死ぬまでに読みたい絵本

「日常に絵本を」をテーマに、大人も楽しめる絵本をご紹介するブログです。

もったいないばあさん

『もったいないばあさん』を読みました。

 

もったいないばあさん (講談社の創作絵本)

もったいないばあさん (講談社の創作絵本)

 

 

あらすじ

 

今日も、男の子のもとに、もったいないばあさんがやってきます。

 

食後に男の子が遊んでいると、お茶碗に付いたごはん粒がもったいないと、おばあさんが言ってきます。

 

そして、おばあさんは男の子の食べ残しを、食べてしまいます。

 

男の子が水を出しっ放しにしながら歯磨きをしていると、おばあさんがやってきて、もったいないと言います。

 

おばあさんの気迫に、男の子はとうとう泣き出してしまい……。

 

「もったいない」の精神を伝えるおばあさんの物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、「もったいない」の精神です。

 

男の子が食後に遊んでいると、もったいないばあさんがやってきて、お皿の上の食べ残しを、もったいないと言ってきます。

 

おばあさんは、男の子の食べ残しを残さずに食べます。

 

そして、おばあさんは、男の子の顔についた米粒を見つけ、「もったいない」と言いながら、男の子の顔をべろべろ舐めまわします。

 

さらに、男の子が蛇口の水を出しっ放しにしながら歯磨きをしていると、「コップ一杯で足りる」と言い、蛇口の水を止めます。

 

とうとう男の子は泣き出し、おばあさんは男の子に近づき、「涙がもったいない」と言います。

 

その後も、男の子がもったいないことをしていると、おばあさんがやってきて、男の子に色々と教えます。

 

この絵本では、もったいないばあさんが男の子に教える形で、「もったいない」の精神が伝えられていきます。

 

昔ながらの頑固なおばあさんのキャラクターが、ユーモラスに描かれています。

 

おばあさんはただうるさいだけでなく、生活の知恵を男の子に教えてくれます。

 

例えば、紙くずを怪獣スーツに作り変えてくれたり、短くなった色鉛筆をまとめて、虹色鉛筆にしてくれます。

 

それは、おばあさんが長い人生の中で培った、生きた知恵です。

 

最初は嫌がっていた男の子も、段々とおばあさんの行動や知恵を受け入れていきます。

 

まさに、「もったいない」の精神が伝えられていきます。

 

現代ではあまり見られなくなってしまった習慣や知恵が、そこにはあります。

 

もったいないばあさんは、もしかしたら煙たがられる存在かもしれません。

 

しかし、現代人が忘れかけている、昔ながらの知恵を教えてくれる、貴重な存在でもあります。

 

使ったものを再利用し、辺りが暗くなったら寝るという、シンプルなもったいないばあさんの暮らしは、実は現代人が見習いたい暮らしでもあるのです。

 

若い読者にこそ、読んでほしい一冊です。

 

印象的なことば

 

おやおや なみだが もったいないよ

 

男の子に向けた、もったいないばあさんの言葉です。

 

男の子がおばあさんの気迫に圧倒され泣いていると、おばあさんはこう声をかけます。

 

頑固なおばあさんですが、このように優しい面もあるのです。

 

感想

 

もったいないばあさんの、もったいない精神が詰まった一冊です。

 

小さい時に、こんなおばあさんがいたら、少し戸惑ってしまうけど、きっと楽しいだろうなとも思います。

 

もったいないばあさんの言動は、若い人にとっては、口うるさく感じてしまうかもしれません。

 

しかし、そこには普遍的な生きる知恵があります。

 

もったいないばあさんから、学べることはたくさんあるはずです。

 

そのため、こういったいわゆる頑固なおばあさんの言葉も、聞き流してしまうのではなく、聞く耳を持ちたいなと思います。

 

大人が読んでも学ぶことがありますし、子どもが読んだら新たな発見や学びがある絵本だと思います。

 

家族で読みたい絵本です。

 

おばあちゃんが、孫に読んであげてもいいですね。

 

 

もったいないばあさん (講談社の創作絵本)

もったいないばあさん (講談社の創作絵本)

 

 

 

 

 

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ねえだっこして

『ねえだっこして』を読みました。

 

ねえだっこして

ねえだっこして

 

 

あらすじ

 

お母さんのおひざには、いつも赤ちゃんがいます。

 

猫には、それが面白くありません。

 

しかし、猫は大好きなお母さんのおひざを、赤ちゃんに譲ってあげます。

 

そして、お母さんがやってきて……。

 

お母さんに抱っこしてもらいたい猫の気持ちが描かれた可愛らしい一冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、猫の本音です。

 

最近、家では赤ちゃんが生まれ、お母さんのひざにはいつも赤ちゃんがいます。

 

そのため、猫はお母さんにあまりかまってもらえません。

 

猫は寂しい気持ちを抱えながらも、お母さんの愛情を赤ちゃんに譲ります。

 

しかし、猫はお母さんをちゃんと待っていて、最後はお母さんに抱っこしてもらいます。

 

この絵本では、猫の視点で物語が進行します。

 

そこには、猫の本音があります。

 

猫にとってお母さんのひざは、世界一素敵な場所です。

 

猫は、お母さんに抱っこしてもらいたくて、仕方ないのです。

 

それでも、赤ちゃんがいるため、我慢します。

 

代わりに、赤ちゃんを観察します。

 

しかし、やはり少しでもお母さんに抱っこして欲しくて、猫はお母さんを待ちます。

 

すると、お母さんがやってきて、猫はお母さんにすり寄って、ついに抱っこしてもらいます。

 

最後のページでは、縁側でお母さんが猫をしっかりと抱っこしています。

 

その後ろで、お父さんが赤ちゃんを高く持ち上げていて、なんとも和やかな光景です。

 

絵本を通じて、猫の切なくも可愛らしい本音が描かれていて、人間の私たちも思わず共感してしまいます。

 

猫の気持ちに共感できる、可愛らしい絵本です。

 

印象的なことば

 

ねえ おかあさん おかあさん ときどき わたしも だっこして

 

猫の言葉です。

 

猫の本当の気持ちが表現されています。

 

本当は、ずっとお母さんに抱っこしてもらいたかったのですね。

 

感想

 

お母さんに抱っこしてもらいたい猫の気持ちが描かれた絵本です。

 

猫や赤ちゃんのイラストがとても可愛くて、見ていると癒されます。

 

ページをめくるたびに、猫の気持ちに感情移入してしまいます。

 

文章やイラスト、醸し出す雰囲気の全てが、優しい絵本です。

 

最後のページでは、思わずよかったねと笑顔になります。

 

赤ちゃんが生まれた、お兄ちゃんやお姉ちゃんも、猫の気持ちに共感できると思います。

 

子どもと一緒に読みたい絵本です。

 

猫好きの方も、必見です。

 

 

ねえだっこして

ねえだっこして

 

 

 

 

 

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ないた

『ないた』を読みました。

 

ないた

ないた

 

 

あらすじ

 

ぼくは、1日に1回は泣きます。

 

転んで泣いて、迷子になって泣きます。

 

そして、嬉しくても泣きます。

 

どうして、ぼくは泣くのでしょう……。

 

泣くことについて考えさせられる一冊です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、子どもと大人の涙です。

 

この絵本では、主人公の少年が、様々な場面で泣いています。

 

少年は、1日に1回は泣いています。

 

転んで泣いたり、嬉しくて泣いたりもします。

 

ページをめくると、思わず子どもの視点に立って、共感してしまいます。

 

一方で、大人はあまり泣きません。

 

少年は、お父さんが泣いたのを見たことがありません。

 

お母さんも、テレビを見て涙を拭いたのを一度見たことがあるだけで、包丁で指を切っても泣きません。

 

また、お母さんの布団に入った時に、お母さんの目から涙が流れ落ちますが、少年が泣いているのか尋ねると、「ううん」と答えます。

 

子どもの頃は、何かある度に、素直に泣くことができます。

 

しかし、大人になると、そうはいきません。

 

泣きたくても、涙をぐっと堪えなければならない時もあります。

 

子どもには、そんな大人が不思議で、なかなか理解できないでしょう。

 

でも、やがて少年が大人になれば、自然とわかる時が来るはずです。

 

もしくは、大人になる過程で、理解することになるでしょう。

 

どうして、子どもは泣くのに、大人に泣かないのだろう。

 

この絵本では、そんな素朴な疑問が、子どもの目線から描かれています。

 

印象的なことば

 

ぼくも おとなになったら なかなくなるんだろうか。

 

絵本の最後のページにある、少年の言葉です。

 

子どもならではの気持ちが表現されています。

 

この言葉を読むと、子どもは共感できて、大人は自分の子どもの頃を思い出すかもしれません。

 

感想

 

様々な場面での涙が、子どもの視点から描かれた絵本です。

 

子どもが共感できるのは勿論のことですが、大人が読んでも共感できます。

 

また、大人が読むと、忘れていたことに気付かされたり、新たな感情が湧いてくるかもしれません。

 

泣くという行為は、子どもにとっては日常的なことですが、大人になると非日常的なものになります。

 

それは、何故でしょうか。

 

大人が泣くことは、恥ずかしいことだからでしょうか?

 

これは、それぞれが、大人になる過程で理解することだと思います。

 

でも、個人的には、大人だって泣く時があっていいのだと思います。

 

また、泣くことは、ストレス解消に有効なのだそうです。

 

涙を流すことは、心の健康にも役立つのです。

 

もし泣きたい時があったら、自分の好きな絵本を手に取って、泣いてみるのもオススメです。

 

そんな時間を持つことは、恥ずかしいことではなく、むしろ素敵な時間ではないでしょうか。

 

泣くという行為を、改めて考えさせられる一冊です。

 

ないた

ないた

 

 

 

 

 

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ゼロ年代+の絵本【2003年】

今回は、ゼロ年代+の絵本の第4回目「2003年版」です!

 

ゼロ年代+の絵本の企画概要などは、こちらです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

それでは、2003年版スタートです。

 

①おひさまパン

 

ehon0016.hatenablog.com

 

おひさまパンにまつわる、動物たちのお話です。訳は、作家の江國香織さんです。動物たちが可愛らしくて、パンもとても美味しそうです。

 

②おまえうまそうだな

 

ehon0016.hatenablog.com

 

アンキロサウルスの赤ちゃんとティラノサウルスのお父さんの心温まる一冊です。ユーモラスなイラストとは裏腹に、感動的なストーリーです。

 

岸辺のふたり

 

ehon0016.hatenablog.com

 

父と娘の別れと再会が描かれた絵本です。まるで映画を見ているかのような感覚で読める、大人な一冊です。

 

④急行「北極号」

 

ehon0016.hatenablog.com

 

クリスマスに起きた不思議な出来事が描かれた絵本です。幻想的で美しい絵と村上春樹さんの訳が印象的です。こちらの作品は、映画化もされています。

 

 

⑤ゴールディーのお人形

 

ehon0016.hatenablog.com

 

女の子の仕事への誇りが描かれた絵本です。働くことの尊さや素晴らしさが描かれた、大人にこそ読んでほしい一冊です。

 

ザスーラ

 

ehon0016.hatenablog.com

 

兄弟が経験する、奇妙な冒険が描かれた絵本です。こちらの作品も、映画化されています。『ジュマンジ』の続編にあたります。

 

 

 

映画『ジュマンジ』もオススメです。私も、小さい頃に何度も見ました。

 

 

⑦しゅくだい

 

ehon0016.hatenablog.com

 

宿題をめぐる、もぐと家族の心温まる一冊です。いもとようこさんの絵本は、読むと優しい気持ちになれます。

 

⑧はっぴぃさん

 

ehon0016.hatenablog.com

 

荒井良二さんの絵本です。読み進めるうちに心が満たされていく、そんな絵本です。

 

⑨ゆらゆらばしのうえで

 

ehon0016.hatenablog.com

 

うさぎときつねの、不思議な絆が描かれた絵本です。テンポ良く読めます。

 

⑩ロンパーちゃんとふうせん

 

ehon0016.hatenablog.com

 

風船をめぐるロンパーちゃんの日常が描かれた絵本です。酒井駒子さんの絵本で、イラストが素敵です。

 

 

2003年も個性豊かな作品が揃っていますね。

 

今回も、海外絵本と国内絵本のそれぞれでベスト作品を決めたいと思います。

 

海外絵本では、『岸辺のふたり』がベスト1でした。

 

まるで短編映画を見ているような感覚で、感動的な絵本でした。

 

大人向けの絵本で、じっくり味わいたい一冊です。

 

また、国内絵本では、『おまえうまそうだな』がベスト1です。

 

怪獣の赤ちゃんとお父さんが繰り広げる、感動的な物語です。

 

次点は、『はっぴぃさん』で、心温まる作品でした。

 

また、2003年版では、海外絵本でオールズバーグの作品が、2つ入りました。

 

どちらも、子どもから大人まで楽しめる作品となっていますので、必見です。

 

映画化もされていますので、そちらも是非チェックしてみてください。

 

以上が、ゼロ年代+の絵本の2003年版でした。

 

気になった絵本がありましたら、ぜひ読んでみてください。

 

あなたの心の一冊が見つかれば幸いです。

 

 

 

 

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エリカ 奇跡のいのち

『エリカ 奇跡のいのち』を読みました。

 

エリカ 奇跡のいのち

エリカ 奇跡のいのち

  • 作者: ルース・バンダージー,ロベルトインノチェンティ,Ruth Vander Zee,Roberto Innocenti,柳田邦男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/07/14
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 42回
  • この商品を含むブログ (12件) を見る
 

 

あらすじ

 

1995年のある日、旅行途中のドイツで、著者の私はある女性と出会います。

 

その女性は、エリカでした。

 

強制収容所の話題になると、彼女は自分の体験を語り始めます……。

 

強制収容所から奇跡的に助かった女性の、感動の物語です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、命の尊さです。

 

著者の私は、旅の途中にひとりの女性と出会います。

 

彼女の名は、エリカ。

 

強制収容所の話題になると、エリカは自身の体験談を語り出します。

 

強制収容所に入れられる直前に助けられた時、彼女は生後2〜3ヶ月の赤ちゃんでした。

 

エリカと両親は、何百人ものユダヤ人たちと一緒に貨車に入れられ、貨車は走り出しました。

 

そして、列車がある村を通る時、スピードが落ちたところで、エリカのお母さんは、エリカを汽車から外に放り投げます。

 

エリカは、線路脇の小さな草むらの上に着地しました。

 

そして、近くにいた人が彼女を拾い上げ、ある女の人の家に連れて行ってくれました。

 

その女性は、危険を冒して、エリカを引き取りました。

 

そして、とても愛情深くエリカを育ててくれました。

 

その後、エリカは21歳で結婚し、3人の子どもに恵まれます。

 

今では、孫もいます。

 

この絵本では、著者が旅行の途中で出会ったエリカという女性が話してくれた内容が、物語になっています。

 

エリカは、強制収容所行きの汽車から奇跡的に助かり、生き延びた女性です。

 

そこには、感動的な物語があります。

 

改めて命の尊さを感じる作品です。

 

命の尊さを感じたり、命の重さについて考えるきっかけとなる絵本です。

 

印象的なことば

 

お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。

 

エリカの言葉です。

 

せめて子どもだけは助かって生き延びて欲しいという、お母さんの気持ちが伝わります。

 

また、エリカ自身も母親になったからこそ、こうしてお母さんの気持ちがわかるのではないでしょうか。

 

感想

 

強制収容所から奇跡的に逃れ、生き延びたひとりの女性の物語です。

 

そこには、エリカの辿った奇跡的な運命が、感動的に描かれています。

 

この絵本は、学生の頃に一度読んだことがあり、印象に残っていた絵本です。

 

内容も印象的ですが、まるで写真のような絵も印象に残っていました。

 

何度読んでも緊張感があり、同時に感動的で、命について考えさせられる絵本です。

 

この絵本を読んで、人は生きていると同時に、生かされているのだと感じました。

 

大人向けの絵本ですが、大人が子どもに読んであげてほしい作品です。

 

 

エリカ 奇跡のいのち

エリカ 奇跡のいのち

  • 作者: ルース・バンダージー,ロベルトインノチェンティ,Ruth Vander Zee,Roberto Innocenti,柳田邦男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/07/14
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こねこのチョコレート

『こねこのチョコレート』を読みました。

 

こねこのチョコレート

こねこのチョコレート

 

 

あらすじ

 

ジェニーは、4歳の女の子です。

 

もうすぐ、弟の誕生日です。

 

誕生日の前日、ジェニーはお母さんと一緒に、弟の誕生日プレゼントを買いに行きます。

 

ジェニーは、お菓子屋さんで「こねこのチョコレート」を買います。

 

その晩、ジェニーはなかなか眠ることができなくて……。

 

素敵な誕生日プレゼントのお話です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、思いがけないプレゼントです。

 

ジェニーは、弟の誕生日プレゼントに、こねこのチョコレートを買います。

 

その晩、ジェニーはなかなか眠ることができません。

 

ジェニーは、あの「こねこのチョコレート」のことを考えていたのです。

 

そして、ジェニーはこねこのチョコレートをひとつ食べてしまいます。

 

しかし、ジェニーはまだ眠れません。

 

そして、ひとつ、またひとつとチョコレートを食べていき、ついにはチョコレートを全部食べてしまいます。

 

次の日、家族のみんなが弟のクリストファーに、誕生日プレゼントを渡します。

 

そして、ジェニーもプレゼントを渡します。

 

しかし、クリストファーが箱を開けると、中身はからっぽです。

 

ジェニーは、クリストファーに謝りながらすすり泣きます。

 

そのとき、お父さんが部屋に入ってきて、飼い猫のティブルがプレゼントをくれたことを、みんなに知らせます。

 

みんなは、お父さんの後について、台所に向かいます。

 

そして、台所に行くと、ティブルとこねこがいます。

 

なんと、ティブルはこねこを3匹産んでいました!

 

クリストファーは、本物のこねこに大喜びします。

 

家族みんなが笑顔になり、物語は幕を閉じます。

 

ティブルの大活躍によって、ジェニーの失敗も帳消しになりました。

 

家族の温かさに、思わず微笑んでしまう絵本です。

 

印象的なことば

 

チョコレートの こねこより、ほんものの こねこのほうが ずっといいや!

 

弟のクリストファーの言葉です。

 

かしこい猫のティブルのおかげで、家族みんなが大喜びです。

 

ジェニーも、クリストファーの言葉に救われたことでしょう。

 

感想

 

誕生日プレゼントをめぐる、家族の心温まる物語です。

 

猫やこねこのチョコレートが出てきて、猫好きにはたまらない一冊です。

 

私も猫が好きなので、読んでいて癒されました。

 

大人でも、子どもの頃を思い出して、ジェニーの気持ちに思わず共感してしまいます。

 

あんなに可愛くて美味しそうなチョコレートがあったら、やはり食べたくなってしまいます。

 

最後は、猫のティブルのおかげで、ハッピーエンドになります。

 

読んでいて、心が温まる絵本です。

 

 

こねこのチョコレート

こねこのチョコレート

 

 

 

 

 

 

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オットー 戦火をくぐったテディベア

『オットー 戦火をくぐったテディベア』を読みました。

 

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

あらすじ

 

オットーは、ドイツの工場で作られた、本物のテディベアです。

 

ある日、オットーは、デビッドという少年のもとに、誕生日プレゼントとして贈られます。

 

オットーとデビッド、その親友のオスカーは、楽しい時間を過ごします。

 

しかし、ユダヤ人のデビッドは、両親とともに強制収容所に送られてしまい……。

 

戦争を背景に描かれた、テディベアのオットーの自伝的な絵本です。

 

見どころ

 

今回の見どころは、オットーと友達たちの奇跡的な再会です。

 

テディベアのオットーは、ドイツにある小さな工場で生まれます。

 

そして、デビッドという男の子のもとに、誕生日プレゼントとして贈られます。

 

デビッドには、同じ階に住むオスカーという親友がいました。

 

3人は、楽しい時を過ごします。

 

ある日、ユダヤ人のデビッドは、両親とともに強制収容所に送られてしまいます。

 

デビッドは、オットーにオスカーのことを頼み、お別れをします。

 

オットーとオスカーは、夜になるとデビッドのことを語りました。

 

ある日、オスカーのお父さんが軍隊に召集されて、前線に送られます。

 

その後、空襲が始まり、オットーたちは防空壕へと逃げ込みます。

 

しかし、大きな爆発があり、オットーは吹き飛ばされ、意識を失います。

 

そして、オットーはひょんなことから、ある兵隊の命を守ります。

 

兵隊のチャーリーには、勲章が贈られ、チャーリーはオットーの胸に勲章をつけます。

 

その写真が新聞に載り、オットーは連隊のマスコットになります。

 

戦争が終わり、チャーリーとともにオットーは、アメリカに渡ります。

 

チャーリーは、娘にオットーをプレゼントします。

 

しかし、散歩の途中で、不良少年のグループにつかまり、オットーはゴミ箱の中に放り込まれます。

 

そんな中、ゴミを漁っていたおばさんが、オットーを見つけ、骨董屋に持って行って、オットーを売りつけます。

 

ショーウィンドウに飾られたオットーは、何年も経った頃に、年老いた観光客に買われます。

 

なんと、その観光客はオスカーだったのです。

 

オスカーは、オットーのインクのシミで、オットーだとわかったはずです。

 

オットーたちの物語は、大きな見出しとともに新聞に載ります。

 

そして、デビッドから、オスカーが泊まっていたホテルに、電話がかかってきます。

 

3人は無事に再会を果たし、その後一緒にアパートで暮らします。

 

この絵本は、テディベアのオットーが書いた自伝になっているので、物語はオットーの視点で語られます。

 

オットーとデビッド、オスカーは、いつも一緒に楽しい時を過ごしますが、やがて戦争が暗い影を落とします。

 

しかし、それぞれが別々の場所で、戦争をくぐり抜け、生き延びます。

 

そして、長い年月を経て、3人は奇跡の再会を果たします。

 

デビッドもオスカーも、家族最後の生き残りで、壮絶な人生でした。

 

最後の方のページですっかり大人になった2人とオットーを見ると、なんだか感慨深いものがあります。

 

生きていればこんなこともあるのかもしれないと、思わせてくれる絵本です。

 

印象的なことば

 

でも、ぼくからすれば、人はだれもが同じ「人間」なんですけどね……。

 

オットーの言葉です。

 

強制収容所に送られる前に、デビッドはユダヤ人と書かれた黄色い星を身につけなければならなくなります。

 

黄色い星は、デビッドが他の人とは違うことを表す印です。

 

それを見たオットーが、感じた思いです。

 

素直な表現ながらも、心に刺さる言葉です。

 

このような考え方が、人間にもできれば、もっと平和な世の中になることでしょう。

 

感想

 

二人の少年とテディベアが、戦争に巻き込まれながらも、奇跡の再会を果たす物語です。

 

戦争や強制収容所など、負の歴史が背景に描かれた絵本ですが、最後は3人が奇跡の再会を果たし、希望のある終わりになっています。

 

戦争というと暗い話になりがちですが、物語がテディベアのオットーによって語られるため、どことなくユーモラスで、それでいて感動的です。

 

イラストのオットーは、場面によって絶妙に表情が変わり、まるで生きているかのようです。

 

オットーは、単なる思い出の品という域を超えて、物語の核となる存在になっています。

 

ページをめくるたびに、「どうなるんだろう?」とハラハラしながら読みましたが、最後はハッピーエンドでホッとしました。

 

ぜひ、現代の子供たちに読んでもらいたい絵本です。

 

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋)

 

 

トミーウンゲラーの作品では、こちらもオススメです。

 

ehon0016.hatenablog.com

 

 

 

 

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