死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

じいじのさくら山

『じいじのさくら山』を読みました。

 

 

じいじのさくら山

じいじのさくら山

 

 

あらすじ

晴れた青空の日、じいじはいつも桜を見に行こうと言います。
じいじとおれは、山の道をゆっくり歩きます。
さくらの山まで、もう少しです……。
 

見どころ

今回の見どころは、さくら山でのじいじとの思い出です。
晴れた日に、じいじは主人公の男の子「おれ」を誘って、さくら山へさくらを見に行きます。
じいじは、嬉しいことがあるたびに、さくらを山にこっそり植えました。
そのさくらの木が、大きく育っています。
おれがじいじを褒めると、「なんも なんも」とじいじが笑います。
季節が移ろう中で、じいじとおれは、さくら山でたくさんの思い出を作ります。
じいじは、草や花や虫のことなど、なんでも知っています。
しかし、ある雪の日に、じいじが病気になります。
大丈夫と答える、ふとんの中のじいじが、ちょっとずつ縮んでいくようです。
おれはひとりでさくら山へ行き、「じいじを元気にしてください」とさくらの木に何度も頼みます。
春が来て、やっと布団から出たじいじは、おれと一緒にさくら山へ向かいます。
さくら山に着くと、まるでじいじが来るのを待っていたように、さくらが咲き誇っています。
その後、じいじは静かに亡くなります。
それから、毎年さくらが咲き、じいじの作ったさくら山で春の祭りが始まります……。
この絵本では、男の子とじいじのさくら山での思い出が描かれています。
じいじは、本当にいいおじいちゃんを絵に描いたような人で、優しさに満ち溢れています。
主人公の男の子は、僕ではなく「おれ」というところが、少し強気で、わんぱくな男の子のように思われます。
ふたりは、いいコンビで仲が良く、一緒の時間を共有していきます。
そこには、男の子のじいじへの尊敬の念が感じられます。
男の子は、じいじやさくら山が心から好きなのでしょう。
そんなふたりの思い出は、時を経ても美しく輝くものなのだと思います。
男の子も、大人になってもきっとじいじやさくら山のことを思い出すでしょう。
さくらの木やふたりの姿が眩しい一冊です。
 

印象的なことば

「ちびすけ ありがと」
じいじが いった
「なんで わかった」
「さくらに きいた」
 

 

満開に咲き乱れるさくらの下、じいじとおれが話した言葉です。
じいじとおれは、さくらの木と対話していました。
さくらの木とふたりは、気持ちが通い合っていたのです。
 

感想

さくらの山を題材にした、心温まる絵本です。
さくらの花や自然がきれいで、特に後半の文字がないページのさくらは圧巻です。
満開のさくらと、隙間から見える背景の青空が、とてもきれいです。
また、じいじと男の子の絆もあたたかくて、感動的です。
「なんも なんも」と謙遜するじいじは、本当にいい人柄が表れています。
春に読みたい、感動の一冊です。
 

 

じいじのさくら山

じいじのさくら山

 

 

 

 

 

 

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