死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

綱渡りの男

『綱渡りの男』を読みました。

 

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)

 

 

あらすじ

 

むかし、ニューヨークにふたつのタワーが並んで立っていました。

 

大道芸人フィリップ・プティは、そのタワーに惹かれました。

 

そして、そのふたつのタワーの間で綱渡りをすることを思いつきます。

 

そこでフィリップは、ひそかに計画を練りはじめて……。

 

ニューヨークのツイン・タワーで実際に綱渡りをした大道芸人の物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、綱渡りの光景です。

 

むかし、ニューヨークにはふたつのタワーが並んで立っていました。

 

そんなタワーに、ひとりの青年が惹かれました。

 

彼の名は、フィリップ・プティ

 

フランス人の大道芸人です。

 

フィリップは、ふたつのタワーの間を綱渡りすることを思いつきます。

 

彼は計画を練り、友人たちと一緒に計画を実行します。

 

なんと、彼は本当にタワーの間で綱渡りをします!

 

その後、フィリップはタワーの屋上で待ち受けていた警官に逮捕されます。

 

そして、フィリップは裁判所に連れて行かれ、判決を言い渡されます。

 

裁判官は、街の子どもたちのために、公園で綱渡りをするように言います。

 

フィリップは、喜んでそうします。

 

ふたつのタワーはもうありませんが、人々の記憶の中には、タワーや彼の綱渡りの思い出が残っています。

 

この絵本では、大道芸人フィリップ・プティが、ニューヨークで当時建設中だったふたつのタワーの間を綱渡りします。

 

ニューヨークにあるふたつのタワーとは、今はなきニューヨークの世界貿易センターのツイン・タワーのことです。

 

フィリップは、1974年8月7日に、そこで友人たちの協力のもと、綱渡りを披露します。

 

普通ならば、人々は見上げないと、その大道芸人の綱渡りを見ることができません。

 

しかし、この絵本では、上空から綱渡りの光景を見ることができます。

 

まるで、綱渡りを体験しているような感覚になれるほど、臨場感があります。

 

残念ながら、ニューヨーク世界貿易センターのツイン・タワーは、今はもうありません。

 

しかし、人々の心の中には、タワーやフィリップの綱渡りの光景が今でも残っています。

 

そして、この絵本でも、その素晴らしいタワーと綱渡りの光景を、心に刻むことができます。

 

印象的なことば

 

でも、ちっともこわくない。

ここには、ぼくひとり。なんて幸せで、自由なんだろう。

 

 

フィリップの言葉です。

 

ツイン・タワーで綱渡りをしている最中の、フィリップの気持ちが表現されています。

 

普通の人であれば恐怖感でいっぱいでしょうが、大道芸人のフィリップは幸せな気持ちを感じていたのです。

 

感想

 

フランス出身の大道芸人フィリップ・プティが披露した、ツイン・タワーでの綱渡りが描かれた絵本です。

 

この絵本は実話をもとに作られているので、絵本に描かれていることは本当にあった出来事です。

 

特に若い読者は、信じられないかもしれません。

 

しかし、この絵本を読めば、フィリップ・プティやツイン・タワーを知らない人でも、感動を覚え、綱渡りの光景が心に刻まれることでしょう。

 

私自身は、9.11の時は小学生だったので、ツイン・タワーは知っていたのですが、大道芸人フィリップ・プティのことは、この絵本で初めて知りました。

 

1974年の出来事だと知り、自分が生まれる前に、こんなことがあったのだと衝撃を受けました。

 

また、絵本の文章とイラストで、実際に綱渡りのパフォーマンスを見たような気持ちになり、感動しました。

 

普段は体験できない景色や感情が、この絵本では経験することができます。

 

特に若い読者に読んでほしい、後世に残したい絵本です。

 

 

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)

綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)

 

 

 

 

 

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