇気が湧いてきます。
現代の日本とは、環境や状況が全く異なりますが、それでも最後までドキドキワクワクしながら読める作品です。
 
 

 

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)

ピートのスケートレース (世界傑作絵本シリーズ)

 

 

 

 

 

 

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道はみんなのもの

『道はみんなのもの』を読みました。

 

道はみんなのもの

道はみんなのもの

  • 作者: クルーサ,モニカドペルト,Kurusa,Monika Doppert,岡野富茂子,岡野恭介
  • 出版社/メーカー: さえら書房
  • 発売日: 2013/01
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

あらすじ

昔々、草木に覆われた山の斜面では、ピューマが歩き回っていました。
ふもとには、道が通り、サトウキビ畑や原っぱが広がっています。
その頃、山には一軒の家しかありませんでした。
時が過ぎて、あちらこちらから人々がやってきて、この山に住み始めて……。
 

見どころ

今回の見どころは、自分たちで始める力です。
ベネズエラの山に家が建てられ、どんどん人が住み始めます。
きれいな小川はどぶ川になり、山の中の道はゴミだらけになります。
この貧しい人々が暮らす地域は、バリオと呼ばれるようになります。
バリオでは子どもたちがたくさん生まれますが、子どもたちは空き地でしか遊ぶことができません。
さらにしばらくすると、空き地さえもなくなってしまい、子どもたちの遊び場はすっかりなくなってしまいます……。
そして、子どもたちは学校が終わると、サンホセ図書館に集まってきます。
しかし、外でしか出来ない遊びもあり、いざ外の道で遊ぼうとすると、トラックのおじさんに怒鳴られたりしてしまいます。
そして、しょんぼりした子どもたちは、市長さんに遊び場をつくってもらおうというアイデアを考え出しますが……。
この絵本では、遊び場所がない子どもたちが、自分たちで遊び場を作るまでが描かれています。
子どもたちは図書館員さんに教えてもらいながら、市役所に行く準備、公園をつくって欲しい旨をまとめます。
そして、様々な試みをしますが、市長さんが動いてくれないとわかると、
最終的には、子どもやその親たちで公園を作ろうと決心し、実行に移します。
最後のページでは、公園の前に自分たちで作った看板を取り付けるイラストがあります。
最初、子どもたちは遊び場もなく、途方にくれてしまいますが、
仲間や行動力、知識があれば、道は開けることを、この絵本が教えてくれます。
本当に叶えたいことがあるなら、思いを行動に移すことが大事です。
さらに、誰もやろうとしないなら、自分たちで動く勇気も、時には必要です。
勇気がわいてくる一冊です。
 

印象的なことば

なにも役所に全部やってもらわなくてもいいんじゃないか?
土地はあるんだから、おれたちで子どもたちの公園をつくってやろうじゃないか

 

カルリートスという子どもの、おじさんの言葉です。
他にやる人がいないなら、自分たちで自ら動き出そうという、力強い言葉です。
 

感想

13か国語で翻訳出版されている、ベネズエラのロングセラー絵本です。
私自身は、手に取るまで知らなかったのですが、
読んでみると納得の、素晴らしい絵本でした。
ベネズエラという国自体は、私自身あまり馴染みが無く暮らしていたのですが、
この絵本を読んで、少し身近に感じました。
歴史や街並みが、簡潔に絵本に収まっていて、
外国のことを知る上でも、絵本はいいツールになるのだと思いました。
特に、子どもたちに読んで欲しい一冊です。
 

 

道はみんなのもの

道はみんなのもの

  • 作者: クルーサ,モニカドペルト,Kurusa,Monika Doppert,岡野富茂子,岡野恭介
  • 出版社/メーカー: さえら書房
  • 発売日: 2013/01
  • メディア: 大型本
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ぼくを探しに

『ぼくを探しに』を読みました。

 

 

新装 ぼくを探しに

新装 ぼくを探しに

 

 

あらすじ

何かが足りない、それでぼくは楽しくない……。
そして、ぼくは足りないかけらを探しに行きます。
転がりながら、ぼくは歌いますが……。
 

見どころ

今回の見どころは、模索しながら見つけた大切なことです。
ぼくは、足りないかけらを探しに、歌いながら転がります。
雨の日もあれば、晴れの日もあります。
ぼくの体は欠けているので、あんまり速くは転がれません。
そして、立ち止まり、みみずとお話しします。
花の匂いをかいだり、カブトムシを追い越したり、追い越されたり……。
そして、海や山を越えて、
とうとうある日、かけらを見つけます。
しかし、かけらに拒否されてしまい、ぼくはがっかりしてまた転がります。
またかけらを見つけますが、今度は小さすぎたり、大きすぎたり……。
ぴったりのかけらを見つけても、しっかりはめておかなくて、落としたり、壊したり……。
そして、またどんどん転がっていきます。
途中、無茶をしたり、石の壁にぶつかったり……。
そしてある日、ぼくにぴったり合いそうなかけらに出会います。
合わせてみると、なんとぴったり!
喜んで転がりますが、あまりにも調子よく転がるため、みみずと話すことも、花の香りを嗅ぐことも、
蝶に止まってもらうこともできません……。
楽しい歌を歌おうと試みても、まるくなったらちっともうまく歌えません。
ぼくは気付きを得て、転がるのをやめ、かけらを下ろし、ゆっくり転がっていきます。
そして、また歌いながら転がります……。
この絵本では、ぼくが回り道して試行錯誤した後に、大切なことに気付くまでが描かれています。
人生において、何かが足りないと感じることは、多くの人が経験すると思います。
今が割と満たされていても、満たされていなくても、誰もが多かれ少なかれ感じることです。
そんな時、人はその足りないものを探そうとします。
時には、回り道をしたり、壁にぶつかったり、失敗してしまったり……。
それでも、何かを求めて試行錯誤します。
でも、たとえ何かをみつけたとしても、人生はそれで終わりではありません。
その何かと、最初はうまくいっても、段々うまくいかなくなったり、相性が悪いことがわかったり……。
この絵本では、人生で大事なことが、たくさん詰まっています。
この絵本で僕が探してるかけらは、現実世界に置き換えると、恋愛・仕事・趣味・友達、さらには地位や名誉、成功、人に認めてもらいたい承認欲求、またはゆっくりする時間、癒し、楽しみだったりします。
でも、それを得たら、完全に幸せになれるでしょうか?
この絵本が教えてくれることはたくさんありますが、
その中でもまず、足りないままの自然体な自分を認めること。
次に、足りないものを見つけて、自分を補完しても、必ずしも幸せにはならないこと。
そして、足りない何かを探す過程にこそ、実は人生において楽しいこと、大切なことがある、ということです。
だから、模索したり、試行錯誤することに、意味があるのです。
それらがない人生は、味気ないのです。
日々の何気ない行動や考えが、ひとつひとつ意味があって、大切なことが伝わってくる絵本です。
些細なことを楽しめる感受性を持ちたいですね。
 

印象的なことば

なるほど
つまりそういうわけだったのか

 

ぼくが気付きを得た言葉です。
ここでぼくはようやく大切なことに気付きます。
その意味でも、大事な瞬間の言葉です。
 

感想

まさに、名作絵本のひとつです。
まるで、絵本一冊が素晴らしい音楽のようで、
読み終えると、1曲聴き終わった感じです。
メロディが聴こえてくるようでもあり、特に歌詞=言葉が素晴らしいです。
人生で大切なことが詰まっていて、
抽象的でありながら、的確なのは本当に素晴らしいです。
世の中の子どもたちにも読んでほしいですが、
やはり色々経験してきた大人にこそグッとくるものがあると思います。
既に多くの方に読まれていますが、これからも読み継がれて欲しい一冊です。
 

 

新装 ぼくを探しに

新装 ぼくを探しに

 

 

 

 

 

 

 

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わすれられないおくりもの

『わすれられないおくりもの』を読みました。

 

 

わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)

わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

 

あらすじ

アナグマはかしこくて、いつもみんなから頼られています。
困ってる友達を、誰でも助けてあげます。
それに、かなり歳をとっていて、物知りです。
アナグマは、自分の歳だと死ぬのがそう遠くはないことも知っていて……。
 

見どころ

今回の見どころは、亡くなっても残るものです。
アナグマは、死ぬことを恐れません。
なぜなら、死んで身体がなくなっても、心は残ることを知っていたからです。
ただ、後に残していく友人たちが気がかりでした……。
夜になり、アナグマは家へ帰ります。
夕ご飯を終えて、手紙を書き、揺り椅子に揺られていると眠ってしまいます。
そして、不思議な素晴らしい夢を見ます……。
次の日の朝、キツネがみんなに伝えます。
アナグマは亡くなってしまったのです……。
キツネは、アナグマが残した手紙を読みます。
アナグマは、森のみんなの人気者でしたので、みんなは悲しみに暮れます。
とりわけ、モグラは深い悲しみに包まれます。
その夜雪が降り、冬が始まります……。
みんなは、アナグマの不在に途方に暮れます。
そして、春が来ると、みんなは互いに行き来して、アナグマの思い出を語り合います……。
モグラの切り抜き、カエルのスケート、キツネのネクタイ、ウサギの奥さんの料理……。
それらの思い出には、いつもアナグマが居ました。
ある春の日に、モグラは丘に登り、アナグマにお礼を言います……。
この絵本では、森の動物たちがアナグマの喪失から立ち直り、アナグマが残してくれたものに感謝できるようになるまでが描かれています。
大事なひとが亡くなると、まわりのみんなは悲しみに暮れます。
悲しみに暮れることは自然なことで、必要なことでもあります。
しかし、いつまでも悲しみに暮れてばかりでは、生活ができません。
アナグマの言うように、死んで身体がなくなっても、心は残るのです。
また、その心は、人々の心の中に生き続けます。
アナグマが教えてくれた、暮らしの知恵や技はいつまでもなくなりません。
それを大切にすることが、みんなが幸せになる方法でもあるのです。
 

印象的なことば

長いトンネルの むこうに行くよ
さようなら アナグマより

 

アナグマの最期の手紙の言葉です。
天国、あちらの世界、あの世など、様々な言い方がありますが、
長いトンネルの向こうという表現は、なかなかいい表現だと思います。
上下に分けられていなくて、トンネルを通じて横に繋がっているような、そんな感覚でしょうか。
みんなを悲しませないように配慮した、アナグマの思いが伝わってきます。
 

感想

有名な絵本のひとつです。
「死ぬまでによみたい絵本」というブログのテーマにもピッタリ合っている一冊だと思います。
まさに王道の感動的な絵本で、生と死が子どもでもわかるように、描かれています。
また日本語のタイトル「わすれられないおくりもの」というのがいいです。
原題は、「BADGER’S PARTING GIFTS」です。
訳すと、「アナグマの別れの贈り物」になります。
こちらもいいのですが、わかりやすいというか、ちょっと直接的な感じがしますね。
日本語版の奥ゆかしい感じが、逆に印象的です。
生と死について考えさせられる名作です。
 

 

わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)

わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

 

 

 

 

 

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ずーっとずっとだいすきだよ

『ずーっとずっとだいすきだよ』を読みました。

 

 

ずーっと ずっと だいすきだよ (児童図書館・絵本の部屋)

ずーっと ずっと だいすきだよ (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

 

あらすじ

エルフィーと僕は、一緒に大きくなりました。
でも、エルフィーの方がずっと早く大きくなりました。
僕らはいつも一緒に夢を見て……。
 

見どころ

今回の見どころは、言葉にすることの大切さです。
エルフィーは、僕の飼い犬で、一緒に大きくなりました。
お兄さんや妹も、エルフィーのことが大好きでしたが、エルフィーと僕は一番の仲良しでした。
エルフィーと僕は、毎日一緒に遊びました。
時々、エルフィーが悪さをすると、僕の家族はすごく怒りました。
でも、エルフィーのことをみんな大好きでした……。
いつしか時が経ち、僕の背が伸びる間に、エルフィーはどんどん太っていき、歳を取り、寝ていることが多くなります……。
僕らはエルフィーを獣医さんのもとに連れて行きますが、獣医さんに出来ることは何もありませんでした。
まもなくエルフィーは階段も登れなくなりますが、僕はエルフィーを自分の部屋に連れて行きます。
僕はエルフィーに柔らかいまくらをやり、寝る前には必ず「大好きだよ」と言います。
そして、ある朝お別れがやってきて……。
この絵本では、僕とエルフィーの特別な絆が描かれています。
ふたりは、お別れの日が来るまで、ずっと仲良しでした。
そして、その絆は、お別れが来ても続きます。
僕はエルフィーに、気持ちを言葉にして、「大好きだよ」と伝えます。
他の家族は気持ちはあっても、実際に言葉にしてエルフィーに伝えることは、エルフィーが生きている間にはあまりなかったようです。
やはり、気持ちを言葉にして伝えることは大切なことです。
普段は当たり前過ぎて言わないこともあると思います。
でも、それはその人がいなくなったら、後悔という形になってやって来ます。
それは、人だけでなく、動物に対しても同じです。
思っているだけではなく、敢えて口に出して伝えることで、初めて分かることもあります。
後悔しないためにも、相手や今この瞬間を大切にするためにも、気持ちを言葉にして伝えたいですね。
 

印象的なことば

すきなら、すきと
いってやればよかったのに
だれも、いってやらなかった。
いわなくっても、わかると
おもっていたんだね。

 

僕の言葉です。
胸に突き刺さる言葉ですね。
これは、家族、友人、恋愛でも言えることだと思います。
もし大事な人がいたら、気持ちを言葉にして伝えてみてください。
きっと、相手の方も自分も、その方が幸せだと思います。
 

感想

ご存知の方が多いと思われる、有名な絵本です。
表紙の、僕がエルフィーの肩を抱いている後ろ姿のイラストも印象的です。
言葉にして伝えることの大切さが、ひしひしと伝わってくる一冊です。
犬やペットを飼ったことがある方なら、気持ちがよくわかると思います。
エルフィーが可愛くて、胸が打たれます。
子どもから大人までオススメしたい、名作絵本です。
 
 

 

ずーっと ずっと だいすきだよ (児童図書館・絵本の部屋)

ずーっと ずっと だいすきだよ (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

 

 

 

 

 

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マッチ箱日記

『マッチ箱日記』を読みました。

 

 

マッチ箱日記

マッチ箱日記

  • 作者: ポールフライシュマン,バグラムイバトゥーリン,Paul Fleischman,Bagram Ibatoulline,島式子,島玲子
  • 出版社/メーカー: BL出版
  • 発売日: 2013/08/01
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログを見る
 

 

あらすじ

ある日、ひいおじいちゃんがひ孫の女の子を部屋に招いて、話しています。
ひいおじいちゃんは、ひ孫に「この部屋の中で一番好きなものを選んでごらん」と言います。
ひ孫が箱を選ぶと……。

見どころ

今回の見どころは、大切なものと思い出です。
ひいおじいちゃんは、ひ孫に箱の中を見せます。
そこには、小さなマッチ箱がたくさんあります。
ひいおじいちゃんは、マッチ箱が日記だと言います。
子どもの頃、読み書きができなかったひいじいちゃんは、マッチ箱にその日の思い出を入れることにしたと言います。
そして、ひいじいちゃんは、ひと箱ずつ取り出し、中身と思い出を語ります。
オリーブの種、父さんの写真、マカロニ、ビンのふた……。
ひいじいちゃんから、ひ孫に思い出話が語られます……。
この絵本では、イタリアからの移民としてアメリカで過ごしたひいじいちゃんの人生が描かれています。
ひいじいちゃんから、ひ孫に語りかけるというスタイルで、物語は進行します。
イタリアからの移民として、アメリカで暮らすことは、当時はとても大変だったようです。
そんな中でも、諦めず懸命に生きるひいじいちゃんの姿に、心動かされます。
マッチ箱に入った思い出の品々は、まさにひいじいちゃんが生きた証でもあります。
大切なものと思い出は決して古びることなく、新しい世代へと伝えられていく。
そのことの尊さが伝わってくる絵本です。

印象的なことば

そうなんだね。もうすぐ字が書けるようになるぞ。それまでは、おまえの大事なものを集めておくんだな、ひいじいちゃんみたいに。
ひいじいちゃんの言葉です。
この言葉を受けて、最後のページでは、ひ孫の女の子が箱に大事な小物を入れている姿が描かれています。
ひいじいちゃんからひ孫へ、日記が受け継がれたのです。

感想

タイトルと、表紙の箱にマッチ箱がたくさん詰まったイラストから、興味を持ち読みました。
なんとなく表紙から名作の予感がしましたが、内容も予想を裏切ることなく、名作絵本です。
ひいじいちゃんの今までの人生が、感動的に描かれています。
このページ数で、これほどの歴史を語れるんだとびっくりしました。
魅せ方が上手な絵本だなぁと感心しました。
おじいちゃんやおばあちゃんが、孫に読み聞かせてあげたら、雰囲気が出ていいかもしれません。
子どもから大人まで楽しめる、正統派の絵本です。
 

 

マッチ箱日記

マッチ箱日記

  • 作者: ポールフライシュマン,バグラムイバトゥーリン,Paul Fleischman,Bagram Ibatoulline,島式子,島玲子
  • 出版社/メーカー: BL出版
  • 発売日: 2013/08/01
  • メディア: 大型本
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