『くんちゃんのだいりょこう』を読みました。
あらすじ
ある日、お母さんぐまとお父さんぐまと、子ぐまのくんちゃんが、散歩に出かけました。
もうそろそろ、冬ごもりの季節になります。
くんちゃんは、木の上の鳥に話しかけます。
鳥は、寒くなってきたので、南の国へ飛んでいくと言います。
くんちゃんは、「ぼくも行っていい?」と聞きますが……。
くんちゃんのちょっとした冒険が描かれた一冊です。
見どころ
今回の見どころは、くんちゃんのちょっとした冒険です。
もうすぐ、冬ごもりの季節。
くんちゃんの家族が散歩をしていると、鳥たちに出会います。
鳥たちは、南の国へ飛んでいくと言います。
くんちゃんは、南の国へ行きたくてたまりません。
くんちゃんが、お母さんにそのことを話すと、お父さんが「やらせてみなさい」と言います。
お父さんは、帰り道の丘の上の大きな松の木を、覚えておくように言います。
くんちゃんは、丘を走って、登ります。
しかし、お母さんにさようならのキスをしてこなかったことを思い出し、丘を駆け下ります。
その後も、丘に登ると何かを思い出し、丘を駆け下りて、家から物を持ち出すくんちゃん。
何度も登り降りするうちに、くんちゃんは疲れて、とうとう家で少し休むことにします。
くんちゃんは、荷物を置き、お母さんにキスをして、ベッドに入ります。
くんちゃんがぐっすり眠る姿を見て、お父さんは冬中ぐっすり眠るよと言います。
この絵本では、くんちゃんの「大旅行」が描かれています。
しかし、大旅行といっても、子ぐまのくんちゃんがやることなので、とても小規模な旅行というか、ちょっとした冒険のような感じです。
水色で表現されたイラストが、シンプルながらも、とても可愛くて、思わず微笑んでしまいます。
子ぐまのくんちゃんにとっては、きっと初めてのことばかりで、大旅行のようなできごとだったのでしょう。
好奇心旺盛のくんちゃんと、それをあたたかく見守る両親が素敵な絵本です。
印象的なことば
くんちゃんがかえってきたようだね。
お父さんぐまの言葉です。
くんちゃんの大旅行に、オーケーしたのはお父さんでした。
きっと、お父さんは、くんちゃんが必ず疲れて帰ってくるのだと、わかっていたのでしょう。
お父さんの、まずは子どもに好きなようにやらせてみるという姿勢が素晴らしいですね。
子どもを信頼しているからこそ、できることかもしれません。
感想
子ぐまのくんちゃんの大旅行が描かれた一冊です。
少し古い絵本ですが、今読んでも楽しく読めます。
子ぐまのくんちゃんが可愛くて、見ていると癒されます。
この絵本では、水色がメインで使われているのですが、今の絵本にはない色合いで、とても新鮮でした。
家族のあたたかさや、子どもの好奇心が描かれた秀作です。